空腹の花畑
陽炎は 動物達の死骸を 道ばたに残す
水槽の中を泳ぎ回る マーガリンの夜
静かな蕾が ゆっくりと拡がる海
キスを忘れてしまった 老人に羽根が 生えかけている
遊園地の思い出は 寒天の固まっていく姿
何も答えたくない 木琴を積み上げるたびに
走り続ける手首と 激しい音色
ピアノの上での 憂鬱と聞こえない 歯軋りはノイズ
フライパンのサーキットで 焦げていく
遊牧民のアスファルト
狂ったように堕ちていく 蝿の行く先は
作られたばかりの サラダ鉢の中
三日月が這うように 雲に隠れる時
オマエには 手足が生えてくるだろう
庭に投げ捨てられた 卵の内部に潜んで
有刺鉄線の みかんの陰に隠れて生き延びる
星条旗の 星を 一つ食べようとしたけれども 止める
三月のアリは かぼそい身体で 鏡を見る