こんばんは。

気象予報士のいまあつです。

 

雹(ひょう)は積乱雲(入道雲)から降る氷の粒です。

激しい夕立が起こったときに、しばしば降ります。

例えば、2014年6月24日には三鷹で雹が積もり、雪景色のようになりました。

 

写真は2019年4月1日に降った雹

 

 

ここで、次のような疑問が生じます。

雹は氷でできているのに、なぜ気温が高くても降るのか

 

雹と雪はいずれも固体の降水で、落下中に融ければ雨になります。

しかし、雪は気温が5℃以下の場合にほぼ限られるのに対し、雹は夏でも降ります。

この点で、両者には決定的に異なっています。

 

私はこの疑問を持ち、大学の先生に質問をしました。その結果、

雹は雪に比べて氷の粒が大きく、落下速度も速いため、

地上の気温が高くても、氷が完全に融けるまでに地上に達する

という返事をいただきました。

 

 

雹と雪は異なるため、雹が降っても降雪扱いにはなりません。

 

もし、雹が降雪扱いになったら、初雪の統計は大きく狂うでしょう

冬の現象の統計(初雪など)は8月1日~翌年7月31日を1年とします(これを寒候年といいます)。

よって、もし7月31日に雪が降れば「終雪」、8月1日に雪が降れば「初雪」となります。

雹は夏でも降るので、雹が降雪扱いになったら、8月中に初雪が出るかもしれません。

 

 

このように、疑問を持つことは重要です。

もし何か疑問があるなら、コメントとして書いてください。

 

<次回予告>

きれいな夕景の写真を載せます。