Tue 240709 昨日は博多、いま金沢/福岡の大盛況/充実の祝勝会/さあ博多山笠 4547回
昨日の今頃まで、猛暑の博多にいた。今は雨の金沢にいる。博多は最高気温37℃だったが、今日の金沢は午後から大雨の予報、最高気温も28℃ぐらいまでしか上がらない。宿泊する部屋はホテル最上階、窓のカーテンを開けると、遠く灰色の日本海が見える。
こういう蒸し暑い雨だから、今夜の金沢の公開授業がホンの少し心配だ。雨だと、雨だという理由だけで欠席者が出るんじゃないか。余計な心配だとは思うけれども、21世紀初頭の代々木ゼミナールなんかには、「雨なら欠席」「風が吹けばズル休み」「眠けりゃ休む」という類いの猛者も少なくなかった。
(7月6日博多駅前、「十一番山笠」の勇姿)
受験生たちがこんなに勤勉になったのは、いつからだったろう。雨が降っても休まない。風が吹いても休まない。教材が難しくても、全くイヤな顔をしない。むしろ「教材が易しい」と感じると、露骨に「易しすぎてつまらない」という顔をする。
20世紀後期から21世紀初頭までの受験生は、とにかく「易しいのからお願いします」という世界。講師の中にもその辺の気持ちがよく分かっていて、「何が何でも楽して合格させるぞ」と宣言、楽な方へ楽な方へと生徒を導きたがる人も多かった。
今や諸君、生徒たちは何よりもヤリガイを求めている。「もっと」「もっと」と要求を高めてくる。お祭りなら「ワッショイ」「ワッショイ」であるが、予備校の教室でも全国各地の公開授業でも、「楽がしたい」みたいな表情を探すのは難しい。なかなか、みんな熱いのである。
(博多・櫛田神社から続くアーケード街。猛暑の夜の中に、たくさんの山笠の勇姿があった 2)
かつて夏期講習がお祭り騒ぎだったことは、ついこの間ここに書いたばかりだ。夏期講習は、5月初旬のパンフレット配布から、5月中旬の申し込みを経て、8月下旬まで続くマコトに長いお祭りであって、9月の秋風の中でさえ、まだ夏期講習の余韻が漂っていた。
だから教室内の雰囲気はただひたすら「わっしょい」「わっしょい」であって、1ターム → 4日間か5日間、90分 ×5回の講座でどのぐらい実力がつくかなんか、冷静に考える人なんかほとんどいなかった。要するに講師一人を神様&ホトケ様として拝み、ナムナムの代わりにワッショイ、それで十分だったのである。
(博多・櫛田神社から続くアーケード街。猛暑の夜の中に、たくさんの山笠の勇姿があった 3)
なお、そのワッショイについて、語源がはなはだ曖昧である。「どうしてワッショイ?」について、なかなか決定的な説が出てこない。朝鮮半島起源説もあれば、ヘブライ語起源説なんてのもある。
いくらかもっともらしいのは「和背負い」「和一処」語源説あたりであって、重たいオミコシを「いっしょに背負おう!!」だから「和、背負い!!」だとか、ほぼ同様の論拠で「和、いっしょ!!」だというのだが、いやはや、どうもイマイチの感を免れない。
(博多・櫛田神社にて。山笠クライマックスの準備が着々と進んでいた 1)
博多の公開授業は7月7日だったが、いやはやタナバタの夜の公開授業、大いに盛り上がった。何しろ博多は「いよいよ祇園山笠、クライマックスへ!!」の熱狂の中にあって、ただでさえ街は熱気に溢れている。インバウンドも激烈、太陽の熱も激烈、こんな激しい熱気の中で、今井の公開授業が盛り上がらないはずはない。
まるまる1か月延々と続く京都の祇園祭もそうだが、博多山笠もまた約半月、猛暑の中での熱い男たちの祭りが続く。上半身はハダカ、下半身もフンドシ一丁という姿がすでに激烈であるが、まあ何しろこの暑さだ、そのぐらいは許してもらわないと、それこそ熱中症でバタバタということになりかねない。
(博多・櫛田神社にて。山笠クライマックスの準備が着々と進んでいた 1)
ワタクシの博多到着は7月6日。何しろこの暑さだ。キチンと前乗りぐらいしないと、いつどこで何があるか分からない。実際7月6日、原因はよく分からないが東海道新幹線が静岡あたりで突然ストップ、動けなくなってニッチもサッチも行かなくなった。
幸いワタクシは巧妙に難を逃れたが、いったん新幹線がストップしちゃうと、名古屋駅も京都駅も新大阪駅も、猛暑の中で「地獄絵図」、日本人観光客とインバウンド勢力が右往左往して、座っている場所も立っている場所も見つからない。去年も同様の事態が発生、京都駅のコンコースで気を失って倒れる人を目撃した。
ヒコーキなら安全かと言うに、これまた非常に不安定。同じ7月6日、東京周辺をカミナリとともに豪雨が遅い、渋谷川やら目黒川やらが氾濫危険水位を超える事態になった。羽田空港にも落雷があって、羽田は一時「離着陸見合わせ」、ありゃりゃ、新幹線もヒコーキも、軒並み大幅な遅れが発生した。
(博多・櫛田神社にて。山笠クライマックスの準備が着々と進んでいた 2)
こういうふうだから、夏の公開授業では「前乗り」を心がけた方がやっぱり安全。その日の午後に着いて → その日の夕暮れから講演、そんなキチキチのスケジュールじゃ、とても安心して仕事に臨めない。ワタクシは7月6日の昼のうちに博多入りしてホントによかった。
公開授業会場は、博多駅からクルマで30分ほどの「ももちパレス」。この10年ほど、博多中心部から西部地区の公開授業はたいたいここを使用する。そんなに大きくもなくピカピカでもない古い昭和の箱物だが、マジメな公開授業ならここが一番落ち着ける。
(博多・櫛田神社にて。山笠クライマックスの準備が着々と進んでいた 3)
7月7日は、福岡西新・福岡姪浜・福岡のウルトラ名門♡修猷館高校周辺の受験生を対象とした公開授業。約130名が出席して、19時開始、20時40分に終了。「修猷館からの参加者が非常に多いです」ということだったので、使用したテキストは「旧7帝国大学レベル」。今年もワタクシは、難関大向けを重視したい。
だって諸君、さっきも書いた通り、何しろ21世紀の受験生は「もっと」「もっと」タイプ。易しいテキストとか「楽して合格」なんてのを持ち出すと、プイッとイヤな顔をされてしまう。時代はすっかり変わってしまったようだ。
(博多・櫛田神社から続くアーケード街。猛暑の夜の中に、たくさんの山笠の勇姿があった 4)
そして実際、生徒諸君の集中力は半端なものではない。最初30分はツカミというか何と言うか、受験勉強全般のオハナシ。中盤から後半までの70分間は一気に70行、設問6つ、本格的な難関大の長文読解問題を解説する。
もちろん居眠りなし、アクビすらなし、むかしの代ゼミでよく見かけた「途中でトイレに」なんてのは、その気配さえない。
ツカミの30分は激しく爆笑を繰り返し、中盤から授業本体に入るや、出席者全員がひたすらメモをとりまくり、70分の集中にものの見事に耐えてくれる。いやはや、むしろ講師の方で恐縮し、講師の側が感激する。もちろんそのぐらい完璧な授業♡だったわけで、終了時の拍手がこれまた強烈に熱いのである。
(博多・櫛田神社から続くアーケード街。猛暑の夜の中に、たくさんの山笠の勇姿があった 5)
こういうふうだから、祝勝会というか懇親会というか、コロナの5年間は禁止だったお食事会も復活して、これまた大いに盛り上がる。参加したスタッフは3人、ワタクシを含めて4人の小規模懇親会であるが、そのスタッフも今井のかつての受講生だったりするから、話はいっそう盛り上がる。
その中に、すでに書道の達人で、他に演劇や茶道にも詳しい人がいらっしゃって、この人を中心に2時間、マコトに楽しい懇親会になった。
(7月6日、博多単独前夜祭。「餃子のたっちゃん」の肉汁餃子、オイシューございました)
何と、話題はチョーク。前にこのブログにも書いたが、かつて素晴らしい書き味のチョークを作ってくれていたHAGOROMOというメーカーが事業を清算してしまい、日本全国の歴代の先生方がみんな深く愛したHAGOROMOチョークが消滅した。
今の日本に残っているチョークは「天神」一種類のみ。もちろん「天神のチョーク以外はダメだ」と断言する頑固な天神ファンのセンセも存在し、むかし駿台予備学校で英語の副主任だった某先生は、あえて御自分だけ天神のチョークを準備させていらっしゃったが、少なくとも今井君は天神が苦手なのだ。
(7月6日、博多単独前夜祭。「餃子のたっちゃん」の焼餃子、オイシューございました)
何しろ書き味が悪い。黒板の表面でうまく滑らない。折れやすい。というか、わざとのようにポキポキ、授業に熱が入れば入るほどポキポキ、際限なく折れて授業を妨害する。チョークが折れるたびに今井君は「ポキッとかじゃなくて!!」とチョーク君を叱責するのであるが、何しろ今は「天神のみの世界」になってから、その叱責の頻度がグッ高まった。
意外かもしれないが、予備校スタッフの懇親会というのは、そんな話で大いに盛り上がるのである。その場にいない他の講師の悪口なんてのは、やっぱり後味が悪いじゃないか。チョークの悪口でも言い合った方がずっと楽しい。
だって諸君、このごろ天神のチョークを使い続けた今井君は、少し腱鞘炎気味なのだ。ワイシャツのボタンをかけるのにも四苦八苦し、缶ビールのプルトップを引っ張っても手首がチクチク痛むのである。
(金沢の「北國新聞」にも、博多山笠の記事があった)
まあこういうふうで、ワタクシは炎暑の博多を大いに楽しんだ。スタッフとの懇親会だけでは飽き足らず、博多山笠の真っただ中、「櫛田神社」周辺での単独前夜祭も満喫した。今日の写真のほとんどがその時のものであるが、ズラリと並んだ博多山笠、そのあたりの普通の餃子屋さんで、餃子をワシワシ平らげた。
しかし博多の熱い日から一転、冒頭でも書いたが今ワタクシは雨の金沢にいる。暑さと熱さに心も肉体も慣れてしまうと、こうして少し雨が降って穏やかな空を眺めただけで、少し寂しくなるものだ。
この雨が、夕暮れに梅雨末期の豪雨になったりして「欠席者が出たりしたらイヤだな」、気の弱い今井君は、今それだけが心配なのである。
1E(Cd) Luther Vandross:I KNOW
2E(Cd) Luther Vandross:ANY LOVE
3E(Cd) Larry Carlton:FINGERPRINTS
4E(Cd) Larry Carlton:DEEP INTO IT
5E(Cd) Four Play:FOUR PLAY
total m20 y394 dd29176