コオロギ | 今永ぴっとの詩集「俺、猿とメルヘンの旅支度」

今永ぴっとの詩集「俺、猿とメルヘンの旅支度」

詩唄いが、伝説の「猿の種」を探す,旅の途中に綴る詩
~ノーフューチャーな森へ好んで、歩み出す~

貧困の始まり


やせ細った 身体より

巣立ち行く 家の方向より

変わり行く 街の風景より


人の暗い所よりも もっと もっと奥へ


人の辛い所よりも もっと もっと奥へ


人の位とかよりも もっと もっと奥へ


人の悲しみとかよりも もっと もっと奥へ


オマエは ずっとここで鳴いていて


オマエは 饅頭の味も知らずに


オマエは いくつもの快楽も知らず


オマエは 何の言葉も感じられず 死んでいく


ざわついた心から 浮かんでくるもの


不条理な 根っこから 込み上げてくるもの


オレは いくつも 殺してきたが キリがなくて


オレは いくつも 語りかけてきたが 溢れ出して


オレは いくつも 唄い続けてきたが 枯れ果てて


オレは いくつも 奪い返してきたが 罵られて


バケツの中から

土下座の中から

財布の中から

ボーリング場の中から

座布団の中から

甲子園球場の中から


全てを 背負って

全てを 愛して

全てを 優しく包み込んで




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