本日、旭川市いじめ問題再調査委員会(尾木直樹委員長)から調査終了の報告を受けました。臨時記者会見にて申し上げた発言を下記に記載致します。

 

 

(以下会見)

 当時中学2年生でありました広瀬爽彩さんが真冬の旭川の公園で遺体で発見されてから3年3か月が経過しました。今日は旭川らしい青空が広がっていますが、この空を広瀬爽彩さんは見上げることはできません。あらためて心からお悔やみ申し上げますと共に、今日に至るまでのご遺族のご心痛いかばかりかとお察し申し上げます。

 

 この度の事案は、旭川市いじめ防止等対策委員会において令和4年9月に最終報告が出されましたが、不明点があったこと等から再調査を行うこととし、教育評論家として幅広い見識と経験を持つ尾木直樹先生、弁護士の中でもいじめの重大事態に係る調査委員を多くの自治体で歴任された、経験豊かな専門家であります野村副委員長と伊東委員、思春期の精神医学について特に高い専門性をお持ちの斎藤委員、センシティブな事柄においての子ども達への聴取手法である司法面接の第一人者である仲委員と、あわせて5名の先生方に委員にご就任頂き徹底した調査と分析を行っていただきました。

 令和4年12月から22回にわたり、尾木委員長を始め、委員の皆様に、慎重に丁寧にそして着実に調査をしていただき、この度ご報告を頂いたことに心より敬意と感謝を申し上げます。

 

 この問題につきましては、前回の第三者委員会において、わいせつ行為やおごりの強要などのいじめが明らかになり、また、学校や教育委員会の問題点も挙げられております。再発防止については11項目の提言をいただき、現在もこれを活かして取り組んでいるところです。しかしながら、先の調査結果には、不明な点が多く残されていたことから、ご遺族の心情に寄り添い徹底した調査の必要性を感じ、再調査をお願いしたところであります。

 

 今回、再調査委員会に諮問していました、①いじめと自殺の因果関係、②いじめの事実関係、③当時の学校と市教委の対応と再発防止策3点について報告がありましたが、この度の報告は概要版となっております。

 その理由と致しましては真偽不明ではあるものの、前回の第三者委員会のものと思われる黒塗りのない資料が流出する事案が発生いたしましたことから、より慎重を期すため本委員会と本市の両者でセキュリティの方法を再検討させていただいた後に、改めて答申書の詳細をいただくことになっておりますことをお伝えいたします。

 

 私から諮問した3点の詳細については、委員の先生方から会見がありますので、この後にお聞きいただきたいと存じます。

 

 今回の再調査は前回調査で明らかにならなかった点を中心に調査するものであるため、また、いじめが発生したとされた時期から、相当の時間が経っており、調査には、多くの困難があったものと想像されますが、ご遺族の心情に寄り添い、信頼関係のもと非常に丁寧に調査を進めてこられたと認識しております。

 

 また、今お話しした通り、真偽不明ではあるものの、前回の第三者委員会のものとされる黒塗りのない資料が流出する事案が発生しております。ご遺族からは「完成版ではなく真意不明な文書を公開し、爽彩さんに対する予断、偏見、誤った先入観を抱かせる恐れがあり、ご遺族が受けたショックと苦痛は計り知れないものがある」と市教委に対し刑事告訴を求める申し入れ書が届いております。

 

 現在、偽計業務妨害などの刑事、プライバシーの侵害による民事など法的手続きをとれるかも含め、捜査機関などに相談、検討しているところです。また、あわせて、黒塗りのないものとされる文章流出の件についても相談しているところですのでお伝えいたします。

 今日は、この後委員の皆様の会見がありますので、私は以上で失礼いたします。

 今後、本日の報告書をしっかりと精査し必要な措置を講じてまいります。また、詳細版を頂いたその後には公表版を作成する予定ですので、その内容については議会や会見等を通じご報告させて頂きます。

 

 今回の報告により、ご遺族はもとより、関係者、あるいは関係児童生徒の方達が、誹謗中傷を受けることのないよう、ご配慮賜りますようよろしくお願いいたします。

 

 最後に、あらためて、再調査委員会の皆様に敬意と感謝を申し上げますと共に、今後二度と同様な痛ましい事案がおこることのないよう、再発防止に取り組むことを申し上げます。