Emigrate to space.18
18.警報機が作動すると、瞬く間にサイレンがあちこちに響き渡った。と同時に、動物たちがわめく声がこの異常事態を引き立てた。僕たち3人は急いで塔を抜け出した。すぐに監視たちは丘を駆け上がってきた。反対に僕たちは、真っ暗の林の中を通り浜辺に向かって一目散に駆け下りる。暗闇の中を先導してくれたのは、ミーヤキャットのノア。「僕はブラックエレベーターが到着しない様に細工をしてから浜辺に向かうよ」ショーの発言に驚いた。だって天才とはいえ彼は未だ中学生だ。「そんなことできるの?」「あぁ、地球が1階でここが100階なら、99階にたどり着く前に1階まで送り戻すだけだ」「それならコンピューターがあればどこでもできる」「コンピューターはどこ?」「この時間鍵がかっていない建物が2か所。そこにある……。パブと灯台だ」「どっちへ行くの?」「灯台の周りは祭りで人が多くて危険だ」「じゃあパブへ行くの?」「パブは……。僕たち人間動物は檻の中にいると思われている。裏口から入るしかないけどリスクが高いな。陽翔一緒に行ってくれるかい?」「お、おう」「ノアは先に浜辺に向かっていてくれ。陽翔はこっちだ」ショーは草むらから街の方へ抜け、ノアは僕の肩から飛び降り、浜辺に走っていった。僕は空き箱の上に乗り、小窓からホール側にいる店主を見張った。ショーに「中に入れ」と合図を送った。ショーは裏口から店の中に入ると早速コンピューターを弄りだした。店内には人が増えてきた。ビールケースに瓶を店主が詰めている。浜辺の祭りで使う酒の補充のようだ。未だビールケースには余裕がある。店主がキッチン側に戻ってくるかもしれない。相変わらずショーはわき目もふらずに夢中で作業し続けている。ホール側に目をやった時、店主の姿がなかった。キッチンの方にもいないぞ。そしてもう一度ショーの方に目をやったときだった。店主に見つかったのは僕だった。「あ、あの」僕は逃げようとしたが、不安定なビールケースが僕の足元を狂わせた。「こっちへ来なさい」店主は眉間にしわを寄せ、厳しい眼差しで僕の腕を引いた。僕はこのまま監視たちに突き出され、情報を吐かないと殺すなどと言われるのだろう。店主の手を振りほどくくらい簡単だと思ったが、意外と筋肉質なのか全く抵抗できない。「ニャーオ」猫の鳴きまねでショーにサヨナラを告げた。店主はものすごい握力で僕の腕を掴んだまま真っ暗の倉庫に閉じ込めた。「見かけない顔だな?君はどこから来た?」緊迫した空気で、店主は怖い顔で訊ねてきた。「え、えーと」「言え、言うんだ。正直に言わないと監視を呼ぶぞ」店主はこの時間に、外にいる見かけない人間に怯えていなかった。ただ、僕たちがどこから来たのかを知りたいだけにも見える。「さっき檻からライオンとミーヤキャットが抜け出した。君の仕業なのか?」砂嵐の様な音が聞こえる。無線でここへも情報がきているのだろう。「君は……」