幼い頃、私はひいおばあちゃんと遊ぶのが大好きでした。
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私はひいおばあちゃんをひいおばあちゃんとは知らず、「あんよ(足)こわい(こわい:古い栃木弁で「疲れた」の意)こわいのおばちゃん」と呼んでいました。
いつも「あー、あんよがこわい(疲れた)、
こわい。」とボヤいていた穏やかで優しいひいおばあちゃんでした。
私にとってあんよこわいこわいのおばちゃんは大好きな遊び相手でしたが、ある日彼女はがんにかかってしまいました。
大人達は
「あんよこわいこわいのおばちゃんは今具合悪くしてて遊べないんだよ。」
と言いましたが、私は「遊びたい」と譲らず。
私(ひ孫)の顔を見せたら病状も少し良くなるかも、という期待もあったのでしょう、私は「とびきり大人しくしていること」という条件つきであんよこわいこわいのおばちゃんとの対面が許されました。
その時、彼女の目は黄疸で黄色くなっていました。
こともあろうに幼かった私は無遠慮に
私「あれ、あんよこわいこわいのおばちゃん目の白いところが黄色くなってる。なんで? 気持ち悪いよ!」
と言い放ってしまったのです。
あんよこわいこわいのおばちゃんは失意のうちに亡くなりました。
あんよこわいこわいのおばちゃんの息子(が、私の母の母の弟)も、実母の死に目にまさかの仕打ちを受けて、しかし幼くて何も分からない私を責めるわけにもいかず、悔しそうに哀しそうに、無言で一切を耐えていました。
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私が「年寄り・子供に優しく」を心がけるようになったのはそれからです。
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小学校高学年になると、発達障害だった付き合いにくい私はクラス中で孤立してしまい、1年生や下級生とよく遊びました。
当時、上級生が下級生の面倒をよく見ることは褒められましたが、ただ私は寂しかっただけなんですすみません……💦
そしていとこ達ともよく遊び、段ボール箱を船に、畳の部屋を大陸に見立てた「大陸ごっこ」などを。
学校の下級生とはジャングルジムをでっかい海賊船に見立てた「海賊ごっこ」などなど、ごっこ遊びをよくしていました。
下級生との海賊ごっこ、私は船長のお付きの占い師というニッチな役どころでしたが(笑)、男の子達は
男「交代で敵の船が来ないか見張りだ!」
とかで、女の子達は
女「見て見て、占い師さま。今日はこんな綺麗な貝がら(※校庭の普通の石です笑)が採れましたの。これをネックレスにしますわ。」
などと、性差みたいなものが既にあったのが面白かったです(笑)
そして、大人になった私は精神病や離婚で大幅な遠回りをしましたが、ついに現在シニア世代専門のピアノ教室を開きました。
こうしてお年寄りのための仕事を始められた、もっと軌道に乗ったら大叔父さん(あんよこわいこわいのおばちゃんの息子)に報告して、昔のことを謝って、
私「昔私がしたことは到底許されることではないけど、今こうして昔の罪滅ぼしにお年寄りのための仕事をしています。どうか、謝罪の気持ちを持って生きてきた事だけは知っておいて下さいm(_ _)m」
と言おうと……思っていた矢先、その大叔父さんはコロナから来た肺炎で亡くなりました。
私は、悔しかったし悲しかったですが……それでピアノ教室を辞めてしまうほど私の決心はヤワではありません。
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家庭教師のバイトも楽しかったし、色々な人に
「あなたが家庭教師をしているのは天職だね」
と言われましたが、結婚を機に辞めてしまいました。
とにかく、なんでか分かりませんが私は子供やお年寄りと関わる仕事が向いているようです。
仕事ではありませんが、祖父がボケてしまった時に私が力任せに色々なところへ散歩に連れて行ったのを祖父は大変喜んだみたいでした。
介護職もちょっとは考えたのですが、日勤も夜勤もバラバラな仕事だと私の不眠症とは大変相性が悪いのであきらめました。
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ねぇ、ひいおばあちゃん。
大叔父さん。
ピアノ教室は今のところ生徒さんゼロ人だけど、私は毎日頑張ってますよ(古い歌謡曲の勉強とか、ピアノ練習とか)
どうせあと数十年で私も天国(そちら)に行きますから、それまでどうかがむしゃらに頑張らせて下さい。
どうか、お願い申し上げますm(_ _)m