DH問題とは野球で指名打者を採用するかという問題である.
というのは違います.そのDH(designated hitter)ではありません.Diffie-HellmanのDHです.
Diffie-Hellmanの鍵共有法に由来しています.
大きな素数p,mod p(pで割った余りの世界)の原始元g(p - 1乗で初めて1になる)とAさんの公開鍵K_A(= g^a mod p),Bさんの公開鍵K_B(= g^b mod p)からg^ab mod pを解くことが難しいとされています.
素数pは1024ビットとか2048ビットのもの(大体300桁~700桁ぐらい)を使うので,Aさんの公開鍵K_A = g^a mod pから秘密鍵aを求めることは難しいとされています(離散対数仮定,aを全部試すというゴリ押しではスーパーコンピューターでも無理なので).
Bさんの公開鍵K_Bから秘密鍵bを求めることも困難です.
aとbの値がわからないので,g^ab mod pは計算できません.
p,g,K_A,K_Bからg^ab mod pを計算する問題をDH問題といって,これが困難だという仮定(決めつけ)をDH仮定といいます.
しかしながら,DH問題が困難であっても,離散対数問題は困難であるかどうかはわかっていません.やさしいかもしれないのです.
図はこんな感じです.