「セブン」が観たくなる、『ミュージアム』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ミュージアム

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】大友啓史

【主演】小栗旬

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 被害者をいたぶるように殺害する猟奇殺人事件が、連続して発生した。犯行は雨の日に行われ、レインコートを来た男が目撃されていた。刑事の沢村は犯人に迫ろうとするが、なかなか手掛かりを掴めずにいた。しかし遂に、被害者たちの繋がりが明らかになる。

 

 

【感想】

 どうしても、「セブン」に似ていると言いたくなる映画だった。「セブン」はデヴィッド・フィンチャーが監督し、ブラッド・ピットが主演を務めたサスペンス。リメイクとまでは言えないが、映画の作りや流れはとてもよく似ていた。意味の掴めない猟奇殺人や完璧な犯行計画、主人公の刑事がたどる道筋や犯人の不気味さ。ブラッド・ピットとケビン・スペイシーの関係を、小栗旬と妻夫木聡が引き受けていた。

 

 

 映画は、重苦しい雰囲気を漂わせる。緩む瞬間はほとんどないので、観る方もそれなりに体力を消耗する。サスペンスならではの緊張感なので、好きな人には心地いい疲労感になるのかもしれない。ただ熱演が予想以上に長く続くので、嫌な疲れを感じる可能性もある。舞台の芝居に通じそうな熱い演技は、暑苦しさを生んだりする。勝負の瞬間は、なるべく短く絞った方が効果的だと思う。

 

 

 やはり上映時間が、132分というのは長かった。100分程度の長さなら、切れ味が増し違った印象を持てたかも。刑事と犯人の接触も多すぎて、不自然さが増した気もした。きっと熱演や上手い芝居といったものをたくさん繋げても、面白い映画にはならないのだろう。部分を足しても全体にならない、というのは映画にも言えそう。見所が多くなると、鋭さが欠けていく。