映画館に足を運んで観た、人生最初の作品は何でしたか?
私は、「名犬ラッシー」でした。
たぶんね、4歳くらい…。
私の家には、物心ついた時には犬がいました。
最初は、ぺㇲという名の川上犬で、とっても賢かったようです。
そのぺㇲが体調を崩しながらも産んだ子が、チッチ。もうお乳をあげるのも辛かったようで、チッチが寄っていくと逃げるという状態で、チッチはミルク飲み人形のおもちゃの哺乳瓶…スポイトのようなもので与えられて牛乳を飲み、命を繋ぎました。
チッチを産んで僅かに数日、ぺㇲは虹の橋を渡りました。
以来、チッチは私の親友?弟?まぁ、どこへ行くにも連れている…動くぬいぐるみのようでした。
そんなある日、小学生になった姉が学校で配布された映画の割引券を持ち帰り、母は私と姉を連れて映画を観に連れて行ってくれたのです。それが、私が映画館に行っった最初でした。姉は私と三つ違いでしたから、おそらくは姉が7歳、私は4歳でしたでしょうか。
作品は「名犬ラッシー」。
4歳にしては記憶が鮮明で、ラッシーが丸太につかまりながら濁流を流されていくシーンには堪えきれずに泣き始めたことなど、今でもはっきりと覚えています。
なぜか?
幼い私は、毎日、生まれたばかりのチッチを連れて遊んでいて、三輪車に載せた写真もありましたが、まぁ、ぬいぐるみよろしく、子犬のチッチをとにかく連れて遊んでいたのでした。
そのチッチのようなラッシーが、ご主人の元に帰りたくて長い旅をするわけですから、自分と大好きなチッチの関係が重なったのか、とにかくラッシーがかわいそうで…私は大声を上げて泣き出したのです!無論、映画は上映中です…。
母は大泣きする私とまだ観たい姉の手を引いて、急いで廊下に出たようです。
記憶にあるのは、母が、
「どうしてそんなに泣いているの?」
と訊くと、
「ラッシーがかわいそうだった。」
と泣き崩れた私。再度母は、主人公の男の子(名前忘れました!)ではないの?と訊きましたが、
「ラッシー…。」。
チッチと自分の関係にも重ねたのでしょうか?いや、まだ4歳ですから、ただただ、なかなか主人に会えないラッシーがかわいそうだったのでしょうね。
家に帰ると、余りにも大泣きした私に呆れた母が、
「もう、映画を観に連れて行かない!」
と宣言したことも、よく覚えています…。
そのせいなのか、まぁ、この後に妹が生まれたせいもあるでしょうが、以降、私は中1で「エクソシスト」を観に行くまで、映画館へ行って映画を観ることはありませんでした。姉が中学生になって友達と「小さな恋のメロディ」を観に行き、感激して帰った来たのがうらやましかったこともありましたが、それにしてもなぜ二作目が「エクソシスト」だったのかは大いなる謎です…。
この間、もちろんテレビでは映画を観ていて、「サウンドオブミュージック」は大好きな作品になりましたし、「嵐が丘」「若草物語」「ああ無情」などなど、以前あったコピーの「観てから読むか?読んでから観るか?」(逆かな?なんかそんな感じのやつ)ではないですが、テレビで観た映画が名作本への扉を開いてくれたのは間違いありません。
あなたが映画館で観た、最初の作品は何ですか?
ぽよぽよの毛になった、みる!