春とは思えない真夏の日差しが照らされた京都競馬場で行われた第155回天皇賞(春)は、1番人気のキタサンブラックが2周目4コーナーで先頭に立つと、直線で4番人気のシュヴァルグランや2番人気のサトノダイヤモンドの追撃を振り切り、史上4頭目の天皇賞(春)連覇とともに、06年ディープインパクトが出した3分13秒4を0.9秒上回る3分12秒5のレコードタイムでG15勝目を挙げた。
2着にシュヴァルグラン、3着にサトノダイヤモンドが入り、3番人気のシャケトラは9着に敗れた。
キタサンブラック騎乗の武豊騎手は今年G12勝目で、このレースは歴代最多の8勝目で、同一G18勝は史上初の快挙となった。
では予想結果を。
予想は、
◎サトノダイヤモンド
○キタサンブラック
▲シャケトラ
△シュヴァルグラン
△ゴールドアクター
注ディーマジェスティ
でしたが、結果は・・・
1着 ○キタサンブラック
2着 △シュヴァルグラン
3着 ◎サトノダイヤモンド
6着 注ディーマジェスティ
7着 △ゴールドアクター
9着 ▲シャケトラ
またひとつ勝ち星を積み重ねて、日本競馬界の“エース”として貫禄を見せつけたキタサンブラック。
今回は前走の大阪杯と違って、超ハイペースな流れになった。
ヤマカツライデンが他馬を引き離す逃げで、1000m通過が58秒3と昨年より3秒も速い展開に。
それでもキタサンブラックは慌てず騒がず2番手の“マイポジション”で折り合い、しっかり自分のペースを守った。
ヤマカツライデンがいっぱいになると、4コーナーであっという間に先頭に立ち、後続もグッと差を詰めた。
キタサンブラックの武器は抜かしたくても抜かせない“二の脚”でシュヴァルグランやサトノダイヤモンド、さらにアドマイヤデウス(4着)が詰め寄るもなかなか捕らえず、結局そのまま押し切った。
勝ちタイム3分12秒5は、06年ディープインパクトが出した3分13秒4を0.9秒上回るレコードで、11年ぶりの更新にスタンドがどよめいた。
5着のアルバートまでが06年のタイムを上回る非常にタフな競馬になり、キタサンブラックも(レコード決着とは言え)少し疲れはあった。
それでもどんな展開にも対応できるのは“最強馬”の証でもある。
今回それを証明することができて、日本の“エース”として面目が保たれた。
自身がディープインパクトでレコード更新して、それを11年ぶりに塗り替えたことに武豊騎手は「しばらくは破られないと思っていたが、打ち破りましたね。大した馬です。」と驚きを隠せなかった。
キタサンブラックが新たな記録を塗り替えたと同時に、武豊騎手もまたひとつ偉大な記録を打ち立てた。
同一G18勝・・・
イナリワン・スーパークリーク・メジロマックイーンで89〜92年を4連覇(メジロマックイーンは91年と92年で連覇)し、99年にスペシャルウィーク、06年にディープインパクト、
そしてキタサンブラックが連覇と、伝統ある春の天皇賞で8勝はまさに“盾男”にふさわしい記録だ。
「いい馬に乗せてもらえて感謝してます。」と謙虚に答えた武豊騎手は、これからのキタサンブラックについて「どんどん進化しているので、ファンの期待に応えるよう頑張ります。」と期待を寄せていた。
進化続ける日本の“エース”は、着々と“夢舞台”へと近づいてきている。
今年も魅せてくれたキタサンブラック。
このコンビに負けても、なぜか悔しさがないですね。
やっぱり“画になる男 武豊”ですからか?
オーナーの北島三郎さんも歓喜し、秋の夢舞台へ一歩前進した。
この日のサブちゃんは絶好調で、レコード決着について「“レコード”は私が出す仕事ですが。」と皆の笑いを誘った。
さらに秋の夢舞台については、「今日からフランス語を勉強しようかな?」と終始上機嫌だった。
もはや“敵なし!”と言っていいほどの強さを見せたキタサンブラックは、春のグランプリを目標に次の戦いに備えた。
長い文章になったので、敗れた馬たちについては次のブログで。