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長編物語ブログ

 うんざりするほど長い物語です。
 でも不思議と中毒性があるかもしれません。
 
 
<チームイミタン>
イラスト担当:t2 文章担当:イミタン

 古い言葉達が撲に語りかける。
 あのときはこうだっただとか、こうすればよかっただとか、
 撲の心に反旗を翻して頭の中で戦争をよくする。
 その言葉たちから始まる戦争を撲は、『コエトリ』と名付けた。
 初めはただ、撲の記憶の残像かと思ったけれど、決まった文言や法則がないことに気づいた。正直撲は、頭が狂ってしまったんじゃないかって思った。
 撲はずっと頭の中で蠢くその言葉たちと、物心ついたときから付き合ってきた。
 三歳が、五歳になって、あれは小学校四年のときだった。
 ときどき同じ妄想で決まって不協和音が鳴った。
 古い日本の橋で向こう側には黒い男が立っていた。
 その男は、ときどき行動がぶれた。ビデオカメラで映して、映像化したときに、画面がノイズでクシャと歪むように。
 撲はとても怖かったんだ。
 その妄想がくると決まって、現実という点を忘れてしまう。
 一体撲は何者で、ここはどこなのかと……、それもその全ての記憶が朧気であって、撲はそのことが大事な記憶なので、自分には絶対手の届かないもので、留めるんだけれど、刹那のときに喪失してしまう。
 だからときどき、誰かに呼ばれているような強迫観念、この正体はきっと、撲の妄想のトラウマなのだろうと思った。
 夕闇とともに撲には現実が見えた。
 人の背中には張り紙が貼ってあった。
 その張り紙には人の奥底に秘められた負の思いが書かれていた。
「助けてくださいお金がありません」
「いじめにあってますもう死にたいです」
「あいつを殺す」
 撲はたそがれどきになると、人の背中に張り紙が見えた。
 初めは本当に撲だけ見えているんじゃなくて、ほらよくある、海外だとかのデモであるあんなかんじだと思ったんだ。
 だから幼なじみの今上美智に話したとき、彼女が、
「はい? バカですか?」
 と軽いトーンで返したときには同じ質問を繰り返した。
 結局撲は、家に帰宅しても部屋の片隅で放心し、外に出ることをひたすら怯えた。
 夕闇が迫ると母さんのノックが聞こえた。
 撲は無視を決め込んだ。スマホを握って目を閉じた。
 大好きなカードバトルのデッキも組めない。
 窓硝子を叩く音が聞こえた。
「トントン……トントンントトト」
 撲は脳内で例の言葉たちをわざと並べ立てた、心を解放するようにして、
 きっと今の窓を叩く音は小石か何かだ。
 絶対に振り返っちゃ駄目だ。
「トントン……トントントトト」
 撲は今、頭の中で言葉たちが戦争をしているんだ。物音なんて聞こえやしない。
 何度もしつこく響く音、撲は言葉たちで対抗した。
「イマイチボマイチイマイチボマイチミス、アア、ミス」
 撲はもう恐怖を押しのけるようにそれら、言葉たちを声に出して見た。
 すると撲の意志とは反対に次第に身体は窓辺の方角へ向いていった。
 
 窓には朱い目をした案山子が張り付いていた。
 右手には鎌を左手には鍬を持っていた。
 口は恐ろしくさけ、今撲が言った。無意味な言葉たちを復唱していたんだ。
 その案山子は藁なのに、窓をあっさりと開けた。
 不安定で軽い造形なのに、案山子が踏んだ布団は深く沈んだ。
 僕は恐怖で声も出なかった。
 案山子は鎌と鍬を上げて、
「そして撲はモンスターになる、君はモンスターだ、撲と君は同じ存在だ、人の感情を喰らわせておくれ」
 確かに案山子はそういった。
 案山子の名前はトト。撲は何もわからない状況なのにそう思った。
 まず、「ロードス島戦記」の二次創作の書くに至った経緯について、
 数年前、友人にファンタジーが読みたいと言われ、「グレープアイランド戦乱記」を書いたのですが、その少し前にこのロードスの二次創作を書いていたのです。
 わたしが始めて読んだライトノベルがこの作品でかなり思い入れもあったのですが、どうしても、ロードス島戦記の2巻の裏、つまりフォースがライデンで盗賊の長になるお話を作りたかったのです。
 二次創作にそのまま、本物の登場人物を出すことに、かなり抵抗もありましたが、どうしてもこの話しを書きたいと思い筆をとりました。
 問題になれば即刻削除いたします。
 例のごとくこれも何年か前に書いていたものなので、途中でお話がなくなってしまいますが、しばらく続きます。
 今の所、この作品を完結させたいと思っているので、書き出すとは思いますが、保証はできません。
 本編である「ウレハ」は二章の途中で一旦止めたいと思います。
 改変できるならばしたい箇所があるので、
 近々、相方さんの昔のハードディスクから隆の女装の立ち絵を引っ張り出す予定です(笑)

 ブログのタイトルも変更いたしました。
 いきなり物語のタイトルをブログのタイトルに乗っけてたので、変えよう変えようと思ってましたが、こんなに遅くなりました。
 「小説家になろう」のほうではそのままタイトル通りですので、安心してください。
 そっちでもゆっくりでありますが、このブログに追いつくように連載してます。
 良かったら、読みやすいので目を通してくださいね。

 それではこの辺りで失礼します。

 チェックチェック
 byイミタン

 隆は物物しい雰囲気に戸惑った。学校が終わり帰宅するときから何だか他のメンバーに置いていかれたような気分になってしまっていた。
 それというのも、ひそひそと会話をしたと思えば、椿が日本刀を持って、何かを巻き付ける動作をしていたからだ。
 以前にもこれと同じような感覚を何度も味わっていただけに、おおよそこんなときはどうしようもない企みごとが自分の知らぬ所で進行しているのだ。だから隆は今回は自分からこの場所を脱しようと思った。真紀と同じ世界にいくためにも聞いておかなければならない。
「椿ちゃん、どうして日本刀がいるの?」
 スタジオに隆の声が空しく響いた。
「恭介悪いんだけど、こっち手伝ってくれないかしら」
 恭介は良太とノートパソコンに向かっていたが、椿の傍らまで小走りでいった。
「そう、ここにね、マイクをギュッと」
 恭介は言われた通りにマイクを日本刀の刀身の部分に針金で無理矢理固定した。
「ねぇ椿ちゃん」
 隆は何度も椿に話しかけるが椿は、いそいそとし隆に取り合おうとしなかった。次第に隆の声は小さくなっていった。
「こっちの用意は終わったよ、山中さん」
 良太が合図をすると、椿と恭介の作業も終わっていた。
「いいわね、曲は凸凹でいくわよ、真紀が居ない分あたしたちが頑張るのよ!」
 椿はそう言って隆の下まで、いって隆をマイクがある位置まで引っ張るように連れて来た。
 隆はそこにあった物を唖然として確認した。
 マイクが日本刀の刀身に巻き付けられていた。そしてそれを椿が「はい隆」とごく自然に差し出すのだ。
「あなたが主役よ、しっかり頑張りなさい」
 隆は椿の瞳をじっと覗きこんで、
「椿ちゃんこれを持って歌うの私?」
「そうよ、まだ気づかないの? あなたの名前は今日からKatanaよ」
 椿がそう言うと隆はやっと合点がいった。
「でも私こんな刀持って――」
「大丈夫、あたしも背中に挿しているわよ安心しなさい」
 一体何を安心しろと。
「山中、主役は隆君だって言ったけど、山中も主役」
 椿にそう言ってから恭介は良太に向かってうなずいた。
「僕たちはプロになんてなれるわけない。でも、でもね二人にはかけがえのない物をもらったから、それはこれからもずっと、僕たちの中にあり続けると思うんだ……人は変わることができる」
 椿はメンバー全員を見渡した。今しかないと思った。今この瞬間、私たちの情熱は最高に達している。隆は良太の言葉をしっかりと受け止めた。目つきが男だった頃に戻っていた。
 椿は口元つり上げてにやりと笑ってから、言った。
「にかにか動画みんなみてるぅ? 今からヘンタイが歌いまーす!」
 恭介がドラムスティックを叩いた。良太がベースを弾いた。椿は目を閉じた。隆は刀を水平にしてマイクを口元に当てた。
 楽曲が始まった。恭介はドラムを叩きながら思った。隆の歌声を聴いて、良太のベースを聞いて椿のギターを聞いて、やっと凸凹バンドは復活を遂げたと。
 まだまだ全盛期の頃には程遠い隆の歌声、迷いのある椿のギター、良太の弱さが浮き彫りなベース、そしてオレ……オレの弱音。でもこれから凸凹バンドは上り続けるはず、(下は見えたんだ、だから登るしかないじゃないか恭介)
 恭介はそう言い聞かせドラムを叩いた。