こんばんは。
いまあつです。
今回はアメダスについて説明します。
皆さんも、アメダスという言葉を聞いたことはあると思います。
雨を測っているから「雨ダス」だと思っている人がいるかもしれません。
もし、雨を測っているから「雨ダス」なら、風を測る「風ダス」もあるはずです。
果たして、「カゼダス」は存在するのでしょうか?
アメダスの観測要素
アメダスは、気温、降水量、日照時間、風向、風速、積雪の深さを自動で測っています。
ただし、降水量のみ(または、降水量と積雪の深さのみ)を測っている観測点もあります。
積雪の少ない地域では、積雪の深さを測っていない観測点がほとんどです。
図;アメダスのイラスト
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/amedas/kaisetsu.html
温度計:
温度計は、温度を感じる部分が地面から1.5m(雪が積もっている場合、雪面から1.5m)の高さになるように設置します。
温度計には白金が用いられており、白金の電気抵抗が温度に比例するという性質を使っています。
温度を測る部分は直射日光が当たらないように、通風筒の中に入っており、ファンによって強制的に通風しています。
雨量計:
アメダスの雨量計は、転倒ます型雨量計が一般的です。
転倒ます型雨量計は、一定の雨量がたまると受け皿が転倒し、転倒した回数を数えることで雨量を測っています。
現在のアメダスでは0.5mmの雨が降ると転倒するので、20回転倒すれば、10mmの雨が降ったことになります。
日照計:
日照計はガラス円筒の中に反射鏡が入っています。反射鏡は30秒に1回転しており、反射鏡によって反射された太陽光をセンサーで受けています。
0.12kW/㎡以上の光を受ければ「日照あり」となり、日照ありとなった時間を測ります。
風向風速計:
風向風速計のプロペラは風上を向くように回転します。
胴体の向きから風向が、ぷプロペラの回転数から風速がわかります。
積雪計:
積雪は、超音波式積雪計が用いられています。これは、超音波を地面に向けて発射し、地面から跳ね返ってくる超音波を受信し、発射された超音波を受信するまでの時間を測ることで、積雪を測っています。積雪があればその分だけ、超音波が発射されてから跳ね返るまでの距離が短くなります。また、積雪は1cm単位で測ります。
ここでびっくりしませんか?
音の速さは1秒間に340mほどです。一方、積雪は1cm単位で測りますから、積雪が1cm多い場合、超音波が発射してから受信するまでに、超音波が進む距離は2cm短くなります。
超音波を受け取る時間に 2/34000 秒の誤差があれば、それだけで積雪1cm分の誤差が生じます。つまり、 2/34000 秒単位で時間を測る必要があります。
もっと言えば、超音波を発射してから受け取るまでの時間が、実際より 2/340 秒短く計測されれば、実際には雪が積もっていなくても、「1メートルの積雪がある」というデータが送られてくるのです。
2/340秒の違いを区別することは、人にとって不可能です。人が生んだ技術のすごさを感じます。
アメダスの語源
アメダスは、「地域気象観測システム」で、英語で書くと Automated Meteorological Data Acquisition System になります。この頭文字をとって AMeDAS と呼んでいます。雨を測るからアメダスではないのです。
また説明した通り、アメダスは風も測っています。
以上から、カゼダスは存在しません。