我が家には食欲旺盛な二人の息子がいるので、食べ物の分け方には昔から、大変にシビアだった。

 

2人が幼稚園の頃、年長さんと年少さんの6歳と4歳の頃から、夕食のメニューが餃子だと告げると、

「ひとり何個?ひとり何個?」

と、2人交互に訊いてきた。喧嘩にならないようにと、私が「何個ずつだよ」と言いながら大皿に餃子をのせて食卓に運んだのが、おそらくは始まりだろうが。要するに意地汚い(-.-)

 

めんどくさくなった私は、

「全部で30個ね。さて、ひとりいくつでしょう?」

 

と、掛け算も割り算も知らない幼稚園児を黙らせるために始めた、餃子分けクイズだが…これが、めちゃめちゃ計算が早かった。

 

「30個なら4人だからひとり7個であまりは2個だね?」

長男即答…なぜわかる??

近所のおばちゃんに3歳の時に足し算を教えてもらった(駐車場に敷かれた石で!)長男は、手も足も使わずにこのの頃から足し算引き算はいつの間にか出来ていたけれど、さすがに掛け算は知らないのに、どうやってこの6歳児は餃子のあまりまで瞬時に計算したのか?

 

食べ物のチカラ…食欲とは、時にすごい力を発揮するらしい。

 

 

あれから30年近くが過ぎた。

大いに期待した長男だったが、残念ながら彼の辞書には「努力」という二文字は最初からないらしく、沢山の挫折を味わった末に就職した今の会社を、あと3年後には辞めると宣う。

「キャンプ場の事業を立ち上げる人がいるんだ(キャンプ仲間に)。そこで管理人として雇ってもらう話になっている」

はぁ…。

 

彼は営業職だが、顧客からすこぶる評判がいいらしい(同じ会社に勤める夫君談)。

あるシステムの販売・フォローをする会社だが、他の社員はみすみすライバル社に顧客を取られたりもする中、長男は担当の会社からの信頼が厚いらしい。

 

「手厚いからね、俺は。」

まんざらでもない表情で長男は言う。私には何のことやら、ちんぷんかんぷんだ。

家では極度の自己中と我儘を絵に描いたようなこやつが可愛がっていただいているなんて…ありがたいが、不思議でならない。

 

それならこのままお世話になっていればいいものを、全て捨ててどうなるかもわからない話に飛びついていくなんて…計算得意なんじゃないの?( 一一)

 

 

ついでながら、

「にいちゃん、30個ならいくつ?」

と言いながらニコニコと焼きあがる餃子を待っていた二男は、「転職する!」といいながらも有楽町の某社に勤務を続け、今月末には将来の伴侶となるであろう彼女を我が家に連れてくるという。

 

何が幸せかなんてわからないけれども…。

 

ちなみに、二男も会社の上司にはよく物申しているらしい…遺伝か、育て方か…いずれにしても、私のせいだなぁ(-.-)