今回は、2024年2月の天候について書きます。
天気図は後で載せますが、2024年2月は北海道を除いて冬型の気圧配置はほぼ出現せず、移動性高気圧や低気圧が日本付近を頻繫に通りました。また、下旬には前線が東・西日本の近くに停滞し、この時季に晴れの日が多い東・西日本太平洋側でも曇りや雨の日が多くなりました。
寒気の影響が小さかったので、月平均気温は記録的に高かった地点も多数ありました。ただし、月の後半は寒気と非常に強い暖気が日本付近で接触していたので、気温の変動が大きくなりました。
2月19日~20日は記録的な高温になった地点が多数ありました。
九州南部は平年を3.2℃上回り最高記録を大幅に更新
(気象庁|地域ごとの観測史上1位~10位の値 (jma.go.jp) より)
九州南部の2月の平均気温は平年を3.2℃上回り、これまでの最高記録を0.7℃も上回りました。
歴代2位と歴代7位の差は0.5℃しかありませんから、歴代2位を0.7℃上回った2024年は「完勝」クラスの高さです。
九州南部のほか、東北、東海、四国、奄美でも歴代1位となりました(九州北部も1位タイ)。
東・西日本日本海側の降雪量は平年の1割未満で歴代最少
( 気象庁 | 2024年2月の地域平均気候表 (jma.go.jp) より引用)
表を見ますと、平年並の要素はとても少なく、「かなり○○」という要素が目立っています。
降雪量は東日本日本海側で平年比6%、西日本日本海側では平年比0%で、いずれも過去最少です。
一方、降水量は東日本日本海側・西日本日本海側ともに平年を上回っていますから、「降水量が少なかったから降雪量も少なかった」というわけではありません。降水量のうち雪として降った割合が平年より非常に小さかったのです。
2月の東・西日本日本海側において、冬型の気圧配置で降水があるときは寒気が流れ込みますから雪として降る割合が高いですが、低気圧の影響を受けて降水があるときは寒気が撤退していることが多いので、平地では雪として降る割合が高くないです。
2024年2月は冬型の気圧配置はほぼ出現しなかった一方、低気圧の影響は大きかったので、降水量のうち低気圧の影響が占める割合が非常に大きく、そのため降水量のうち雪の占める割合が平年より非常に小さくなりました。
寒冷地ならともかく、東・西日本の平地に「降水量が多かったら降雪量も多くなる」という法則は通用しません。
2024年2月の天気図
2024年2月の天気図(毎日3・9・15・21時)の動画はこちらです。動画も是非見てください。
2月1日から2月29日まで、毎日3時の天気図を以下に載せます。顕著な特徴は以下の通りです。
・北海道を除いて冬型の気圧配置はほぼ無かった
・日本付近を高気圧や低気圧が頻繁に通った
・2月下旬には前線が東・西日本付近に停滞し、梅雨入りしたような天気になった