薄化粧派なので、口紅は年に1本で済むし、1色しか持っていない。紅筆で最後まで丁寧に使い切った後に新しい口紅を買う時の苦労は、今まで使っていた色や、シリーズそのものが消滅していることが多いこと。お気に入りを何度も繰り返し買えると一番ありがたいのだが、一から選び直すのが常である。シャネルなどのブランド物を使っていればそんな苦労はないのかも知れないが、私はそういう性質(たち)ではないので。

 

 選択肢が少ないのも困るが、選択肢が多過ぎるのも悩みの種である。まずは、どんな選択肢があるのかを知り、消去法で候補を絞って行く。そうやって今回買った口紅は、リップクリームと口紅の中間のような商品だった。

 

 色の選択肢は3色で、その中で一番濃い(赤い)ものを選んだ。肌の色は人それぞれだから、似合う口紅の色も人それぞれ。塗ってみると、自然な感じがして気に入った。

 

 化粧が終わった自分を鏡で見て、ニッコリと微笑むと気分が上がる。ここ最近感じなかった感情だ。偏(ひとえ)に顔ダンスのお陰である。