京都は奥深い、『鴨川ホルモー』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『鴨川ホルモー

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】本木克英

【主演】山田孝之

【製作年】2009年


【あらすじ】

 二浪し京大に入学した安倍は、美しい同級生に誘われるままに怪しげなサークルに入部してしまう。そのサークルでは、“オニ”と呼ばれる式神を使った競技“ホルモー”が行われていた。安倍たち新入部員は、オニを巧みに使役するための奇妙な言葉やポーズの習得に励むことになった。


【感想】

 CG映像を使い無数の小人が蠢く緩めのコメディー映画。ちょっと前にブームとなった陰陽師いじくって、現代に蘇らせている。ただ軸になっているのは、バカバカしさを真面目に貫く青春ドラマ。スポ根の要素も加え、気軽に楽しめるようになっている。京都の街中を疾走しているので、京都好きには訴えてくるかも。反面、生真面目な陰陽師ファンにはガッカリな内容のはず。


 映画は緩いノリを被せつつ、シュールな世界が続々と現れ、出演者が熱く演じれば演じるほど滑稽な可笑し味が生まれてくる。学生のノリも全開で、全裸で踊る「レナウン娘」は迫力満点。映画の撮影なら、裸になっても構わないのだろう。ついついニヤニヤと笑ってしまうシーンがいくつもあった。


 そんな中でも、一番キレていたのは濱田岳。小柄で気弱なイメージのある彼だが、ある事柄をきっかけに生まれ変わる。軟弱な風貌とは対照的に、織田信長に成りきるその姿はかなり笑えた。最も信長に似つかわしくない人間が、気合だけで信長を演じている感じ。見事なギャップだったと思う。濱田岳の侍魂を見ることが出来ただけで、それなりの満足を得られた。期待せず、軽い気持ちで観るべき映画。