お正月が終わると同時に
仕事始めとなった。
早朝職場に行き、これまでの経緯と現状を説明した。
私がずっとやってきた、月はじめの仕事も急いで片付けた。
一つだけできなかったことは、
この先どうなるかという見通しを伝えること。
上司には、迷惑をかけたくないので仕事を辞めることも考えていることを伝えるのが精一杯だった。
すでに迷惑をかけているが…
申し訳ない気持ちのまま、職場を出て駅へ走る。

面会はいつもより1時間遅くなってしまった。
待ってましたとばかりに
ひげの医師から話がある。

おしっこの量が摂取した水分量より出ている。
UN、クレアチニン、尿酸の値が下がり、
カリウム、リンも落ち着いた。
しかし依然として尿たんぱく比が上がっている。(17.13)
体の中のたんぱく(アルブミン)は、水を引き付ける性質があるが、今おしっこでたんぱくが出てしまっているため、水分が体の中にとどまっていられずに血管の外に出てしまう。
そのために起こっているむくみなので、
今までの乏尿のむくみとは種類が異なる。
体の中のアルブミンが少ないので、補ってもいいかなと思っている。
腎生検は3日後予定通り行う。

ひげの医師はサラリと口にしたが、
アルブミンを補う=輸血である。
入院直後にサインした書類の中に
輸血の同意書があった。
医師は
アルブミンは加熱製剤で、これまでに国内で事故のない安全な輸血だと言う。
私はたずねた。
「これまでは…ですよね」
「確かにこれまではです。この先新たなウイルスが発見されるかもしれません。そのためにこの輸血を受けた記録を残します。」
不安は拭いきれない。
ニュースで見るじゃない。
過去に国が安全だと言った治療で
苦しんでいる人たちが裁判しているところ。
ちびがおじさんやおじいさんになったとき
あんな風に苦しむ可能性があるってこと❓️
あまりにもサラリと話す医師に
そんなことは聞けなかった。
そんな不安をいちいち受け止めていたら
治療は進まないのかもしれない。

おやつのとき、ちびに話をした。
おしっこ出るようになって
もう治るのかなと思っていたけど
今度は体の中にいなくちゃならない栄養が
おしっこと出ていっちゃってるんだって。
どうしてそうなっちゃうのかわからないから
ちびのおしっこを作る腎臓に針を刺して
検査をしたいんだって。
下のお部屋で刺した針より痛くないし、
眠ってる間に終わる検査だよ。

楽しいおやつの時間が
一瞬にして不安で悲しい時間に変わった。
私はちびを抱き締めて
一緒に不安を分かち合った。
「ママもこわいよ。」と正直に言うのが精一杯だった。

夕方またひげの医師が来た。
科内で話し合った結果、まだアルブミン投与は行わない。
腎生検当日はHCUに一泊する。
9時に手術室に入る予定。

その後、麻酔科の医師や看護師が代わる代わる病室にやってきた。
麻酔にいろいろな匂いを準備しているので選んだり、
麻酔が効くまでに見たいDVDを決めたり、
ニコニコ説明してくれるが、
ちびの表情は悪くなっていく。

今日唯一ラッキーだったのは
手違いで夕食が常食になったこと。
遠慮がちに汁物をいただくちび。
でも味があっておいしかったらしい。
7時半には就寝。

不安で仕方ない思いで電車に乗る。
救急車で運ばれたときのことを思えば
光は見えてきたのかもしれないが、
やはり不安だ。
不安はちびと二人で分かち合い、
半分にすればいい。
そう思いたいけれど…

右矢印続く