【タイトル】『インサイダーズ 内部者たち』
【評価】☆☆☆☆☆（☆５つが最高）
【監督】ウ・ミンホ
【主演】イ・ビョンホン
【製作年】２０１５年
【あらすじ】
大統領候補の大物政治家と、財閥企業の癒着を証明する裏帳簿が元社員によって持ち出された。若く野心的な検察官のウは、この案件を出世の手掛かりにしようとしていた。だが裏帳簿を持ちだした元社員を、ちょっとした隙にヤクザ者のアンにさらわれてしまう。
【感想】
あまり話題にはなっていないが面白い映画だった。主演はイ・ビョンホン、かつてほどのブランド力は無くなったのかもしれないが、コミカルな演技を披露し実力をしっかりと見せつけていた。華のある役者は一味違う。彼を取り巻く俳優たちとの相性もなかなか。韓流ブームが去って、いいものに出会える確率が高まった気がする。
ストーリーは、韓国映画ならではの泥臭いサスペンス。政治家、財閥企業、マスコミ、検察、ヤクザが絡む。権力者たちの陰謀云々が語られるが、日本映画のような生真面目一本で押していくのではなく、緩急自在に話しが進んでいく。権力者たちの無邪気さが妙なリアルを生んでいた。
国家権力中枢の話しでありながら壮大さとは無縁で、どこか田舎臭さく妙な親しみやすさがある。ストレートな権力欲や性欲、そして暴力が炸裂する。展開も巧みで飽きることがなく、最後の最後できれいにオチを付けていた。朴訥とした外観と、緻密なストーリーに気持ちよくやられた感じだった。