ボクを起こすな キケン
ボクを混ぜるな キケン
ボクを触るな キケン
ボクを揺らすな キケン
ボクを運ぶな キケン
ボクを喰べるな キケン
ボクを落とすな キケン
ボクを脅かすな キケン
夜の風に吹かれて ゆっくりと降り立つ
空と飛ぶ 自由
穏やかな毎日を 暮らしていたいだけなのに
開いた口が 塞がらないんだ
浜辺の虎に エサをあげる休日
人々は ボクのことを 横目で見ている
橋を 渡らせてもらえない
鳥居を くぐらせてもらえない
近道を 通らせてもらえない
枯れていきそうな 秋の草むらに
ボクは 養分だけを 吸い取られて
生きている 今日
きっと何かが 分かるはずだと 思っていたのに
神経質で せっかちな 夕暮れが
ボクのことを 置き去りにしてしまった日
それが 今日なんだろう
自分自身でも あまり 分からなくなってきている
鳥の声が 電話BOXの受話器に ひっそりと見える
雨の音が 開店前の 酒場の空きビンに見える
キミの姿が 花畑で けなげに歩いていた 虫に見える
街行く人々が いずれ彷徨う 年老いた 子供たちに見える
かじりかけた パンを もう一度 カバンから
忘れかけた 両手を もう一度 ポケットから
失いかけた 空白を もう一度 昨日から