レフティの店内にはwildturkeyの空瓶が並びジャズが流れていた。心地よく刻むリズムは回りの客の会話を打ち消してくれた。
「お腹空いてるだろ?何が好き?この店は隣の居酒屋と厨房が一緒でね、魚が美味いんだよ。意外だろ?おススメはね、この時期はカキフライ、美味いよ!」
趣味の山登りで日焼けしたというAの浅黒い顔をこんなに間近で見るのは初めてで、私はAの顔を暫く見つめてしまった。
「レフティの意味、知ってる?左利き、僕も小さい頃左利きでね…」。
今まで特段話した事もないので話題に詰まるのではないかと心配していたが、それは全くの取り越し苦労だった。ただただ居心地のよい時間に、私は少しはしゃいでいたかもしれない…。