Mon 240701 今日から7月/多忙だった6月/新メガネ絶好調/難波「ぶどう亭」 4544回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 240701 今日から7月/多忙だった6月/新メガネ絶好調/難波「ぶどう亭」 4544回

 昨日6月30日の夕暮れ、ヒコーキで大阪から帰還した。今回の旅の大阪は、仕事とは全く無関係。国立文楽劇場で「素浄瑠璃」を堪能してきた。詳細は次回の記事で。

 

 大阪は午後から雨、帰ってきた羽田空港も雨、新宿も雨、オウチの周辺も雨だった。今朝の東京は、天気予報ではそんなに雨は降らないはずだったのに、午前6時から7時ぐらいにかけて、びっくりするぐらい雨脚が強くなった。

 

 というわけで、今日から7月である。もっとも、「今日から7月」と言ったって、それでウキウキ&ワクワク狂喜乱舞している人はそんなに多くないだろうし、逆に「今日から7月か」と肩を落とし、悲嘆にくれてメソメソ泣き出し、絶望の淵に追い込まれている人というのも、やっぱりかなりの希少価値なんじゃないか。

(6月20日、銀座松屋の「宮川本」で鰻重をいただく。銀座で何か大切な買い物をした後は、必ずこの店に立ち寄る)

 

 これが「今日から4月」「今日から9月」というなら、ウキウキ&ワクワクやら、しょんぼり&メソメソやら、そういうのも珍しくないはずだ。「今日から新学期!!」「いよいよ新社会人!!」「もうすぐ入学式♡」その他、4月や9月はマコトに晴れがましい門出か、厳しい試練の月日の始まりか、どちらにしても7月とはインパクトが違う。

 

「今日から6月」なら、まだ晴れがましさも感じられる。「今日から夏服」であり「今日からクールビズ」なのであって、暑苦しい選挙戦真っただ中の現東京都知事だって、ふと自らの業績を1つか2つ自慢したくなり、学歴疑惑云々をほじくり返すマスコミ諸君に、例の視線をギュッと鋭く光らせるだろう。

(銀座松屋「宮川本廛」の鰻重。今のダレスバッグを買った時も、今の冬コートを買った時も、帰りにはこの鰻重をいただいた)

 

 しかし諸君、マコトに残念なことに「今日から7月」、何にも晴れがましいことが見当たらない。「今日から7月、何がめでたい?」であって、「90歳、何がめでたい?」と不思議そうに首を傾げる高齢者がいるのと同じことである。

 

 何しろ中高生諸君は、7月になればさっそく期末テストが待ち受けている。7月の第1週、こんなにイヤらしい雨の降る月曜日から、憎っくき期末テストで早速イジメられなきゃいけない。

(鰻重のおとも、冷たい日本酒を2合。たいへんオイシューございました。未成年の飲酒は絶対厳禁ですぞ)

 

 大学生の頃の今井君なら、こんな雨の日に「前期試験」なんてのがあったら、間違いなくサボっていた。サボって単位を落として、それで就職試験やら就職活動やらに著しく不利になりそうでも、蒸し暑い7月1日の雨風の中を前期試験を受けに行くなんて、絶対にイヤだった。

 

 だから実際、何度か千葉県松戸のアパートの一室にこもって、前期試験をサボったことがある。それで何かをするわけでもなくて、馴染みの文庫本をパラパラめくり直すとか、冷蔵庫のキャベツとキュウリで怪しいサラダを作って貪るとか、その程度の1日を過ごすだけなのだが、これが信じ難いほど幸福だった。

(6月26日、ワタクシの誕生日は「銀座デリー」のカシミールカレー。これもすっかり定番だ)

 

 蒸し暑い雨の中をトボトボ前期試験なんか受けに行って、そんなツラく惨めなことを繰り返して成績表に「優」やら「特A」やらをズラリと並べ、そういう成績表ばかり重視する大企業に就職したって、どうせ将来いいことはなさそうな気がした。

 

 だって諸君、その種の「雨にも負けズ&風にも負けズ」タイプの成績表を入社時点で重視すると言ふことは、そういう人事評価ないし人事査定が、そのまま40歳になっても50歳になっても60歳になっても、延々と続くということじゃないか。

(6月26日、誕生日を祝う一杯は、冷たいマハラジャビール。いやはやオイシューございました。未成年の飲酒は絶対厳禁ですぞ)

 

 そこで若き今井君は、雨には負け、風にも負け、あらゆる誘惑に負けて、それでもいつの間にか勝ち残っている、どういうわけか最後まで勝ち残っている、そういうタイプの生き方をしようと、暗く汚く狭いアパートの中でニタニタ笑っていた。

 

 いやもちろん、若い諸君にそんな危なっかしいマネをしてほしいのではない。しかし雨が降ったと言っては怠け、風が吹いたと言っては怠け、蒸し暑いからズル休みする、それがつまり「風吹かば、すなわち倒る」というわけであって、このブログのタイトル通り、あれれ気が付けばこうしてチャンと生き残っている。

 

(6月26日、カレーの後は「銀座ライオン7丁目店」でブーツグラスの黒ビール。オイシューございました。未成年の飲酒は絶対厳禁ですぞ)

 

 まあ諸君、蒸し暑く考えたもうなよ。「期末テストがツラい」「期末テストがツラい」、そう言って生徒みんなで恨めしそうにセンセの顔を見上げるのであるが、その期末テストを生徒諸君に課すセンセたちだって、生徒に負けず劣らずツラいのだ。

 

 期末テストを実施するには、誰が何と言おうと「作問者」が必要だ。まさか市販の問題集やら大学入試の赤本から、黙って問題を拝借&失敬するわけにもいかないだろう。

 

 万が一「去年と同じ問題でいいじゃん」「2年前の問題を使おう」などということをやってしまえば、学校の周囲の塾の中には「定期テスト対策」と称して、まさにその「去年の問題」をコピーして生徒に配布するような塾も少なくない。たちまち生徒たちにバレちゃって、「これって去年と同じ問題ですよね」と指摘され、大恥をかくことになる。

(6月28日、おそらく3年ぶりで大阪難波「ぶどう亭」を訪問する)

 

 だから先生方は、土曜日も日曜日もみんな犠牲にして、作問に励むわけだ。日頃の授業で「いいか、大切なのは記憶とか暗記じゃないんだぞ」「論理的思考力や表現力を鍛えなきゃダメなんだ」とか演説をぶってしまった以上、記憶や暗記で解けるような問題はすべてNGなのだ。

 

 そこで日曜の夕暮れにヒト踏ん張り、週たった1回のビールさえ我慢して「暗記力ではなく、論理的思考力や表現力を試す問題」みたいなのを作成してみる。いかにもライターさんたちが「花まる先生の優れた問題」と褒め称えてくれそうな問題を、夜明け近くまでかかって、ほうほうのていで作り上げる。

 

 しかしその期末テスト、実際にやってみると生徒の評判がすこぶる悪かったりする。「こんなの、習っていない」「むずかしすぎる」「授業範囲や試験範囲と全然違ってる」。実は生徒諸君が求めた期末テストは、昔ながらの暗記で解ける平易な問題がズラリ、ライター諸君がこぞって悪口雑言 → 徹底的に批判する類いの記憶力テストだったりする。

(難波「ぶどう亭」のショーケースにズラリと並んだセットメニューから「Dセット」を選択。ハンバーグとカニクリームコロッケと、巨大エビフライと一口ヒレカツ3個の大量セット。しつこいようですが、未成年の飲酒は厳禁ですぞ)

 

 ついでに言えば、試験の後には「採点の苦しみ」なんてのも続くのである。「教えていない内容で生徒を苦しめたい」「バツをつけるのが楽しくて楽しくて仕方がない」などという恐ろしいセンセは、すでに絶滅危惧種。無慈悲な採点ほどツラいことは少ない。

 

 ちゃんと教えたこと、授業でしっかり理解してもらったことを出題し、できれば平均点70点か80点をとらせて、「どうだった?今回の期末テスト?」という質問に、生徒みんなが「まあまあでした」とニッコリ、それが楽しい学校というものじゃないか。

 

 いわゆる「思考力と表現力を試す良問」を練り上げて、「生徒の数だけ答えがあるはずだ」とか、ライターさんたちにスリスリ擦り寄るような姿勢で作問や採点にあたれば、当然「採点の苦しみ」にブチあたる。

 

「生徒の数だけ答えがある」「正解なんかないはずだ!!」と強がってしまったら、1枚の答案の採点にいったいどのぐらいの時間がかかると思います?

 

  ひと晩かふた晩で、例えば担当3クラス × 40人、合計120枚もの採点が出来るとでもお思いか? 「採点なんか不可能だ!!」「一人一人の生徒を点数で判断するんですか!?」という高い岩壁にぶつかることは目に見えている。

(大阪難波「ぶどう亭」、Dセット近景。オイシューございました)

 

 ま、7月とはそういう月である。大ベテラン今井としては、生徒諸君も自分自身の手綱を巧みにさばき、予備校の無理な要求や、塾の過剰な宿題に負けて、心や身体を絶対に壊さないように、自負心&自尊心をうまく操縦して、この1か月を乗り切っていただきたい。

 

 若い講師の先生方も、同じことだ。マスメディアのライターさんたちに乗せられて思わず大言壮語、生徒の前で大演説をぶって大見得を切る、そういう授業は決して長続きしない。教えるべきことを徹底的に分かりやすく教える、基礎徹底&基本徹底を心がけるべきなのは、むしろわれわれ講師のほうなのだと信じる。

(6月28日、羽田空港スイートラウンジにて。定番カバンに定番ボーシ、手前が6月20日から使用開始の新メガネ)

 

 さて、かく言うワタクシにとって、2024年の6月はマコトに長い1ヶ月だった。初旬の前半には、満開のハナショウブを眺めに京都に短い旅をした。旅から帰った3日後の6月6日には、左目の大きな手術を受け、その日からの5日間は、一応「絶対安静」の日々を過ごした。

 

 安静が明けた12日からは14日にかけては、大阪に出張。12日夕暮れには大阪南部「和泉中央」で、13日夕暮れには大阪北部の茨木市で、それぞれ公開授業を行なった。

 

 大阪から帰って19日、東京世田谷の用賀で公開授業。その頃には左目の視力も戻って、それ以前に作ってあった新しいメガネの使用を始めた。銀座というか有楽町というか、「奥路地」と呼ばれる地下街のメガネ屋「さばえめがね館」のオジサマが、マコトに丁寧にメガネを作ってくれた。

 

「バランサー」というのである。下の写真に写っているように、メガネのツルの一番後方に、小さなオモリがついている。このオモリがヤジロベエの働きをしてバランスをとり、メガネを後方に倒そうとするから、お陰でメガネが鼻の上に落ちてくることがない。

(新メガネ「バランサー」。ツルの端っこのオモリがバランスをとって、メガネが鼻からズリ落ちない仕掛けになっている)

 

 ずり落ちないメガネというのは、メガネを使っている人ならきっと誰でも夢見る仕掛けである。1分に1回、いや30秒に1回、メガネをクイっと引っ張り上げなきゃいけないんじゃ、授業にもスポーツにも仕事にも差し支える。

 

 バランサーがついているから、このメガネを使うようになって以来、公開授業がマコトに快適だ。授業中、「クイッ」をやるのは90分にホンの2回か3回で済む。

 

 もちろんマンガの中なんかで、カッコいい女性の教師や医師や弁護士が、ふとメガネを「クイッ」とやって目をキラリと光らせるシーン、そういうのはホントに魅力的に描かれているが、それはそれでマンガの中の話。「クイッ」の頻度が下がれば、そのぶん集中力はどんどん上がっていく、それが真実なんじゃあるまいか。

 

1E(Rc) Rozhdestvensky & Moscow Radio:BARTOK/DER WUNDERBARE MANDARIN  & TWO RHAPSODIES FOR VIOLIN & ORCHESTRA

2E(Rc) Darati & Detroit:STRAVINSKY/THE RITE OF SPRING

3E(Rc) Solti & Chicago:R.STRAUSS/DON JUAN ・ ALSO SPRACH ZARATHUSTRA・TILL EULENSPIEGEL’S MERRY PRANKS

4E(Rc) Solti & Chicago:DEBUSSY/LA MER・PRÉLUDE A L’APRE MIDI D’UN FAUNE & RAVEL/BOLERO

5E(Rc) Bernstein & New York:/SHOSTAKOVITCH SYMPHONY No.5

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