長編物語ブログ -15ページ目

長編物語ブログ

 うんざりするほど長い物語です。
 でも不思議と中毒性があるかもしれません。
 
 
<チームイミタン>
イラスト担当:t2 文章担当:イミタン

 雑草は風になびいていた。
河川から土手にかけて、北風が吹き寄せている。
 少年は段にじっと腰をかけ水面を眺めている。尾根から下ってやってきた冷気は降り出した雨をみぞれに変えたが、少年は微動だにしなかった。
 西に浮かぶ太陽を背に少女は小道を降りていく。
 一見、男か女か顔や格好では判断できないような姿だった。
 少女は少年の傍らに立つとおもむろに言った。
「ねぇ、あなたって夜が迫ってくるときってない?」
 しかし少年は答えない。肩口はみぞれで濡れ始め、祈るように組んでいる手は真っ白くなっていた。
 少女はなだらかな稜線の山間を眺めている。身長が低いので顎を突き出して、
 しばらくしても少年は黙ったままだった。ただ、無表情に宙を見つめていた。
「あたしはね――」
 少女は言いかけて、背にある身の丈に不釣り合いなギターを身体の前に抱え直した。シロツメクサのようなボディには年期が入り、このアコースティックギターに風格を与えていた。
 少女は黒目だけ動かし少年を見た。
 六弦に指をかけ、ギターをひき始めた。刹那の永遠。弾いているとも、叩いているともとれた。少女が瞳を閉じて、ゆっくりとしたテンポになり始めたそのとき、少年の唇は少し震えて、やがて歌い出した。狂おしく人恋しく、孤独な歌を。

 
 長い夢を見ていたのかも知れない。こんな田舎に芸能人がやってきて、おれと一緒に暮らし初めて、バンドをした。
 長い長い夢だった気がする。今ではその全てが幻のような気がする。なぜならそいつは今、テレビに映っていておれの前にはいない。
 おれはこいつに何も言ってやれなかった。「好き」だの「愛してる」だの――おれたちはキスをしたんだ。だからこれは幻に違いない。隆はそう思っていた。
 テレビには溌剌とした鞘が映っていた。
「鞘さんおはようございます」
 画面が切り替わり、テーブルに手をつけた一人の司会者がアップになった。
「おはよう」
 間延びした鞘の声が返ってくる。
「今日は寒いですが……風邪をひかないように気をつけてくださいね……そちらにはライブでいっているんですよね」
 鞘のアップに画面が切り替わる。隣にいる記者がマイクを当てていた。
「そうなんですよ、ドームでコンサートがあるんです。アリエネェ」
 隆はテレビを見ていてびくっと肩が震えた。
 鞘は東京に戻ってから、記者会見を開いた。その頃にはテレビで豊漁祭の様子が流れ、記者たちはフラッシュと声でなんとか、鞘の話題を長引かせようと、あの手この手で未成年と同棲していたという事実を追求したが、SAYAは断固否定。ライブにいたバンドとは個人的に一切無関係だと主張した。世間では舞台で髪を切って、頭を下げるという映像が繰り返し流され、長い失踪期間の帳尻に見合う結果となった。そして、一部週刊誌では無名の隆とSAYAの写真が公開されたが、話題はもっぱら、豊漁祭で完全にイメージチェンジをした鞘にあった。時折みせる男勝りな喋り方、容姿、これらはファンではない層にも好まれ、結果全ては丸く収まった。
 隆は女装をしていなかったら今頃大騒ぎになっていただろうと思うと、ぞっとした。
 しかし鞘がデコボコバンドを全否定し、何も言わずに居なくなったという事実。真紀を知っている隆にとっては信じられないことだった。
 錠前が回る音を聞いて隆は振り返った。
 しばらくして扉が開いた。椿は隆が座っている横にちょこんと膝を折る。
「真紀、真紀、今日もいい表情してるわよ」
 そう言ってから画面に向かって手を振った。
 隆は厳めしい顔つきで椿を睨んで、電源を切った。
「さて、朝ご飯まだでしょう?」
「別にこなくてもいいぞ、もう家政婦じゃねぇだろ」
 隆は台所に向かう椿の背中にそう言った。

 歩調を緩めることもなく、交差点を渡り、校門に向かう隆と椿。少し距離を空けて遅れてきた松尾と良太、恭介が三人で歩いている。
 隆は交差点で三人を待たなかったのだ。
 良太は同様しながらも、自転車を押して隆の隣に歩きでた。
「おはようございます。隆君」
「ああ、おはよう」
 良太の顔をちらっとみると隆は前を向いた。
「クラス、一緒になれませんでしたね。僕一人だけみんなと違うし」
「マッチャンと恭介が同じクラスなのよね?」
 こくこくとうなずく良太。椿がゆっくりと良太に合わせて歩いていると、隆はそそくさと先にいく。
「隆! あっ良太ごめんね」
 良太は吐息をついて歩き出した。
「良太、あんな腰抜けほっとけよ」
「松尾君、おれ、そんな言い方ないと思うよ」
 三人も校門を抜けて駐輪場に向かう、自転車を置いて靴箱に辿り着くと、良太は今にも泣きそうな顔になった。
「僕一人だけ、僕一人だけ、独りぼっち」
「良太君、昼休みまで辛抱すれば、ご飯も一緒に食べられるし、昼になったら放課後はすぐ」
「そんなぁ、そう考えると他の時間は最悪ってことにぃ」
 良太は恭介にしがみつこうとするが、松尾が、
「おい、遅刻すんぞ、良太もいつまでも子供みたいなこと言うな」
「もういい、二人とも僕がいなくなればいいって思ってるんでしょ」
 良太は上履きに履き替えて階段に向かって走っていった。
 恭介は天井を見上げた。
「おれ様はな、これは良太の試練だと思うぞ、おまえもわかってるだろ?」
 恭介はうなずいた。
 クラス変えの結果、椿と隆はF組、松尾と恭介はA組、良太はC組。三年生になったはいいが、良太はクラスに馴染めそうにないと思った。それはいつもいた恭介がいないからだった。

 昼休みになると、良太は机の上に肘をついて外を眺めていた。三年の教室は最上階にあって、ずいぶんと高い。良太はため息をついた。
「良太君、また、同じクラスになれたね」
 津田美咲は窓辺にたって言った。
「良太君?」
 それから良太は美咲の顔を見上げ、数秒止まった。
美咲の顔に朱がさす。
「美咲さん! 撲にだっているんだ。あぁ良かった撲ね、知らない人ばかりで……恭ちゃんもいないし」、
 そう言って美咲身体を乗り出し美咲の腕を握った。
「ねぇお昼まだだよね、一緒に食べよう」
 美咲は恥ずかしそうに俯いて頭を下げた。
 松尾は二人のやりとりを廊下から見て、腕を組んだ。
「良太って……もしかしてもてるのか?」
 恭介はこくりとうなずく。
「なぜだ! ああ、おれには春がいつくる」
「もうきてる」
「そんな意味じゃねぇ! おれさま……」
 と、松尾は言って神妙な顔つきになった。
「でもよ、良太はあのままじゃだめだな」
「おれ、それを心配してる……でも」
「こればっかりは、本人がどうにかするしかない問題だ」
 恭介は深くうなずいた。そして二人はA組へと戻っていった。
「美咲さん、前と少し変わったよね」
「そ、そうかな?」
「僕ね、うーん、おしとやかって言うのかな、そういうの」
「自分ではわからないから」
 美咲はおずおずと弁当を食べていたが、手を止めて良太をしっかりと見つめた。
「あの、良太君、どうしても大事なお話があるの、放課後いいかな? 一緒に帰っても」
 良太はしばらく考えていたが、
「いいよ。ずっと豊漁祭で約束合わなかったしね。恭ちゃんにはメールしておく」
「ありがとう」
 美咲はそう言って、微笑んだ。
 ウレハについてです。
 二部をやはりごっそり変えます。
 数年前に書いたテキストでしっくりくるものが見つかっており、それをベースに加筆を行っていきます。

 二部において主人公である『隆君』の扱いに困り果て、女性にするか男性にするか、最後の最後まで自分の中で葛藤がありましたが、趣旨である『身も心も入れ替わる』という観点から、考えたときに、女性隆の方がしっくりくると思いまして……。
 普通に考えるならば暴走しちゃった感が否めません。
 なので二部は削除します。
 『小説家になろう』の方も削除します。
 とまれまとめは、『fc2小説』と『小説家になろう』の方であげていきます。
 しかし中々作業が進んでいません。
 発達障害の記事をどうしても書きたいという欲がでてしまった為です。
 このブログの扱いは、『新着記事』をあげるということにあてたいと考えております。
 少しずつ、まとめ作業や、ロードスの二次創作を追いつけたらと考えています。

 byイミタン

 チェックチェック
 アクセス解析から『カサンドラ症候群』の記事が需要高そうなので、ちょっと特集組みたいと考えています。
 カサンドラとはASのパートナーから受ける状態のことを指します。
 主に精神的なことですが、肉体的には不眠や体重の増加など、多岐に渡りますが肉体的なことに関しては個人差があるのではないでしょうか。
 私がカサンドラにおいての一番の特徴とはを挙げてしまうと、
 これに尽きます。
「自分の方がおかしいのではないか?」
「精神的にズレているのは自分ではないか?」
 これに尽きると思います。
 共依存に酷似していますが、はっきりとした違いがあります。
 私の環境下ではパートナーが女性で、恋人でした。ASの大半は男性だと言われていますが、この恋人のパートナーが女性の場合は、カサンドラに拍車がかかるのではないでしょうか。
 ASの方の女性というのはさほどない為、このブログを参考して頂けたら幸いです。
 さて、話しを戻しますが

 ASの定義のお話しからします。
 まず自閉圏のいる方々、ADHDやASそんな方々は、ASやADHD等最近は流行ってますが、それ以前のときより、ある種の人生においての『生きるぐるしさ』または、『第三者から見て明らかにズレて当人に指摘しても全く自覚できない』
 このどちらかの状態に陥っていると思います。
 ただ、行き着いた先がASやADHDに過ぎません。
 何度も書いていますが、決めつけだけはやめてくださいね。
 もしも発達障害の方ならば、何らかのことで日常生活に影響をきたしていますから。

 さてASのパートナーによって引き起こされるカサンドラとは、
 私は、ASではないパートナーが、ASだという真実を前にして拍車がかかるように考えています。
 深く知れば知るほどに、過去においての出来事の歯車がぴたりとかみ合ってしまうのです。
 そこで定型やADHDの客観性を保っている方は、度々起きる事象の問題を回避しようと考えるのです。
 ここで私が目指したことは、ASのパートナーさんは共感するということがとても苦手です。
 なので、常に『ギブアンドギブ』を心がけました。
 例え自分がどんなに疲れていようともそう頑なに接していました。
 心の中では『ああ、この人には絶対できないから自分から』常にこれがありました。
 しかし共依存以前にこれは真実なのです。
 共依存ならば、ここで間違った行動になってしまうのですが、それはありません。
 どう共感するか、どう気遣いしてもらうか、これを求めて零は零で一にも二にもなりません。
 ではどう接していけばいいか、
 全て起きたことを感情を口で説明しないといけません。
 しかし私たちはそれを日々続けていくのは困難になるのです。
 そうして年月とともに、ASのパートナーさんが好む自分を演じ始めるのです。
 気づけばそうなっています。
 ここで自我を殺してしまうことによって、カサンドラ症候群が成立してしまいます。
 
 自分という人間は何をして生きてきたのかな?
 楽しいってなんだろう?
 何が苦痛なのだろう?
 自分の趣味って何だったんだろう?
 とにかくこういった思いが病のように拡がって、気づくと何もかもが苦痛になり、
 パートナーに対する愛情が枯渇した状態でも自分を演じようとしてしまいます。

 私は『カサンドラ症候群』なんて名前は本当にどうでも良いのです。
 しかし本当にこれが起きてしまう。
 この状態が出来上がってしまうことが問題なのです。

 第三者に相談をしても最終的に『苦痛』しか残らず、
 嫌だけで会ってる。
 嫌なのに助けている。
 こんな状態に陥ってしまいます。
 なので第三者に伝えた所で、
「何がいいたいの?」
 こんな感じになるのです。
 
 本当に恐ろしい状態です。
 これを回避するには、ASの方にASだと自覚させることですが、これが上手くいきません。
 なぜならば遺伝の関係でご両親やご家族の方が同じようにASだからです。
 このカサンドラの回避方法は二つあります。

 一 本人にASだと(他人とズレている)ことを認識させること。
 二 周囲の者にパートナーがASだと自覚させること。

 このどちらかしかありません。
 二番目は状況によってはカサンドラになってしまいます。
 
 並大抵の努力では補えない部分が出てきます。
 特にパートナーが女性の方、気をつけてあげてください。
 彼女たちは人の悪意が見えない分過去にも、現在にも苦しんでいます。
 そこで『守ろう』という男性の意志が、自我を殺してしまわないようにきよつけてください。

 さて取り急ぎ終わります。
 
 カサンドラの記事はまた書きたいと考えています。