最近になって暑さが落ち着いてきましたが、10月初めごろまでは残暑が続いていました。
その要因としては、太平洋高気圧の勢力が強いということが挙げられます。
これは10月3日9時を初期時刻とした3日21時の予想図です。
図の上で日本の東海上には、500hPa高度が6000m以上の領域があります(赤の矢印をつけた場所)。真夏の日本の南海上でも6000m以上の領域はほとんど出現しません。10月に、それも東北地方ぐらいの緯度で6000m以上の領域が予想されているのは異常なことです。
6000m以上の領域では地上においても高気圧になっています(図の下)。つまり、日本の東海上には背の高い強力な高気圧が予想されている、ということになります。太平洋高気圧にしては高気圧中心の位置が北よりなので、ブロッキング高気圧の性質もあるかもしれません(この高気圧の場所で偏西風が大きく北に蛇行しているので、ブロッキング高気圧と見なすこともできそう)。
夏の勢力が大きく北上している様子は、台風17号の状況からもわかります。
台風17号は北緯49.0度で温帯低気圧に変わりました。10月2日18時の地上天気図を見ますと、台風17号は北海道より高緯度へ進んだにもかかわらず、台風として存続しています。
台風は暖気の塊ですが、寒気と接触して中心部まで寒気が到達すると(中心部で前線が解析されると)温帯低気圧に変わります。
10月だと本来なら寒気がもっと南まで下りているので、これほど高緯度まで台風として存続することは滅多にありません。
夏の暖気が大きく北上したからこそ、北海道よりも高緯度まで台風として(温帯低気圧に変わらずに)進めたと言えます。
太平洋高気圧が弱まって日本に冬らしい冬は来るのでしょうか?