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春慈穏-ハルジオン-

なんでもありのほぼオールジャンルブログ
基本的にアニメに関心のない人やマンガを読んだことのない人にでも楽しんでいってもらえる自信はなし!!
けど、マンガ紹介とかしてるから見ていってね~


グッドバイをするのにはまだ早い

まだ桜の花も芽も恋をのせてやってくる春風も吹いていない

ボクにはまだ何もやってきちゃいない

そんなボクに

グッドバイを言わないでくれ

まだ別れるには早すぎる

ボクはまだ貴方の手の中で過ごしていたい

ぬくもり溢れ

愛情が消えかかった

その手の平の中がボクにはちょうどいいんだ

だからグッドバイなんて言わないでくれ

ボクは貴方のようにグッドバイを軽く受け取れないんだ

だからせめて

グッドバイを言うのは

後少し

ボクが成長してからにしてほしい

グッドバイ、さよなら。

また、いつか。

「か、神様って」

 ただ押し黙る真清から目が離れないまま、そんな言葉しか俺は出なかった。
 他の袴影ちゃんとリマに居たっては言葉すら出ない。そんな状態。

「おいおい、どうしたの? 幽霊と日々を嗜んでいる青少年」
「…涼真にぃ」

 きっと今の俺達の間に流れる空気感の事を、空気が凍ると言うのだろう。
 人生初体験だー! などと、ふざけおどけてこんな空気を壊してやりたいのは山々だが、そんな俺でさえ何一つ行動できないのが現状で、真清の兄としてとても情けない。

「……ふぅ。多分もう、言い訳なんてダメだよね」

 唯一この空気を壊せる真清が、ついに話した。
 けど、期待感を全て柔らかく壊され、俺達の目の前に居る真清は、俺の妹はどこか諦めて覚悟を生半可に決めたようにくっしゃと笑っていた。
 そんな笑顔は今まで見たことがないし、見たくもなかったし、させたくもなかった。

「そうだよ。私は神。涼真兄ちゃんの妹で、リマ姉ちゃんの幼馴染で、袴影と喜咲の親友で、ただの神サマ」
「待て待て待て待て待て待て待て待て待て待て」
「あのね、涼真兄ちゃん」
「…あぁ、なんだ」

 俺は真清に認めてほしくなかった。
 そんな超常現象的なオカルトチックな出来事はもう、リマと喜咲ちゃんの二人の出来事で手一杯だ。
 けど、現実は常に俺を試すかのように追い詰めて追い詰めて、ついには俺の妹の真清にまで手を伸ばしてきた。

「きっと、涼真兄ちゃん、それとリマ姉ちゃんは覚えていないと思うけど、私小さいころある出来事があったんだ。その場には二人が一緒に居て、場所は確か袴影の寺だったはず」
「はぁ? 私の家」
「私が生きてた頃?」
「うん。袴影の家の寺でリマ姉ちゃんがまだ死んでいなかった頃。その時のとある出来事がきっかけで神様になった。勿論、今でも人間だけどね」

 穏やかな口調で話す真清だったが、俺には現実がぐにゃりと曲がるようなそんな感覚しか感じ取ることができなかった。

「それでま、今は余計にややこしくなるから話さないけど…。結果的に、私が神様で在る事はゆるぎない事実で真実で、私が人間であることもまたゆるぎない事実で現実で真実」

 妹が、真清が、ここまでの覚悟で話をしてくれた。
 今の今まで俺は混乱しかしていなかった。
 けど、真清がここまで覚悟を決めて話してくれたんだ。そう思うと不思議に全てを受け入れられた。

「…そっか。ま、俺の妹で、安井真清ってことだよな。結局」

 俺の言葉を聞いて今度は真清が目を見開いて驚きながら、俺を見る。
 …正直言ってまだ混乱はあるし、全部を今この瞬間に受け入れろと言われたらそんなことは俺には到底できない。
 けど、妹が覚悟を決めたのに兄である俺が覚悟を決めずに、なにが兄だ。
 今まで何も真清にはできなかった。なら、せめて誰よりも早く、受け入れる。それくらい、兄である俺がやらなくてどうする。

「だからよ。気にするなとは言わねーけど、これからもよろしく頼むぜ。俺の妹として」
「……ば、バカじゃないの。シスコンですか?」
「いいぜ、別に。お前の味方でいられるのなら、お前の考えやお前の兄として居続けていいのなら、俺は喜んでシスコンになってやろう」
「…じゃ、じゃあ。焼きそばパンかってこいこらー」
「はいはい。後で焼きそばパンでもお菓子でも買ってやるから」
「……ばーか」

 真清は恥ずかしがりながら目線を斜め下にして俺にしか聞こえない声で最後に言った。

「うん。まぁ、リョウマがシスコンになろうと私のリョウマに対する愛はゆるぎないぜ」
「そこはちょっと空気を読んでユルいでほしかったかなー」
「あ、私もシスコンでも平気っすよ」
「袴影ちゃんも、ゆるいでほしかったな」
「それに、マスミちゃんがなんであろうと、私はマスミちゃんの永遠の姉ちゃんなんだからね。幽霊だけど、頼ってよ」
「私も、宗教上は仏様だけど、真清みたいな神ならどんとこいだ」
「…ほら、真清。どうだ」

 いまだに斜め下を向いている真清に俺は手を差し伸べる。

「…ばーか、ばーか、ばーか」

 そう言うと、真清は俺の腕にぎゅっと抱き着いてくる。

「涼真兄ちゃんは、私だけの兄ちゃんだし。誰にも渡さないよー。べー、だ」

 抱き着いてきたと思うと、今度は袴影ちゃんとリマにむかって、あっかんんべーと可愛らしくいじらしくやって見せる。

「はいはい。俺は真清だけ兄ちゃんだよ」

 そんな今までに見たことがない程、素直な真清の頭をゆっくり俺は撫でる。
 きっと俺も真清も精一杯笑って、泣いていて、とてもじゃないが酷い顔なんだろう。
 なんとなく、俺には、きっと真清にも、わかっていた気がする。
 これで良かったんだと。

「なにがでるかな? 何がでるかな? 出る目はきっと私次第♪」
「あっそーれ、ふぅ!」

 もう、ツッコむ意味を忘れてきた今日この頃。
 ツイスターゲームがこんなにも進行しないものだと人生で始めた知った特別な日。
 俺は不憫という言葉を高校生ながらにして、読んで字のごとく体験していた。
 そりゃ、後少しで当たりそうなのにまったく当たらない如丹佗さんのナイスぱいおつに焦らされている感は若干あるが、彼女は確実にヒステリックが入っている面倒な部類の残念美女だ。
 俺に憑りついている、ゆきがどれだけパーフェクトな美人かを再確認できてしまうほどに。
 そして、ルーレットを回している進行が遅れる最大の原因にして元凶の紗夜と美夜は、天真爛漫な妹キャラで一発KOを喰らう男性もいるだろう。
 現に俺も、べたべたと遠慮なしにボディタッチを喰らった時は息子が黙っちゃいなかった。
 それを、後でゆきに叱られたのも今となってはいい思い出だが。
 …おっと、いけない。

「一体、俺は何をしてるんだろう」
「ちょっ、急に言葉を発しないでください。息を吸わないでください。孕ませないでください」
「おっとー、何を急に言い出した」
「またそうやって遠まわしに」
「おい、セ〇クス嬢ちゃん」
「……あわわわ。ななななななな」

 俺の切ない独り思いの一部が漏れてしまったようで、如丹佗さんがそれに過剰反応する。
 それにしても、さっきまで自分でセ〇クスとか言ってたのに、他人の口からきくと恥ずかしがるとか。
 なんだ? プライドの高いデブか。

「はい! 決まりました」
「緑色で左足。圭人にぃの下半身でちょい上なんだけど腰にいかないあたりの真ん中!」
「おい、それある特定の場所をさしてるよな? なぁ!?」
「はい、圭人にぃ」
「イエローカード」
「ツイスターにサッカーのルールを入れてくるなぁ! てか、喋っただけでイエローカードとかサッカーでもないわ」
「はい。それ以上、喋ったらレッドカードだからね」
「だからそ」
「はい。しー」
「…く」

 俺は紗夜と美夜の謎ルールにより、喋る事を封じられてしまった。
 悔しいことに喋ろうとすると、紗夜が近づいてきて、しーっとやってくるのがまたウザかったりするのだが、一番ウザいのが如丹佗さんがなにげ、馬鹿にした笑いをこっちに向かってしているのが一番ウザかった。

「じゃあ、私。置きますね」

 そう言って、如丹佗さんは左足を俺の下半身でちょい上なんだけど腰に行かない当たりの真ん中という長い説明をされた股間の真下にある緑色の所に左足を挑発的に置く。
 なるほど。
 喧嘩を売ってきていますな。

「はい、愛莉ねぇちゃんクリア」
「じゃあ、次は圭人にぃのフェフスアタックだー」
「ルーレッツスタート」

 何故か、如丹佗さんのターンだけめちゃくちゃスムーズにいくのが納得いかないのもあるが、今ここでなにかを発してしまったらイミワカなルールで失格らしいから、我慢をしよう。
 でも、本当になんで俺の時だけ?

「えーっと、青色なんだけど」
「あー、左手かー。面白くないから顔面で」
「んっ…んー」

 紗夜と美夜の豊富過ぎるバラエティ演出精神に全力でツッコミをしそうになったが、なんとかこらえる。
 こんなことで失格など、納得いくものもいかなくなってしまうレベルで嫌である。
 しかし、青色とか、目と鼻の真下にあるのでラッキーといえばラッキーか。
 特に如丹佗さんの近くとかしていないもんな。

「ほら、早くしてよー」
「ちょっとだけマキでおなしゃーす」

 なるほど。
 俺は意味もなく急かされているわけだ。
 ここまで来るとツッコめないのが逆に惜しくなってきた。
 …まぁ、ここまで来たらとことんやってやるか。
 そう思いながら俺は顔面を青色におく。

「…ぷっぷー。圭人にぃ本当にやってるよー」
「ねー。まさかねー」

 どうしようか。
 俺のこの何とも言えない怒りは、どうしようか。
やっぴ☆

スマホ投稿じゃーw

今のうちになれといて、ね

さてはて



今日から公開のカクヨム様にて上記の作品を投稿しますた

完結まだしていませんが、とても長い作品になる予定です

よろしかったらぜひ

慣れないですねw

ぜひ、生ぬるいしたたかな目でみまもってくだせ

今日は、blogめぐれませんが明日にはめぐりすのでw

ではでは~

「お願いします!」

 それは俺にとって、意外も何も考えすらしていなかったこと。
 この上なく普通ではないけど俺なりの普通を送ってきたこの人生に、まさか女子高生幽霊で妹の友人の喜咲ちゃんに土下座をされお願いをされるとは。
 しかも俺の部屋で。

「いや、だから。な、なんで俺なの」
「……それは言えません」
「やめて!? その長すぎる間」
「ま、いいじゃないですか? ね?」
「いや、ね? じゃないからね。そんな単純明快な問題じゃないからね?」
「…ち」
「あ、今舌打ちした!」

 俺が何故か床に正座して、喜咲ちゃんが俺のベッドの上で土下座をしたと思ったらくつろいでいるっていう謎構成。
 しかも、袴影ちゃんに紗愛が来てるし。
 てか、紗愛って幽霊とかそんな類見えなかったんじゃなかったっけ?
 確か、あの時もそうだったはずなんだけど。

「私は賛成だよ! 喜咲ちゃんがそばに居てくれてら楽しいし」
「そう言えば、リマはなんかこう俺にお願いとかせずにいつの間にかって感じだよな? なんか、憑りつくって感じ」
「確かに。言われてみれば、ずっとリョウマのそばに居たよね」

 ふとしたそんな当たり前な疑問が今になって俺の頭の中に現れる。
 そんな問いに袴影ちゃんが答えてくれるのかと、当然思っていたのだが…。

「あー、それはね」
「え? 紗愛?」
「あ、どうも。紗愛です」

 クラスメイトで俺の通っている学校の生徒会長の観月紗愛。
 彼女は霊感なんて何一つなく、あの時だって死んだ喜咲ちゃんの事が見えていなかったしリマの事も当然見えていなかったはずだ。
 それなのに、そんな紗愛が知っている? 何を?
 俺は、ただただ疑問しか抱けないでいた。
 
「そんな紗愛が教えてあげちゃいましょう」

 俺のベッドの上に喜咲ちゃんと同じく当然のように座って堂々と熱弁を始める紗愛。

「そこに居る莉舞さんはと涼真ちんは、互いに想いあい強い気持ちで結ばれていた! だから、今回みたいな面倒くさい一つの儀式はいらないんだよ」

 そのなだらか過ぎる滑舌に聞き取りやすい声色。
 それらは明らかに俺の知っている紗愛なんだけど、今目の前に居る紗愛は少なくとも俺の知っている紗愛じゃない。
 紗愛じゃない紗愛。
 それに、自然に流しそうになったが目の前に居る紗愛はどうやらリマや喜咲ちゃんの事が見えているらしい。
 もう、その時点でおかしいだろ。

「そ、そうか。想い合ってな」

 あまりにもこの短時間での情報量の多さに曖昧な返事しかできないでいる自分がとても惨めだと実感してしまう。
 しかし、そんな俺の思いとは裏腹に紗愛の言葉を聞いてリマの奴が喜ばない訳がないわけでテンション爆あげよろしく状態もいい所といいたい気分だ。

「ねぇねぇ! 聞いた? 私とリョウマってやっぱり、ほらー!」
「あぁ、そんなことはわかってるんだ」
「あら、クール」
「はいはい」

 こんなテンションのリマを見るのはいつ以来かと少し考えてみると、昨日の夕飯がビーフストロガノフだったことに対して今と同じくらいのテンションだったことを思いだし、俺の気持ちはみるみると複雑怪奇に変化していく。
 それにしても、ビーフストロガノフと同等って、どんな立ち位置なんだ。

「なに? 涼真ちんは莉舞さんみたく喜ばないの?」
「喜びたい。けど、今は状況が状況だ」
「ま、それもそうか。なにせ、女子高生を専属奴隷にしようって言うんだからね」
「変な言いぐさはヤメロ。……な? テメェ、誰だ?」
「わおっ、いきなりどうしたんだい?」
「紗愛はそんなおどけた喋り方はしないし、そこまで気な性格のやつじゃない」

 俺の言葉を聞いて今まで黙っていた袴影ちゃんや真清、それにテンション爆あげよろしくしていたリマでさえ、やっと目の前に居る『紗愛』と言う存在に違和感を持ち始めたらしい。

「そういえば、私の知っている紗愛先輩はもっとこう、腹黒くて計算高いお淑やかな、悔しいが大和撫子って感じの人だったきがする」
「確かに私も、なんかイメージと違う」
「あー、確かに。てか、そもそも私や喜咲ちゃんの事が見えている時点でおかしいよね」
「…そう。まずそもそもだ。そこなんだよ」

 俺達の追及に紗愛は諦めたのか、一度喜咲ちゃんを見て苦笑いしながら言った。

「仕方ないね。…私はそこにいる安井真清と同族の存在。芳野紗愛だよ」
「同族? 人間だろ?」
「まぁ、彼女の場合はそれはそれで正解なんだけどね」
「……」

 紗愛の言葉に真清は驚きと焦りの表情を見せる。

「しょうがないなー。私が説明してあげよう」
「やめっ」

 真清が叫んだのも惜しく、紗愛の言葉は俺たち全員の耳に届けられてしまう。

「私とそこにいる安井真清はね、いわゆる神様って存在なんだよ」

 大胆不敵に笑いながらもその嘘偽りのない紗愛の表情は、袴影ちゃん、リマ、俺の三人を激しく動揺させるには簡単にも程があるほどの情報だった。
 けど、俺はそんなバカげたことが信じられなくて真清の方へ視線を向けると、そこにはただ黙って下にうつむいている真清の姿だけが目に焼き付いて残っていた。
やっぴ☆

バイト先のババァが使えなくてどうしようもない日この頃ですね

何故でしょうか?

こういっただらんとした記事を描くのがとても懐かしゅう感じてしまいます

さてはて

今月から勝っていた月刊誌を買うのをやめました

ま、理由はね

新聞奨学生の生活が3月12日からスタートだからですよ

読める暇なんてありゃしません

ま、週刊誌はまだ読み続けておりますがw

単行本も買うだけ買って未読なのが100を超えており

ただただ絶望しております

なのにいまだに出続けるマンガの数々

そして買ってしまうジレンマw

馬鹿ですよねw

さてさて

最近はsumikaのLoversをよく聞くのですが、これがまた良い曲なのでようつべなんかで聞いてみてください

ではでは~

「それで、どう? 成仏しとく?」
「やめてください。その、一杯いっとく? みたいな軽いノリで言うの」
「えー、でも味わってみたいでしょ?」
「そ、それはまー」
「よし、じゃあレッツ成仏!」
「だから、なんで軽いノリで」

 そんなこんなな花も腐るガールズトークをリマねぇちゃんとしていると、真清と涼真にぃが学校から帰ってきたみたいだった。

「お、喜咲ちゃん」
「ども。涼真にぃ」
「なんだ。雌豚の御登場ですか」
「なんだ。覗きの神の御帰宅ですか」
「……喜咲」
「……真清」

 涼真にぃと軽い挨拶をかわして、真清とは友情のアツい挨拶を交わした後に思いっきり、努力・友情・勝利の三原則のハグをかわす。

「いつも通りで何よりだね」
「真清も変わらなくて」
「…は? 変わったし」
「え? 急になに」

 マスミは急に思春期の少女のごとき反発をする。
 …別にその需要はないと思うぞ。
 いや、需要とか誰に対していっているのかわからないけど。
 少なくとも、私には需要ないぞ、それ。

「あー、最近の真清いっつもこうなんだよ」
「なんでまた」
「いや、それがさ」
「リョウマも私もわからないんだよね」
「私が変わってないとかぁ。とかぁ? どこに眼ついてるの? てか、目あるの? 眼球してるの?」
「ごめん、真清。わっけ解らない」
「理解できないなんて、馬鹿じゃなーい」
「…な? わかっ、わかねーだろ」
「もう、涼真にぃ笑ってるじゃないですか」
「いや、くっ。わら、笑うわけないだろー」
「後半のイントネーションすごくおかしかったですからね。…それと、莉舞さん」
「ふふふ。…え?」
「もう、せめて笑いこらえてくださいよ」
「だって、ねぇー」
「見てみてくださいよ。真清、顔まっかにしてますよ」

 私がそう言えば、笑っていた莉舞さんと笑いをこらえていた涼真にぃは、真清を見る。
 そんな真清は、頬をそれはそれは真っ赤に染めて、女の私でもおそってしまいたいほどにかわいすぎて困ってしまった。

「あらー」
「うおー」
「…ね? マスミ恥ずかしがっているでしょう?」
「確かに」
「これは以外ね」

 涼真にぃと莉舞さんは驚いたとばかりに、言葉がでない様子だった。
 この調子からするときっと、いっつもいじられてたんだろうな。
 …うん。ファイトだよ。
 なんつて。

世界を少し覗いてみる

手を双眼鏡かわりに

覗いてみると

そこは

楽しい世界

コワい世界

それから

ちょっぴりつまらない世界

3つの世界が詰まってる

少し興味がわいただけ

少し好奇心に負けただけ

そんなボクの覗いた世界は

一体どこにあるんだろう。

ボクの目の前?

それとも

ボクだけが見えないどこか別の場所?

どこだろう

見つけたいな

覗いた世界

 その一言は、自称神の機嫌をよくするのにはうってつけだった。
 自称神は振り向いたまま、天真爛漫に最低最悪な笑みを大胆にこぼす。

「待っていたよ。その言葉を」
「どう? テンション爆あげよろしくって感じになった」
「それはもう。最高に」
「なら、よかった。私の叶えてほしいこと聞いてくれるってことだよね」
「勿論よ。行く千万の願いを叶えてきた私が叶えて進ぜようぞ」

 自称神は私に近づいて、顔をぎゅっと寄せながら言う。
 その時の自称神は、日本の神の頂に立つという日神(にっしん)なんかじゃなくて、ただの邪神やそれこそ西洋悪魔のサタンにも見えてしまっている。
 それほどまでに、私の眼前にいる芳野紗愛という自称神は、私の持つ清く正しい神のイメージとはかけ離れていた。

「それはどんな願いもって事?」
「…なわけがないでしょ」
「ふーん」
「神だって万能の存在ってわけじゃない。ただ、人間より少し特異な力と存在感を生まれ持っているだけの事。後は寿命の概念もないことくらい。それ以外は、神様だって地球に産み落とされたただの子に等しい。そんな、神様に全ての願事をかなえろって言うのは、親に逆らって迷惑をかけろ! そう言われてるも同じなのよ」
「それは知らなかった」
「でしょうね。人間はいつも神様を特別な存在だと思っているみたいだけど。神様なんてねそこら辺の石ころと何ら変わらないただの物よ」

 自称神は力説する。
 いや、力説じゃない。ただ、説いているだけな気がする。
 まるで自分自身に言い聞かせるかのように。

「それにね。人間は御大層に『者』なんて言っているけどね、人間も地球からしたらただの『物』なのよ」
「…わかったから」
「…なら、よかった」
「じゃあ、私の叶えられそうな願い事を聞いてくれる」
「それだったら大歓迎よ」

 自称神は私から離れ、今度は優しく包み込まれるような暖かさを纏いながら笑う。
 一体、この自称神は何『物』なんだろう。考えているだけで、体力が激しく消耗する気がする。

「さぁ、私にその願い事を聞かせて」
「私をどうこうしようじゃない。ただ、ただ。…私を涼真にぃ、そのものに憑りつかせて」
「…どうしたの? 恋でもっしちゃってる?」
「何とでも言っていい。あ、後、行動範囲は自由」
「なら、今のままでもいい気がするけど」
「それじゃ意味がないの。だから、私を涼真にぃの専属幽霊に」
「専属幽霊か。それは面白いわね。…けど」
「条件付きなの?」
「そうね。その願いは現実に生きる人間に多大過ぎるほどの影響を与える。それもその周囲の人間にもね。だから、許可が必要」
「涼真にぃの?」
「えぇ。それと、その近くに居る意地の悪すぎる神サマの許可も」

 自称神のその言葉に私は疑問を覚える。
 そして、自称神は明らかに私の願いを聞いてうろたえている。
 口ぶりからして、叶えられない願い事じゃないのは私でもわかるけど。

「神サマって、今私の目の前に居る」
「えぇ、私もそうだけど。…私以外にもう一人いるのよ」
「…まさか、袴影?」
「て、思うわよね。けど、あの子はただの寺の娘。周りよりもちょっと凄いだけよ。言わば、人間以上神未満ってとこね。ま、あの子から言わせたら人間以上仏未満になるのかしら」
「そうなんだ。じゃあ、だ……」
「その涼真の周りに居て、なんら普通に幽霊が見えて、どこか不思議な感じがある」
「真清」
「そう。涼真の実の妹で実の神様。安井真清。彼女は、全ての神を監視するための神」
「…いやいや、え」

 自称神は力強く確信持って私に話す。それがさも、当たり前のように。ただ、普通に現実のありきたりな話しをするかのように。

「え? でも」
「そうね。真清は元々、ただの人間よ。けどね、あったよ。きっかけって感じの出来事が」
「待ってよ。なんで、私のふとした願い事を目の前に居る自称神に言っただけで、友達の、それも親友のそんな事!? …あ、そのことは袴影は」
「知らない。多分、涼真や莉舞ちゃんもね」
「誰も知らないってこと」
「えぇ。同じ神の私以外は当然にね」

 表情一つ変えずに自称神は淡々と話す。
 それが今の私にとっては何よりも怖い。

「…それで、どうする? 貴女の願い事」
「もう、叶えるしかないでしょ」

 半ば、吐き捨てるかのように。全ての想いを飲み込んで私は覚悟を決める。
 ここまで知ってしまったからには、安易に言ってしまったあの願い事をかなえるためには、全てを知る必要がある。

「そう。なら、今日は丁度に日曜日だし、少し時間が経ったら行きましょうか」
「勿論。言われなくても」

 私は力強くその意思を捻じ曲げない様に言った。

 正直、この茶番を俺は終わらせたいと思っているし、なんならいっそのことエ〇ヴァの〇人の人たちの家庭訪問的なご高説を聞いていた方が心が休まるとか考えてしまうそんな状況。
 そんな俺の心境を知ってか知らずか、俺のサードアタックなるただの出目をルーレットで決める紗夜と美夜のついかまってしまう妹系双子はそれはもう楽しそうにしている。
 いや、まだきっとルーレットを回してもらっているだけありがたいのか。

「はい! 圭人にぃの今度のフェーズは」
「深遠なる追随を許さず礼を知れ! ライトハンドカラーオブイエロー!」
「あー、はいはい」
「死に変革できぬ美しき純潔を抱く処女公の懐に迷わせて」
「傍観せし我らは思いし抱く。贅を尽くす事こそが業を繰り返すことだと」
「はいはい」

 紗夜と美夜が雰囲気も兼ね備えてそれっぽく言うが、要するに右手で黄色の如丹佗さんの最も近く。そんなところだろう。
 年単位の付き合いになるから何となくはわかってしまうのがこれまた悔しい。

「ごめんな。如丹佗さ」
「訴えますから!」
「急にどうした!?」

 どうやらただ、あらかじめ謝っておこうとしただけなのに、裁判沙汰に持ち込まれそうになったらしい。
 物凄い剣幕と涙目で訴えられた。

「そうやって話しかかけて私を…私を!」
「…な、何の話し?」

 俺は如丹佗さんが何を言おうとしているのか、まったくもって微塵のひとかけらも理解ができなかったから、如丹佗さんに憑いている藤三郎を見て、教えてもらうとした。
 しかし、藤三郎も首を横に振るだけで、どうやらわからないらしい。

「もうそんな! そんな!」
「なに、急にコワいんだけど」
「それは私のセリフですよ!」
「俺のセリフだわ!」

 如丹佗さんは、必死の形相で俺に訴えてくるのだが、俺の方が訴えかけたい。
 これって俺が不憫だよな。そうだよな。

「いいですよ! 私はさ! 私は」
「……あれ? ヒステリックきてるのか」
「さぁ、早く私の近くの黄色に右手を置いてください! できるものならね!」
「今度はどうした!?」

 俺は完全完璧に困惑していた。
 今まで出会ってきたことのないタイプの人間なのは確かだったがここまでとは、はっきり言って想像のひとかけらもしていなかった。
 そりゃ、そうだろう。

「覚悟を決めた女子をまたせないでください! とんだ、せく、その…セ〇クスハラスメント野郎!」
「セクシャルハラスメントな! それなんかもう、ハラスメントしてーねーから! いや、ハラスメントの意味とか特に解らないけどさ! 多分それ、ハラスメントしてないわ」
「そうやって、ハラスメントハラスメントって。見た瞬間に思いましたけど、へ、変態」
「あ、そう思ってたのね! なる、そりゃそんな態度にも…って、なんねーから! 納得しねーから!」
「このセ〇クスハラスメント野郎!」
「だから、セクシャルハラスメントだって」
「あー、また! そうやって意味もなく卑猥で淫乱な言葉を」
「どっちかといえば、セ〇クスの方が卑猥で淫乱だろうが」

 ツイスターをしているはずなのに、何故か息が切れツッコみつかれる。
 これはまた、とんだ逸材に出会えたものだ。
 しかし、このおかげなのかどうかは置いておいてだ。
 なんとか、指定された場所に右手を置くことがなにげできた。

「おっとー。圭人にぃ、さりげ決めてきましたね」
「これは、愛莉ねぇちゃんもア〇メよろしく確定でしょうか」
「ダブルピースを忘れちゃってるよ」
「おっと、私としたことがー」
「おい、実況」

 何かのA〇の副音声機能なのか、紗夜と美夜がア〇メよろしくダブルピースを遠まわしに、やれと言っている気がしてならなかった。
 なるほど。
 ……なんか、疲れたんだけど。

「さぁ、次は愛莉ねぇちゃんのサードフェイズだ!」
「ルーレットスタート」

 紗夜と美夜がルーレットを回し始める。
 しかし、俺は思ってしまった。
 絶対、ツイスターであってツイスターじゃないよね? コレ。