春の日の傾ぎてをりぬ京都タワー

 

展望行きのエレベーターは、100メートルの高さまでをあっという間に昇った。

春の陽は楽しい母娘旅の終わりを早くも知らせているみたい。

 舌切茶屋「小林さん?」と間違はれ

一人旅の同い年くらいのご婦人がお抹茶を注文されていた。

心太を食べていたミコちゃんに、にっこりと会釈されるので、ミコちゃんもにっこり。

「小林さんですか?」「いいえ」オホホ。

清水寺を後にして、二年坂三年坂を通って、円山公園へ向かわれるとの事。

あの浮き浮きと恍惚になるほど美しく大きな枝垂桜を、このご婦人は

今から見に行かれるのだなと、見て来たばかりのミコちゃんは微笑んだ。