Sun 240407 またまた憂鬱な4月7日/お花見満喫の日々/京都城南宮の七草がゆ 4513回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 240407 またまた憂鬱な4月7日/お花見満喫の日々/京都城南宮の七草がゆ 4513回

 この数日の東京は、ひどく寒かった(らしい)。一昨日なんか、最高気温が13℃しかなかった(らしい)。いちおう桜は満開になったと発表されたけれども、実際にお花見に出掛けてみると、ナタネ梅雨の冷たい雨に、多くの花びらは縮こまって、まだツボミのほうが目立つぐらいだった。

 

 なぜカッコ付きの(らしい)を連発しているかと言うに、ワタクシはこのところまたまた京都&大阪に入り浸って、満開の桜と文楽4月公演を満喫しているのである。

(4月3日、冷たい雨の東京・千鳥ヶ淵。桜は2分咲き、カラスどんも寒そうに震えていた)

 

 一昨日も昨日も関西はそれこそ「ポカポカ陽気」で、コートどころか上着もベストも不要、というかワイシャツ1枚で歩いていてもビッショリ大汗をかく始末。東京から来る新幹線の乗客が、分厚い冬のコートやらダウンジャケットで完全武装しているのを眺めると、いやはや大きな違和感があった。

 

 それと言うのも、NHKニュースの天気予報があまりにも東京中心だからなんじゃあるまいか。京都&大阪で最高気温が25℃近くまで上昇しているのに、メインキャスターがお天気お姉さまにいきなり「今日は寒かったですねえ」「冬みたいでしたねえ」と語りかけるのだ。

(4月3日、東京・国立劇場前の桜は、雨の中でほぼ満開。国立劇場の取り壊しはまだ始まっていない)

 

 そう話しかけられて、まさか「いいえ、そんなことはありません」と反論するわけにもいかないだろうから、「はい、冬のコートが手放せませんでした」とニッコリ、あとは「なぜ東京が寒かったか」の解説に入る。

 

 しかし、少なくとも西日本で生活している人々にとっては、「寒かったですねえ」には違和感がありすぎ、続いて「なぜ東京が寒かったか」には、正直言って何の興味も関心もない。むしろ「なぜこんなに気温が上昇したのか」の解説がほしい。

     (4月4日、京都・嵯峨清涼寺の枝垂れ桜)

 

 朝のNHKのニュース番組なんかでも、「今朝の東京渋谷、様子はどうでしょう?」の問いかけに、天気予報士のおねーさまがニッコリ、その日の通勤向けの服装で登場して「寒いですね」「暑いですね」「汗ばむ陽気です」みたいに「東京・渋谷」の説明に努めてくれるのだが、「何でそんなに渋谷なの?」の違和感を感じるばかりである。

 

 ここはむしろ、全国各地を中継して、沖縄から15秒、博多から15秒、広島から15秒、京都大阪から15秒、金沢か新潟から15秒、札幌から15秒、それで合計1分30秒、そういうお天気生中継がいいんじゃないか。各地方局に配属されたばかりの新人アナ、23歳や24歳の初の晴れ舞台にもなるじゃないか。

(4月6日、大阪・天満橋から川崎橋あたりの桜も満開。暑いぐらいの陽気だった)

 

 まあ諸君、こうして2024年度の第1週が過ぎた。どこの会社でも、新人諸君は昨日と今日が初の週末で、「明日からまた仕事かぁ」と溜め息をつき続ける1日。さぞかし今日は憂鬱で、午後から夕暮れにかけて次第に憂鬱の度は増し、笑点とかちびまるこちゃんとかサザエさんの時間帯には、その憂鬱が頂点に至る。

 

 やがてNHKなら大河ドラマが始まって、紫式部の若い頃なんか見せられてもう泣きそうになり、「自分も作家になって自由な人生を生きたい」「とにかく仕事に行きたくない」とメソメソ、中には「予備校講師にでもなれば、自由に生きられそうだ」「だって今井なんかも、あんなに楽しそうじゃないか」と呟く人もいるだろう。

(4月4日、京都・円山公園の枝垂れ桜。すでに満開を過ぎていた)

 

 何を隠そう今井君も、かつてはそういう新入社員だったのである。4月の第1週は、ほぼ毎日泣きながら過ごしたようなものだった。「作家になって自由に」の方にはほとんど現実味がなかったが、「予備校講師になって好き勝手に」なんてのは、それなりにすぐ現実にできそうな気がした。

 

 というわけで、この時期には必ず、15年も前に書いた記事へのアクセス数が急激に伸びる。「なぜ予備校講師になったか」というタイトルの記事に、ずいぶんアクセスがあって、「おお新人諸君、みんな毎日メソメソしてるな?」と気づかされるのである。

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 1)

 

 特に、「配属が希望通りにならなかった」というショックは計り知れない。「東京本社でエリートとして働くぞ」「海外に派遣されて英語力を活かそう」とニコニコ、就職活動がうまくいって大威張りだった頃は、夢と希望でいっぱいだった。

 

 それなのに配属先は、希望していた東京本社を遠く離れ、英語力なんか何の関係もない部署。「今日の東京は、寒かったですねえ」というニュースキャスターの一言に、最も傷つくのはそういう人々だ。その辺は大学1年生でも同じことなんじゃないか。ま、出来れば天気リポートだけでも、そのぐらいの気遣いはほしいのである。

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 2)

 

 さて満開の桜であるが、この3日間のワタクシまず京都の桜を堪能。天龍寺 → 二尊院 → 大覚寺大澤池  →  円山公園 → 京都御所 → 本満寺と回って、鴨川べりの桜を出町柳から四条まで散策した。

 

 昨日は「大阪の桜もいいな」と考えて、天満橋から川崎橋あたり、ついでに「造幣局の通り抜け」も満喫した。詳細は、1ヶ月ぐらい先のこのブログに書こうと思う。いやはや今年の桜、咲き遅れたぶん「満を持して一気に満開」という風情、どこもマコトに美しかった。

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 3)

 

 しかし諸君、オーバーツーリズムは深刻だ。それこそ「東京・浅草の様子はどうですか?」であるが、浅草ではもう日本語なんかちっとも聞こえない。アジア全域から人がどっと押し寄せて、世界中の言語が渦巻く中、日本人は外国語の渦の中を右往左往するばかりである。

 

 京都・円山公園もたいへんだった。ここもまたアジア全域の言語が渦巻き、英語でさえすでに少数派。着物やら女子高生的コスチュームやらのアジア女子を、高級カメラを構えたアジア男子集団が取り巻いて、桜の下を独占して動かない。ここでもまた、かつての世界言語♡英語さえ、出る幕はそんなに多くないようだ。

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 4)

 

 するとワタクシはふと、2月11日の七草がゆのことを懐かしく思い出すのである。七草がゆは新暦なら1月7日であるが、京都・城南宮では旧暦に合わせて2月11日に七草がゆをいただける。

 

 今年の2月は、「暖かい」を越えて暑いぐらいだったから、もう枝垂れ梅も咲き始めた2月11日の城南宮には、薄着の人も多かった。 

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 5)

 

 もちろん七草は、旧暦でも変わらない。「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、これぞ七草」であって、青々と育った七草を眺めると、それだけで嬉しくなる。

 

 七草がゆが振る舞われる会場には、京都のおじいちゃんの優しい声で、同じ詩句が繰り返し繰り返し延々と流れている。

 

  唐土の鳥が

  日本の土地に

  渡らぬ先に

  七草なずな

  テッテッ、テロロロロロロ

  テッテッ、テロロロロロロ

 

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 6)

 

 外国の鳥たちが日本の土地に大挙して渡って来ないうちに、七草&なずな、おかゆをたくさん食べておきなさい、京都のおじーちゃんは孫たちにそう諭すのである。

 

 4月、今や日本中がオーバーツーリズムの真っただ中。山口も、青森も、外国の人々がわーっと押し寄せて、嬉しいやらびっくりするやら、「こりゃたいへんだ、もっと七草、ちゃんと食べておくんだった」であるが、もう遅い、もう七草がゆの日から2ヶ月も経過している。

  (2月11日、京都・城南宮で七草がゆをいただく 7)

 

 まあ諸君、だからこそ「もう遅い」という事態にならないうちに、ちゃんと七草を食べておきなさい、ちゃんと諸準備を整えておきなさい、そういうことである。

 

 それは新入生としても新入社員としても同じこと、日頃からメシをたくさん食べて、いろんな勉強もキチンと続けて、気力体力を充実させておきなさい、さすが昔のおじーちゃんたちは、優しくも厳しいアドバイスを、日々忘れることはなかったのである。

 

1E(Cd) Lazarev & Bolshoi:KHACHATURIAN/ORCHESTRAL WORKS

2E(Cd) Sinopoli・Jarvi・Pletnev:RUSSIAN FAMOUS ORCHESTRAL WORKS

3E(Cd) Minin & The State Moscow Chamber Choir:RUSSIAN FOLK SONGS

4E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 1/3

5E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 2/3

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