ボンジュール!
イカサマ・フレンチの芋焼酎です。
前回よりちょっと日付を前に戻して、ニューカレドニア観光編です。
まあ、釣りに行った話のオマケですね。
2023年12月31日(日)の午前中
マルシェ(朝市)は、土日が最も賑わいます。
とくに大晦日なので、買い物客がとても多い。
前を歩いているのは、うちの息子君です。
地元のカナック人のおばちゃんやら、観光客のオージー(オーストラリア人)やらフランス人やらがいて、見ていてとても楽しい。
ヌメア市内の朝市
最後に指さしていた赤いマンゴー、熟していてとても美味しかった。
マンゴーがこんなに美味しいとは知りませんでした。
2023年12月31日(日)の深夜
海岸で、南十字星といふものを、家族でゆっくり観察しようとしたのですが・・・
新年のカウントダウン祭りで大変賑わっており、とてもとても南十字星観察どころではありません。
欧米で、カウントダウン騒ぎをするのは知っていましたが、ニューカレドニアでもやるのね。
知らなかった。
まあ、みんな楽しそうなので、いいんだけど。
地元民が、それぞれゴザ敷いて、家族みんなで楽しくすごす。
いいですね。
そういう日だったようです。
ビデオには映っていませんが、花火もにぎやかに打ちあがっていました。
そうなのか~。
星座観察は、平日の夜だな。
平日の夜は・・・静かにしてほしいな。
2024年1月1日(日)の朝8時ごろ
朝食後の散歩です。
ぼちぼち、ビーチに海水浴客が出てき始めたところかな。
真夏のニューカレドニア、あちいです。
観光客に混じって、ちょいちょい地元のカナック人のファミリーも海水浴にきていました。
ここニューカレドニア、現在は、人種や民族の争い、あまりない感じですね。
1970年代~1980年代は、カナック人による独立運動も盛んだったのですが、現在は下火なようです。
ニューカレドニア、南太平洋諸国の中では、オーストラリアやニュージーランドに次いで経済的に豊かな国です。
オーストラリアやニュージーランドはともかくとして、それ以外の南太平洋諸国とニューカレドニアを比較すると、国民一人当たりGDP(国内総生産)は、ニューカレドニアが断トツで豊かです。
国民一人当たりGDP(米ドル換算後2011~2012年のデータ)
日本 40,458
ニューカレドニア 34,788
ナウル 8,379
トンガ 4,557
サモア 3,680
フィジー 3,639
ツバル 3,407
バヌアツ 3.099
ソロモン諸島 1,676
キリバス 1,651
数字で見る限り、ニューカレドニア、断トツでリッチな国なのです。
(その分、物価も高いけど。)
ニューカレドニアの主な産業は、ニッケル鉱業と観光です。
特にニッケルの生産量は、世界4位(約8%)を占めます。
こんな小さな島ですが、ニッケルやコバルト(コバルトはこれから開発が期待される)の埋蔵量がとにかく豊富。
ただし、ニッケル精製工場から排水が海に流出する事故がちょいちょい起きており、漁業を営んでいるカナック人の反対運動もあって、必ずしも問題がないわけではない。
開発と環境保護、どこの国でも頭が痛いですね。
さらにニューカレドニアで深刻な問題は、失業率がとても高い事。
ニューカレドニアは失業率が12.27%(2022年)もあり、異常に高いのです。
ちなみに
日本 2.64%
アメリカ 3.61%
フランス 7.45%
フランス領ポリネシア(タヒチとか) 13.1%
サモア 10.31%
フィジー 4.33%
トンガ 3.01%
バヌアツ 2.09%
ソロモン諸島 1.54%
出展
サモアはともかくとして、ほかの太平洋諸国(データがない国もあるが)よりも、ニューカレドニアとフランス領ポリネシアは、失業率がかなり高い傾向にあります。
さらにいうと、この失業率12.27%というのは、ニューカレドニア全体での話ですから、フランス系住民よりも所得水準の低い先住民族カナック人の、しかも若年層の失業率はこれよりもさらにずっと高いと考えられます。
(どこの国でも若年層の失業率は、国全体の平均値の倍近くなる傾向にある。)
カナック人の間に、ニューカレドニア産業の発展の恩恵にあずかれていないのではないかという不満が高まると、独立運動熱は高まるのでしょう。
しかし、独立すれば、フランスからの経済援助は打ち切られてしまうので、これはこれで非常に痛い。
社会保障制度はまったく維持できなくなり、ニューカレドニア財政は破綻するかもしれません。
失業者や低所得者層にとっては、大きな打撃です。
「失業」というのは、「貧困」に直結する大問題なので(個人にとっても国家にとっても)、失業者を減少させることは、とても重要な政策です。
そして有効需要を増やす(簡単にいうと、仕事を増やす)ことによって、失業者を減少させる政策が一般的には採用されます。(ケインズ経済学的な方法。)
とはいえ、有効需要を増やすための公共投資、何にどうやってすればいいのか?
具体的な方法となると、なかなか難しい。
特にニューカレドニアは小さい島国なので、国内市場が小さい。
したがって、近隣の経済的に豊かな国(オーストラリアとかニュージーランド)と組んで産業投資を考える必要があるのではないだろうか。
それとも、経済的にある程度の豊かさは保障するけど、失業率は高くて不安定要因を抱えた状態に置いておく(独立できないように)、というのがフランス流の植民地支配の極意なのかなあ?
一応、個人的な感想としては、
フランス系住民=豊か、 先住民族カナック人=貧しい
という単純なものの見方は、あまり正しくない、ということだけはお伝えしておきます。
私が観た範囲のことではありますが、カナック人のなかにも富裕層や中間層は、多少はいます。
反対に、フランス系の肉体労働者もちょいちょい見かけました。
ヌメア市内から、「チバウ文化センター」行きのバスに乗ると、途中に高級住宅街があって、地元の富裕層が住んでいるところがあるのですが、バスに乗ってくるのは、カナック人の子供連れのおばちゃんたちが多かったです。
ここいらへんに住んでいるカナック人は、カナック人のなかでも豊かな人々なので、みんな着ている服が新品で、きれい。
フランス系の富裕層は、自家用車を何台も持っているので、そもそもバスには乗らないのでしょうが(だから乗ってこない)、フランス系より少ないとはいえ、カナック人でも豊かな人たちはいます。
そして観光客が大勢いるビーチでも、カナック人の家族連れはけっこうたくさんいました。
しかし、海をぽつんと一人で眺めている、ボロボロの穴の開いた服を着たカナック人も時々見かけました。
ちゃらちゃら遊んでいる観光客の隣で、海を見つめている彼らの表情は、気のせいかみんな険しかったのが印象的でした。
市街にいくと、たまーに、日陰に座り込んでいるホームレスもいました。
(あまり数は多くないけど、ゼロではない。)
たまにいるホームレスは、カナック人ですね。
(ちなみにフランス系のホームレスはいなかった。)
なので、カナック人の中でも、格差はあると思いました。
南国の楽園、住んでいる人にとっては、のんきなことばかりではないようです。
おまけ
ニューカレドニアの紙幣
ニューカレドニアの通貨は、パシフィックフラン(CFP)といいます。
フランスの植民地なのに、ユーロではないんですね。
ちなみにこのパシフィックフラン、タヒチ(ここもフランスの植民地)も同じだそうで、フランス領南太平洋諸国の通貨、ということらしいです。
なんでフランス本国と同じユーロにしないんだろう?
ユーロ経済圏とニューカレドニアがつながるのは、ダメなんだろうか?
フランス以外の、植民地を持っている他のEU加盟国は、どうしているんだろうか?
1000パシフィックフラン札と、500パシフィックフラン札
上のには、国鳥のカグーが描かれています。
カグー、イラストやデザインとしてよく使われています。
飛べない鳥として有名なカグー、ぜひ見たかったでーす。