ダービーにふさわしい青空が広がった東京競馬場で行われた第84回日本ダービーは、2番人気のレイデオロ(写真中央)が向こう正面でまくるように好位に進出して、最後の直線で外から3番人気のスワーヴリチャード(写真左端)が伸びてくるも1/2馬身差でしのぎ、7015頭のサラブレッドの頂点に輝いた。
2着にスワーヴリチャード、3着に大外から伸びてきた1番人気のアドミラブルが入り、皐月賞馬アルアインは内で粘った14番人気のマイスタイルとの写真判定の末、5着に敗れた。
レイデオロ騎乗のクリストフ・ルメール騎手はヴィクトリアマイル(アドマイヤリード)・オークス(ソウルスターリング)に続く3週連続のG1制覇で、3週連続G1制覇は01年オリビエ・ペリエ騎手以来16年ぶり史上2人目の快挙となった。
また、レイデオロを管理する藤澤和雄調教師は先週のオークスに続く2週連続G1制覇で、ダービーはこれまで02年シンボリクリスエス・03年ゼンノロブロイの2着が最高だったが、11回目19頭目の挑戦で悲願のダービー制覇となった。
では予想結果を。
予想は、
◎カデナ
○レイデオロ
▲アドミラブル
△アルアイン
△ペルシアンナイト
注ダンビュライト
でしたが、結果は・・・
1着 ○レイデオロ
2着 ・スワーヴリチャード
3着 ▲アドミラブル
5着 △アルアイン
6着 注ダンビュライト
7着 △ペルシアンナイト
11着 ◎カデナ
結果見たら「レイデオロにすれば良かった・・・。」と後悔の連続ですが、ハズレたことなんてどうでもいいです!
何よりレイデオロを管理する藤澤和雄調教師がついに“ダービートレーナー”になったことが嬉しいです!
昨年のホープフルSを勝った時から“クラシック候補”と言われ、藤澤調教師にとってクラシック制覇最大のビッグチャンスとも言われた。
しかし皐月賞はぶっつけ本番の影響もあって5着と振るわなかった。
最後もしっかり伸びていたが、前が止まらない展開に泣かされた。
それでも藤澤調教師は手応えを掴んでいた。
悲願のダービー制覇に向けてしっかり仕上げて、いざ本番へ・・・。
皐月賞5着ながらデビュー3連勝の実力が評価されて、2番人気に。
スタートはまずまずなスタートを見せて、中団より後方から競馬することに。
しかし向こう正面に入ると1000m通過が63秒2と過去10年で最も遅く、それを感じ取ったルメールのレイデオロは先頭に取り付こうとして、スタンドの大観衆がどよめいた。
4コーナーに入ると早くも先頭に立って、いざ最後の直線勝負へ!
ダービーの前のレースでは前に行った馬がある程度残っていたせいか、ダービーもレースを引っ張ったマイスタイルが前で粘っていた。
馬場の真ん中からレイデオロが先頭に立つと、外から四位騎手のスワーヴリチャードが伸びてきた!
並ばれるかと思いきや、レイデオロは並ばせまいと勝負根性を見せて、またグイッと伸びた。
最後は半馬身差をつけて、2014年に誕生した7015頭の頂点に立った。
道中後方から向こう正面でまくるように先団を取り付き、最後は抜け出して勝つことは例に見ない勝ち方・・・
それをルメール騎手がやってのけたから、完全にルメールの“手腕”が光った結果になった。
昨年サトノダイヤモンドで惜しい2着に敗れたルメール騎手は3回目の挑戦でダービー初制覇。
フランスの騎手時代には自国のダービーにも勝ったことがあり、ルメール騎手は「フランスと日本のダービーに勝てたことがすごく嬉しいです。」と喜んだ。
ミルコ・デムーロ騎手に次いで史上2人目の外国人騎手のダービージョッキーになったルメール騎手は、これが3週連続G1制覇にもなり、同じフランス出身の先輩騎手であるオリビエ・ペリエ騎手以来の快挙にもなった。
(ペリエ騎手は01年マイルCS(ゼンノエルシド)・ジャパンC(ジャングルポケット)・阪神JF(タムロチェリー)で3週連続G1制覇している。)
次は安田記念でイスラボニータに騎乗し、史上初の4週連続G1制覇がかかる。
前走久しぶりの勝利を挙げただけに、その期待は高まるばかりだ。
レイデオロでついに“ダービートレーナー”の称号を手に入れた藤澤和雄調教師(写真左)。
これまでシンボリクリスエス・ゼンノロブロイがあと一歩のところまで来ながらも、頂点に立つことができなかった。
“藤澤調教師がダービー勝てないのが不思議”という競馬の七不思議みたいなことも言われていたが、神様はようやく味方にしてくれた。
今回を含めてダービーに挑戦できるのはあと5回(=5年)だったが、藤澤調教師は「あと5回もある。チャンスはどこかで巡ってくる。」とあくまでプラスに捉えていた。
“あと5回”がこんなに早く訪れ、藤澤調教師は夢にまで見たダービー制覇に終始笑顔が絶えなかった。
さらに藤澤調教師にとっては感慨深いダービー制覇にもなった。
父はキングカメハメハだが、母のラドラーダ・母父シンボリクリスエス・母の母レディブロンドは自らが育てた馬。
“藤澤ブランド”と言っていいレイデオロがダービーを制覇してくれたことは、調教師人生で忘れることのない一生の思い出になることでしょう。
昨年は2歳G1を総なめにし、今年はクラシック二冠目を総なめにして、日本競馬に欠かせない名伯楽が秋に向けてさらなる飛躍を誓った。
これ、レイデオロとサトノダイヤモンドが一緒に出てきたら、ルメールはどっち乗るかも楽しみだな。