SMAP「SMAP 003」 | ライクオールドタイム

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I'm ready for run with SPARK !!

前作の「SMAP 002」の青春アイドル路線はもちろんそのままに、今回もアイドルとして若さとフレッシュさに溢れていた頃のSMAPの、キャピキャピなナンバーを楽しめる一枚。

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1. The Theme of 003

2. Scarface Groove

3. いますぐ天気にしておくれ

4. Happy Birthday

5. Cry

6. 言わなきゃわからない

7. 二人のLove Train

8. うまくいかない

9. 悲しくて眠れない

10. 負けるなBaby! (3×3 MIX)



注目は一曲目の、インストナンバー。後のアルバムでも恒例となる、Theme of ~シリーズの元祖であります。ダーティーな世界観をそのまま落とし込んだようなグルーヴが続き、アイドルなのにこの雰囲気か? と意表をつかれるところであるけれど、聴いていれば、あぁ、アイドルだ、とわかる。それはインストと思わせといて、後半にボーカルが入るところにあるんですが、曲調と彼らの歌声のギャップが面白く、また、その歌詞の清々しいほどのケレン味もイイ。

続く「Scarface Groove」は現在でもおなじみのラップナンバー。前作の「Fade out」と世界観も曲調も似ており、後にこの二曲はリミックスナンバーとしてひとつにまとめられることになります。アダルトなナンバーが不思議とこの世代の彼らとマッチしており、ともすればダサくなってしまいそうなラインをギリギリクールに歌いきります。

のちに演奏集団Smappiesにカバーされる「Happy Birthday」、も秀逸。森と木村、稲垣のムーディーで、どこかかすれたようなハーモニーが切ない「cry」もイイ。

個人的には「言わなきゃわからない」「うまくいかない」が好み。恋愛絡みの悩みや問題をテーマにしていて、シンプルだけど割と核心を突いているから、なるほどねぇ、と思わせられます。どうしても甘んじてしまったり、傷つくことを恐れたりして、耐えることも妥協することもあるけれど、なのに報われずギクシャクしてしまう・・・・

とても不器用な恋を歌って、変に夢や希望を歌わない「今」の若者をうつしだす辺り、SMAPが「スゲェ」と思われ始める、「006」「007」への布石のようで聴きごたえがあります(だけど、等身大のティーンネイジを歌っているのは割と初期の頃からなんだけど)



いまやネタとしても歌われる中居ソロの傑作「悲しくて眠れない」の存在と、やはりテーマインストの登場が印象深い三枚目のフルアルバムは明るめの曲が多いながら、詞世界ではありふれた不安や悩みを描いたものが多くて(中居ソロは曲、詞とも非常に感傷的であるが)聴き込むと、そのギャップに驚く事もあるかも。でも彼らの声質にあどけなさがあるので、聴いててやはりアイドルポップで楽しく耳に流し込むことが出来ます。

で、メンバーはこのアルバムを最後にジャケットからしばし姿を消すことになるわけだけど、彼らが次に姿を現す時、この時のようなあどけなさは抜けているわけです。それは彼らの外見的特徴はもちろん、曲目自体のカラーも大きく変わっているというわけだけど、それはまた今度、という事で。

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