前提として
わたしはルールを守りたいタイプで
学生の頃は些細なことでも
校則を破っている人たちがいたけど
波には乗らなかった
だから社会人になっても
自分の思いとは違っていても
ルールで決められたことは絶対だった
塾長になりたてのときから
ルール違反をしている塾長がいるなんて
考えもしないし
最低限のルールは守って
仕事をしているものだと思っていた
まさか前任の塾長
2人前までルール違反していたとは
その前は知らないけれど
2人前までで十分
現在通っている生徒たちの塾歴にはなるから
その2人に作られてきたこの塾は
ルール人間の私に試練を与えるのだった
まず最も多かったのは
授業の時間や科目の振替が
フリーすぎること
以前書いたように
授業の時間や科目の振替は
前日までにしなければならず
当日になっての連絡では
特別警報が出ているなどの理由がない限り
振替不可
欠席扱いかそのまま受けてもらうしかない
わたしは
しっかりそのルールを守っていたし
生徒にも保護者にも講師にも
口うるさいくらい当日はダメだと言っていた
それが当たり前だと思っていた
だって会社のルールなんだから
1人に許せば
歯止めがきかなくなる
あぁ風邪でかわいそうだし
当日だけど振替してあげよう
とか
明日テストあるしこの科目にしてあげよう
とか
生徒のためを思って
優しさのつもりで
ルール違反したくなることは
きっとどの塾長でも
あると思います
わたしも
変更できないけど変更してあげたいと
思ったときはある
しないけれど
それを
平気でしちゃう人たちがいるんですね
生徒のためを思えば
振替しちゃうことが正義かもしれない
しかし
それでは上手く回らなくなるから
ルールがあるわけです
生徒に嫌がらせをしているわけでは
もちろんないわけで
ルールを守っていかないと
色々な不都合につながるから
ぐっと堪えて
当日振替だめだよと
ルール化されているのに
前任2人が何度もしてしまっているもんだから
新任のわたしが全然振替してくれなくて
保護者はストレスが溜まっていくわけです
怒りが募っていくわけです
そして爆発したら
矛先は今の塾長です
わたしです
前に書いた地域柄のこともあってか
まあみんなブチギレるわ
クレームの長電話くるわ
でもわたし
人間としては知らないけれど
社員として間違ったことしていないんで
これはルールなんです
前までの塾長は間違えていたんです
これから守っていただくようお願いします
の一点張り
前までの塾長が
ルール違反していたことは
本部にバレていなかったのかというと
見つかって注意されたこともあるらしいけれど
見つかりづらいので
きっとスルーが多かったと思っている
パソコン上で科目をいじって
それは本部にも見られるんですけど
例えば急に英語から理科に変更して
授業を行ったときに
パソコン上で科目をいじらなければ
その子はきちんと英語の授業を受けたことになる
直接塾に見に来ない限り
英語受けてないじゃん!なんてわからない
でもね
急にパソコン上で
理科に変更したところで
怪しまれるわけでもないんで
結局どっちでもいいんです
だから
簡単にできるんです
ルール違反
保護者に怒られるのはもちろん嫌だったけど
初めのうちは仕方ないから
電話で謝ってルールを守ってもらうよう徹底した
しかし
そんないつもの内容の
保護者からの電話のはずなのに
ある日急にひもがプツンと切れたみたいに
わたしのメンタルもプツンと限界を迎えた
生徒の名前は今でも覚えている
彼女の母親は
その塾で1番恐れられている
クレーマーだったらしい
電話先でとんでもなくキレている
受話器を持つ手が震えた
電話は生徒や講師からも見える場所にある
隠れなくては
話し声ができるだけ聞こえないようにしなければ
電話中はできる限りの応対をして
電話がおわると
誰も来ないスペースに逃げ込んでいた
涙が止まらなかった