意外な場所で、『ゲット・アウト』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ゲット・アウト

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ジョーダン・ピール

【主演】ダニエル・カルーヤ

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 黒人の写真家クリスは、白人の恋人とローズと付き合っていた。そして週末、彼女の実家に招待され二人で向かう。彼女の両親からは温かく迎えられたが、クリスは次第に違和感を覚えるようになる。

 

 

【感想】

 アイデアで勝負するタイプの映画。若々しさと才能を感じられる作品で、出演者たちの上手さも光っていた。主演俳優一人がグイグイと引っ張るのではなく、出演者がそれぞれのポジションを確実にこなし、全員で映画を盛り上げていた。知らない俳優ばかりだったが、こういう人材がゴロゴロしているところが、アメリカの映画界の豊さなのかもしれない。次から次へと、勢いのある作品や人材が生まれてくる。

 

 

 映画は、ホラーの味付けが為されていた。盲目の黒人のおじいちゃんが存在感を示した「ドント・ブリーズ」をイメージしたが、恐怖や緊張感を押し売っていく物語ではなく、シュールな世界が広がっていた。怖さはあるものの、ジンワリとした怖さで、どこか「マルコヴィッチの穴」を思わせる雰囲気もあった。人種問題を逆手に取り、皮肉交じりの笑いの要素もあり、思わぬ場所へ連れて行かれて意表を突かれる。それでも、最後はホラーの王道路線に戻っていた。