東大の某学部の大学院への進学をこころざし、今日研究室訪問にいってきた。
落ち着いたキャンパス。
夏のような暑い陽射し。
ローソンで買ったペットボトルの水を飲み、約束の時間がくるまで構内のベンチに座っていた。
約束の二分前に研究室のある建物に入り、ちょうど時間ぴったりになるように訪問した。
初めて目にする教授。
前の日から会って話すのを楽しみにしていた。
しかし、会った瞬間の挨拶からちょっと冷たい。
一通り自分の経歴を聞かれて話す。
僕がふと
「一日九時から六時まで研究室にいて土曜日も行ってます。一日休んでます」(本当は土曜も休んでる)
と言うと、
「うちの学生は九時から九時、それか十時から十時まで実験している。休みの日はないと考えてもらいたい」
といわれる。
「話はそれますが僕は小説家も目指しているんです」
というと
「じゃあ学生の間は小説を書くのはやめてその間に論文を読まなきゃだめだ。君は研究に生涯をささげる覚悟はあるの?」
と言われてしまった。
ほかにもどうして研究者になりたいのか? 実験は好きか? など厳しい質問をされる。
正直研究に生涯を支える覚悟もなければ、休みの日がないのも、長い間実験するのも嫌だった。
それにどうしても研究者になりたいわけでもなく、実験はそんなに好きじゃない。
結局話は二十分くらいで終わってしまい、僕は家に帰ってきた。
期待していただけにショックは大きい。
現にまだ僕の心には鉛のような感情が残っている。
そして家に帰ってきて母親にその話をすると、
「行く前からなんか東大は恐ろしいところだと思っていたのよ」
と言われる。
明日僕は東京から今通っている大学院へ新幹線に乗って帰る。
そしてまた一から将来どこに行くか考えなければいけない。