こんばんは。
いまあつです。
今回は、強い雨に伴う浸水害の危険性を示す指数である、表面雨量指数について説明します。
表面雨量指数は、降った雨が地表面に溜まっている量を数値化したものです。
表面雨量指数の計算にも、タンクモデルが用いられています。
さらに、タンクからの流出量だけではなく、地形補正係数も影響します。
表面雨量指数 = タンクからの流出量 × 地形補正係数
まずは、タンクからの流出量を説明します。地形補正係数については後で説明します。
タンクからの流出量の求め方(非都市部)
図:非都市部における流出量を求めるタンクモデル
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/hyomenshisu.html
表面雨量指数の計算に用いられるタンクモデルは、非都市部と都市部で区別されています。
さらに、非都市部では地質によって、5種類(いずれも3段、ただし変数の値が異なる)のタンクモデルが用いられています。
タンクの側面の穴から流出する水の量が、流出量です。
タンクからの流出量の求め方(都市部)
図:都市部における流出量を求めるタンクモデル
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/hyomenshisu.html
都市部では地表面のほとんどがアスファルトで覆われているため、降った雨は地面にほとんど浸みこまず、一気に河川へと流れ出ます。
このような特性から、都市部では最下層のタンクだけに側面の穴がある直列5段タンクモデルが用いられており、流出が速い上に最大流量が大きくなるように変数の値が設定されています。
集水域について
ある地点に集まる雨水は、その地点およびその上流地点で地表面から流出した雨水の総量となります。
第1段階:集水域を求める
100mメッシュ標高を用いて、対象となる地点の周りにあって対象地点より標高の高いメッシュ(ここでは高地メッシュと呼ぶ)を見つけます。次は高地メッシュについて、周りにあって標高の高いメッシュを求めます。これを繰り返して、対象となる格子から1km以内にある上流メッシュを集水域として求めます。
第2段階:流出量を求める
集水域それぞれについて都市メッシュと非都市メッシュに分類し、表面から流出する雨の量を計算します。
この合計が、流出量です。
ただし、流出量の計算には、対象の格子に隣接する格子についての「都市:非都市」の比率も考慮されています。
地形補正係数について
表面から流出する雨水の量が同じでも、傾斜が急な場所では平坦な場所に比べて、雨水が表面に溜まりにくくなります。この影響を表したものが、地形補正係数です。
傾斜が急な場所では雨水が溜まりにくいため、傾斜が急な場所ほど、地形補正係数は小さくなります。