シトリン夫婦は夕食のみを一緒に食べる「夕食婚」である。
自宅を本宅と呼び、仕事場を別宅と呼ぶ。
シトリンは夕食のみを旦那様と食べるために本宅に帰っているのである。
知人がコロナで急死した。
何年も連絡を取っていなかったのに、年明けにふと
「どうしているかなぁ。タカさんはもう高齢だから、ひょっとしてもう…」と思ってしまった。
後から考えると、ちょうど亡くなられたころだった気がする。
息子にLINEを送った。
「タカさんを覚えてる?」
時々、話の中で出していたくらいで、息子は覚えていないだろうと思いながら送ったLINEであった。
「覚えてるよ。確か旦那さんは〇〇会社に勤めていたよね。子どもは僕と同じ高校に行ったよね」と返事が返ってきた。
シトリンは息子に電話を入れた。
「あのね、タカさんが…」というと
「母さんが電話を掛けてきたということは、そういうことなんでしょ?」と亡くなったことを察知した息子。
「そう、コロナでね」
電話の向こうから息子のびっくりした声がした。
息子がタカさんの家に行ったのは小学校の低学年のころ、一度だけである。
息子が言うには
最近、近くを通ったときに、タカさんの家はここの近くだったはずと、思い出したところだという。
「母さんも最近思い出していたところだったのよ」とシトリン。
今朝、芸人のハチミツ二郎さんがテレビでコロナで重症だったことを言っていた。
病院前までの記憶はあるが、目が覚めたら8日が過ぎていたという。
あのまま目が覚めなかったら・・・
タカさんは、普通に病院まで運転していき、酸素濃度が低いということでそのまま入院となった。
きっと本人はコロナに罹ったことも分からず、そのまま目が覚めなかったんだ。
タカさんはきっと自分が死んだことに気づいていないんだろうな。
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