音楽を学ぶ者の間では「楽譜は財産」と言われています。

作曲家の考え、自分のカキコミ、先生が、仕上げの時に入れてくださった赤鉛筆のチェック。

まさしく「財産」です。

私たちは、大切に大切に楽譜を扱います。
丁寧に使っても、練習量が多いと、ページが切れてしまうので、修繕します。


ですから、醤油がこぼされた楽譜や、

練習量のせいではなく、扱いが乱暴で、切れたり丸まったりしている楽譜を見ると、悲しくなります。


今日は、ある大人の生徒さんの楽譜を拝見して、感動しました。






10代の頃のものだそうです。


生徒さんは、その当時は、みつあみだったのでしょうか、おかっぱ頭だったのでしょうか。

きっと、せすじがピンと伸びた、清潔で美しい心を持ったお嬢さんだったのでしょう。

楽譜が、それを物語っていました。

表紙に年月を感じます。中が丁寧に使われていました。

切れたところは、テープで修繕されています。

今、手元にあるということは、楽譜ちゃんも、生徒さんと一緒に、嫁いできたのでしょう。


学生時代、働いていた時代、家庭に入ってからも
「ハノンと、これは、ずっと友達だった」と、おっしゃっていました。


「音楽を一生の友に」…それを実現させている方が、ここにいらっしゃいます。