1976年に始まった「すばらしき仲間」は、高校生の頃、よく観ていたテレビ番組だった。1992年まで続いたそうですが、ご記憶にありますでしょうか?

 

私がこの番組の虜になっのは、佐藤愛子、遠藤周作、北杜夫各氏のトークの回を観た時からです。

高校生の時から何故か、と言っては失礼かもしれないが佐藤愛子氏の作品が大好きで、通学電車の中でよく読んだものです。内容はとっても厳しい女の半生を描いているのに、私は時々、我慢できずにブわっはっはと大声で笑っては、家族に「うるさい!」と叱られたものでした。

佐藤愛子氏といえば、ご存知のように作家の娘としての若き日、そして、幼子を抱えながら夫と別れ、借金を抱え、それを返すために作家として生きることになった氏の、その自伝的小説は、内容の厳しさを忘れてしまう程に、時に痛快で、そして、泣ける。エッセイとなると、更に周囲を厳しく見つめた面白おかしい表現に笑わされて、時にうーんと唸る。私は当時から今も、「親戚にひとりいてほしい、人生豊かに生きておられる、厳しくも愉快なおばちゃん」と、氏を尊敬し、時には畏れ、そして大好きなのだ。

 

今回、最近のヒット作「九十歳。何がめでたい」が映画化され、公開を楽しみにしていたけれど、私にとっての彼女のとの出会いは、「すばらしき仲間」。

西宮育ちの彼女は、当時、灘高の学生であった遠藤氏のマドンナであったというエピソードや、北氏との初対面では、「高名なお父様を持っての心境」のようなことを訪ねられ(佐藤氏の父は少年小説で人気の高かった佐藤紅緑氏)たが、その後、北氏の父が歌人の斎藤茂吉氏であることを知り激怒した…なんて話が面白くてたまらなかった。文章同様に、お三方ともお話も面白く、今でも映像があれば観たいし、絶対に何度も繰り返して観ては爆笑すること、まちがいなし!(ちなみに、詩人のサトウハチロー氏は異母兄)

 

憧れのおば様、佐藤愛子氏の映画を早く観に行きたい!面白おかしいだけではもちろんなく、彼女の生き方、考え方に学ぶべきことが山ほど詰まっているに違いないから。

 



これも面白かったです❣️