本番前に突然の雨が降った中山競馬場で行われた第83回皐月賞は、2番人気のソールオリエンスが後方2番手から大外一気の末脚で他馬をまとめてかわし、“史上最少”となるキャリア3戦目で皐月賞を制した。
2着に5番人気のタスティエーラ、3着に1番人気のファントムシーフが入り、3番人気のベラジオオペラは10着に敗れた。
ソールオリエンス騎乗の横山武史騎手は一昨年のホープフルS(キラーアビリティ)以来のG1勝利で、ソールオリエンスの父であるキタサンブラック産駒はクラシック初制覇となった。
また、オーナーの社台レースホースは14年イスラボニータ以来9年ぶり6度目の皐月賞制覇となった。
先日“世界ランク1位”が発表されたイクイノックスに続くキタサンブラック産駒から新たな“スターホース”が誕生した。
京成杯で圧巻のレースを見せてから3ヶ月、リフレッシュしたソールオリエンスはスタート前から発汗が目立った。
キャリア3戦目、初めての多頭数に少し戸惑いがあったと思うが、横山(武)騎手はこの馬のことを「とにかく走る、走る馬」と期待を寄せていた。
いつもより後ろからの競馬になり、レース前に降った雨で馬場も悪化した中で、「外の馬場を走りたい」と最内枠から外に持ち出すタイミングを図った。
後方2番手から外に持ち出し、3〜4コーナーにかけて馬場が悪い影響からかかなり外を回ってまくりにかかった。
かなり外に回した分かなりの距離を走らせるということで、普通なら届かず終わってしまう・・・そう思った。
しかしその脚はまるでディープインパクトを彷彿させる“飛ぶ脚”で一気に前を捕らえ、キャリア3戦目とレース史上“最少”で最初の一冠を手にした。
派手にガッツポーズする横山(武)騎手はあるひとつの“想い”があった。
一昨年、エフフォーリアで皐月賞を制し、これが自身初G1制覇となり、この年はG15勝と大活躍の年となった。
しかし昨年はG1未勝利で、今年エフフォーリアが引退して厩舎を離れる時に見届けた際には涙を流した。
どこが悪かったか毎日毎日研究しても不甲斐ない結果が続いた中で久しぶりのG1勝利に、横山(武)騎手は「これに超える喜びはないです」と久しぶりに“武史スマイル”を見せた。
これだけ強い競馬を見せたなら、今度はさらに大きなところへ・・・
横山(武)騎手は「(ダービーは)2年前も去年も、その前も良い結果を得られていません。僕は間違いなく1年ずつ成長しているはずなので、技術を上げた姿を、さらに大きい舞台でこの馬と一緒に皆さんに披露することができたらなと思います。」と一昨年あと僅かで掴み取れなかった大きな勲章を掴むために、闘志を燃やしていた。
最高のパートナーがターフを去った今、新たな最高のパートナーで2年前の“忘れ物”を獲りに行く。
“キャリア3戦目”で桜花賞のライトクオンタムの件があって思いきって“消し”勝負に行ったが・・・参りました!
キタサンブラック産駒はやっぱり走りますね。
イクイノックスに続いて新たなスターホースが出て、(キタサンブラックの)オーナーである北島三郎さんも嬉しいことでしょうね。
これでまたキタサンブラックの株が上がりますね。
さて、いよいよ今週は京都競馬場がリニューアル開催ですね。
コース形態はそこまで変わってないが、パドックが大きく変わっているということで、どんな感じになっているか楽しみです。