新型コロナワクチンの有効性は、接種後ウイルス抗体価が圧倒的数に増加する事を以って明らかと説明されている。ワクチン接種推進派の倉持仁医師によれば、公表されたデータからワクチン接種数日後には抗体価は凄まじい値にまで上昇し半年を経てその値は極端に減少するもののウイルス感染を防ぐに十分すぎる抗体が依然存在する事を示しているらしい。
ところが、そこで心配になるのはこの抗体価の圧倒的すぎる数値だ。例えば血液検査で白血球数が異常に増加していれば重病の疑いが生じるように、人体の免疫システムを含め自然界は絶妙なバランスの上に成り立っている。
瀬戸内の海水汚染を改善しようと尽力した挙句プランクトンが繁殖できなくなり魚の漁獲高が激減してしまったケースを見ても、万事人間のコミットメントの行き過ぎ(環境保全はもちろん極めて大切だが)には必ず逆効果が伴う(余計な事をするな!ということ)。
とすれば、抗体価を人工的に桁違いまで上昇させるワクチンに対しても「素晴らしいモノが開発された!」「まさにこの発明はノーベル賞に値する!」と手放しで喜ばない方が寧ろ真っ当だろう。小保方さんのSTAP細胞論文の件でも世界中の科学者がこれを検証したではないか。疑念を持つことをやめてしまっては科学者の責務を放棄することになりはしないか。
さらに言えば奇しくも先の倉持医師が指摘したように、ワクチンの優秀性があまりに喧伝されたがために新型コロナに対する細胞性免疫の面の研究は全く進んでいないらしい。
東京パラリンピックでは多くの国民が衝撃を受けた。一個のちっぽけな人間でもハンディキャップを人体機能を相互補完しながら克服し神懸かったパフォーマンスを発揮させる。このように人間が本来持つ人体の生理機能の上層に位置する暗黙知や人体統御システムを目の当たりにした時、自然の驚異や神秘をいやでも感じざるを得ない。
ここに現在隆盛を極める専門分化の激しい医療や分子生物学、AI理論の限界が見える(もちろん今後も最重要な研究課題には違いないが)。免疫システムだって同様、総合力でなんぼだよ。
依って以て、いわゆるワクチン先進国イスラエルやアメリカで問題となっているワクチン接種後も収束しないコロナ陽性者数を、ただのネーミングに過ぎない「ブレイクスルー感染」と一口で片付け、ワクチン接種率を究極に引き上げブースター接種まで至れば事は解決する、それでもダメなら定期的にワクチン接種を繰り返せばよいと考えている甘ちゃんなワクチン接種推進論者が自らの保身や恥さらしを恐れるあまり、根拠なく一蹴するADE(抗体依存性感染増強)の蓋然性、悪意に満ちた歪曲報道からは知ることのできないスウェーデンのコロナ対策の真実、多くの犠牲を出しながらも集団免疫を獲得したらしいインドの現状、これらに対する完全無視は科学者の態度とはとても言えないだろう。