Fri 240322 春の東奔西走を完了/2月3日、廬山寺の鬼法楽/自分も鬼でいたい 4506回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 240322 春の東奔西走を完了/2月3日、廬山寺の鬼法楽/自分も鬼でいたい 4506回

 ようやく東京に帰ってきた。2月&3月のオデュッセイアは、ようやく完了した。3月下旬はいつものことだが、正直言ってヘトヘトだ。もう声が出ない。声が出なくなったのは、3月15日の京都での大奮闘の直後。同志社大学の大教室で張り切りすぎて100分、声を張り上げ続けたのが原因だ。

 

 しかしそこからもまだ、全国行脚の大奮闘は続いたのである。3月17日、山口、出席者130名。すでに我がノドは限界を超え、「ハスキー」などという形容が非常識に思えるほどのガラガラ声で90分、60行を超える難関国公立大学の長文問題を、見事に解説しきったのである。

差替1

  (ぼくの大好きな赤鬼。2月3日、京都・廬山寺にて)

 

 久しぶりの東京に帰還したのは3月18日。ガラガラに涸れきったノドの調子は戻らなかったが、それでも3月20日には首都圏で2つの講演会が待っていた。午前10時から横浜、出席者140名。扱った教材は東京大学の長文問題、約100行。我がノドはほぼ限界に近づいていたが、それでも100分、ワタクシは見事に語り尽くした。

 

 万が一何かの感染症だといけないから、ずっと体温を測っていた。20日、朝の体温は35.8℃。声が涸れた17日朝から体温を確認しつづけているが、平熱の36. 0℃から全く変化がない。

 

  咳も全く出ないし、体調に異変もない。こんな体温が低いんじゃ、明らかにコロナでも普通の風邪でもないし、ましてやインフルやでも麻疹でもない。ただひたすら喉がガラガラ、3月初旬からのノドの酷使がたたって、今井君独特のあの美声♡が出ないだけである。

差替2

  (ぼくの大好きな青鬼。2月3日、京都・廬山寺にて)

 

 18日昼、無事に講演の済んだ横浜から、東京湾を時計回りに半周して約2時間、一気に千葉県の「海浜幕張」へ。横浜駅では「今井先生ですか?」の青年と出会い、「横浜でお世話になり、九州大学法学部を卒業して、就職でこっちに戻ってきました」と挨拶されて、一緒に写真に収まった。

 

 強風の吹き荒れた1日、海浜幕張は暴風に雷雨も混じった。夕暮れ17時半から19時すぎまで、ここでもまた東京大学の長文読解問題を使い、100分の大熱演。新高1生とその保護者を相手に、マコトに見事に東大の問題を100%理解させてみせた。

 

 これを締めくくりに、2024年の早春オデュッセイアが完了。激烈な東奔西走の全国行脚は、今回もまたまた大成功の連続、ラストの3回 山口・横浜・海浜幕張は、ノドから鮮血でも噴き出しそうな壮絶な公開授業になったが、ノド以外の全♡肉体は全て健康そのもの、授業をすればするほど、今井君はますます頑健な肉体を取り戻すのである。

  (ぼくの大好きな黒鬼。2月3日、京都・廬山寺にて)

 

 3月の東奔西走、ホントに楽しかった。淡路島にも行ったし、京都では伏見の酒蔵を巡った。金沢ではブリの寿司を堪能し、名古屋では古い市場の居酒屋が楽しかった。博多では「テムジン」の餃子で腹一杯になったし、沖縄では昭和中期の「社交街」で居酒屋料理を満喫した。

 

 沖縄から戻った京都ではカレーうどんが旨かったし、京都から奈良まで南下して桜井の大神神社に参拝し、三輪素麺を啜った後は、東大寺お水取りのクライマックス「お松明」に陶然とした。さらに広島へ、暖冬だった今年の生牡蠣はちょっと心配だったので10個までにとどめ、その代わりに「電光石火」の巨大お好み焼きを貪った。

 

 そのへんの詳しいことは、4月から5月のこのブログにしみじみ記録していくことするが、とにかくワタクシはこうして3月の全国行脚の見事にクリアし、こうして東京に帰ってきた。「さて、この春は何をしようか?」と舌なめずりするうちに、あっという間に昨日は過ぎた。4日もブログを怠けてしまい、マコトに申し訳なかった。

 

  (ぼくの大好きな赤鬼。2月3日、京都・廬山寺にて 2)

 

 さて今日の写真は、2月3日、京都・廬山寺の「鬼法楽」でのものである。「鬼おどり」ともいう。赤・青・黒の3匹の鬼が、仏法の世界に乱入して大暴れ、仏法の世界を大混乱に陥れ、しかしやがてホトケ様や日本の神様たちや賢いお坊様たちの正しく力強い逆襲にあって、たまらず退散していくストーリーである。

 

 一昨年の2022年2月3日、今井君は生まれて初めて廬山寺の鬼法楽を見物。まさにコロナの真っただ中であって、デルタ株だのオミクロン株だの、マコトに困った鬼どもが世界中を大混乱に陥れていた頃であって、「そもそも開催するかどうか」さえ、深刻な顔で議論されていた年であった。

差替4

(3匹の鬼の乱舞。廬山寺・鬼踊りはクライマックスを迎える 1)

 

 だから2022年は観光客もまばら。鬼法楽が始まる時刻の直前にノコノコ廬山寺に到着した今井君であったが、それでも前から3列目ぐらいで、鬼たちの跋扈する勇姿を眺めることができた。

 

 2年前の今井君の勇姿は、京都新聞のサイトに動画で思い切り掲載されていた。里芋というかムカゴというか、何だか模範的な楕円球の後頭部が、「楕円球とはこういうものだ」というデモンストレーションのように、鬼たちのこちら側で微妙に蠢いていたものである。

 

 あれから2年が経過、2024年の廬山寺は、間違いなく大混雑が予想された。だって諸君、今やNHKは「何が何でも紫式部♡」であり「何が何でも『光る君へ』♡」である。一昨日そのNHKのEテレを眺めていたら、何と「おじゃる丸と光る君へのコラボ」をやっていた。

差替3

(3匹の鬼の乱舞。廬山寺・鬼踊りはクライマックスを迎える 2)

 

「光る君へ」と言われると、今のワタクシは一瞬ではあるが自らの後頭部が気になるのである。ブログに掲載する公開授業の写真を眺めると、おお、何だか後頭部の髪の毛が丸く薄くなって見えることがある。

 

 むかしむかし小2か小3の頃の今井君は、我が父上に「エダツノカモシカ」とニックネームをつけて呼んでいたことがある。エダツノカモシカは、お尻の部分だけ体毛が真っ白で、それが太陽の光を反射してピカピカ光る。その光が仲間たちに「危険が迫っている」「猛獣が接近している」と知らせるのである。

 

 我が父上は40歳代の中盤から後頭部に抜け毛が目立ち、エダツノカモシカのお尻みたいにピカピカ&テカテカ光り始めていた。さぞかしストレスの多い日々を過ごしていたんだろうと思うが、この今井君の存在もまた父上のストレスの元になっていたに違いない。

(仏法&神道サイドの正統派が、まもなく鬼たちを追放する 1)

 

 いやはや「閑話休題」もいいところだが、ワタクシ自身もあの頃のバチがあたったのか、今や(公開授業の写真を眺める限りでは)後頭部の毛ッケが薄くなりつつあるようである。あんまり気軽に「光る君へ」「光る君へ」などと連呼してほしくない。

 

 しかしまあ、とにかく今や廬山寺でも石山寺でも「紫式部!!」と一声叫べばナンボでも観光客が集まる時世であるから、2月3日の廬山寺はたいへんな人出になり、鬼たちが登場する午後2時半ごろには、もう寺の境内に足を踏み込むこともできない有様になった。

(仏法&神道サイドの正統派が、まもなく鬼たちを追放する 2)

 

 かく言うワタクシは、何と午後0時15分にはもう鬼たちがのし歩く言わばキャットウォークの最前列に陣取った。2年前には「3列目」という中途半端なシチュエーションで、目の前のダンナのデカい頭に視界を遮られて苦い目に遭ったから。「今回こそは」という強い信念のもと、2時間半近い待ち時間に耐え忍んだわけである。

 

 中には、これほどぎゅーぎゅーに詰め込まれた大観衆の真っただ中で、いきなり「我が子を肩車する」というパパたちが数人いらっしゃる。1時間も2時間も立って並んで、鬼の登場の直前になっていきなり目の前で「コドモを肩車」というパパが出現すると、目の前もお先も真っ暗、何しろコドモのことだから、文句を言うのも憚られる。不運というしかない。

  (ぼくの大好きな赤鬼。2月3日、京都・廬山寺にて 3)

 

 しかしとにかく今年のワタクシは鬼たちのキャットウォークの真ん前だ。肩車パパにも邪魔されないし、カメラおやじたちの三脚やセルフィーに邪魔される心配もない。大好きな赤鬼・青鬼・黒鬼、3匹の登場を、それこそ真っ赤になって待ち受けた。

 

 思えば予備校講師としてのこの30年、今井君はまさにこの鬼たちのように生きてきた。タイマツやら棍棒やら大槌を振り回して、静かな予備校英語の世界に乱入、世界を思いきり掻き乱し混乱させては、「正統派」を名乗る偉い先生方に追い払われて遁走する、そういうヒール役を続けてきた。

 

 1990年代、予備校の英語教育界は徹底した「構文主義」が支配。有力私大を中心に超長文化傾向が顕著になり、「時間をかけてじっくり和訳」という授業では明らかに時代遅れと思われる中、今井君がいた駿台予備学校では「50分で10行程度を和訳」の構文主義が支配的。「こりゃ鬼が登場して時代を変えるしかないな」と考えた。

   (鬼たちの退散。正統派には、とても敵わない 1)

 

 そこで赤鬼イマイは「速読」というタイマツを掲げて予備校世界に乱入、特設単科講座「English Farm」はどの校舎でも満席で、英字新聞の社説1本を100分で「速読」する講座は大人気となった。しかし諸君、いつのまにか世論は「そんな読解法、受験では危険だよな」という方向に傾いた。赤鬼は、退散を余儀なくされた。

 

 1990年代終盤から2000年代前半にかけて、今井君が移籍した代々木ゼミナールでは、駿台に輪をかけたようなゆっくりした授業が「正統派」。「5文型が分かれば英語は読める」「とにかく1文1文しっかり訳すんだ」「とにかくS・V・O・Cに分析して、正確に読むんだ」「それ以外は全て邪道だ」と、そういう世論が支配的だった。

   (鬼たちの退散。正統派には、とても敵わない 2)

 

 そこで青鬼イマイは、パラグラフリーディングという名の棍棒を武器に、「いわゆる正統派」の牙城に乱入。最初の1年、2年、3年目ぐらいまでは大好評を博し、「こりゃこのまま青鬼さんの天下になるのかい?」と思わせる勢いさえあった。

 

 しかし諸君、正統派の逆襲は恐ろしい。ツノツノ1本青鬼さんなんかがどんなに歯ギシリしても、お坊様や神様ホトケ様が連合した正規軍には、絶対に敵わない。こりゃいかん、こりゃかなわん、逃げ出さなきゃ。みんなわらわら、いつの間にかみんなSVOCの世界に逃げていっちゃった。

差替5

   (鬼たちの退散。正統派には、とても敵わない 3)

 

 そうしているうちに、イマイ鬼さんもすっかり大ベテランになり、ほぼ大御所になりきって、気持ちもすっかり落ち着いた。ふと気がついてみると、鬼さんの人気はなかなかのものであり、かつてヒール役を演じさせられたのが嘘のように、日本中どこでもホントに嬉しそうに「お世話になりました」と熱い熱い挨拶を受ける。

 

 実はヒール役というもの、正統派の誰よりも、比較にならないほど人気が高いのだ。諸君、2枚目役なんてのは、つまらんのだよ。本物のヒーローは、あくまでタイマツの赤鬼であり、ゴツい棍棒の青鬼であり、いま今井が一番気に入っている大槌を振りおろす黒鬼さんなのだ。

 

 その証拠が、鬼さんたちによる加持祈祷に押し寄せる民衆の姿である。神やホトケの法力で退治されたはずの鬼さんたちが、ポカポカ暖かい午後の日差しを受けた寺の縁側に腰掛けると、いろんな病気を抱えた民衆が鬼の前にオズオズと進み出る。

   (深く愛され続ける鬼たち。静かに来年の春を待つ)


 すると諸君、鬼たちは手にした刀やら棍棒やらで、人々の病んだ部分を優しく撫で回す。鬼に撫でて貰えば、その部分の病が平癒すると人々は信じるのである。

 

 2枚目しか演じられない役者には、そんな法力は望めないし、治癒力も期待できない。見事にヒール役を演じきった鬼たちだからこそ、病気も平癒し、もし望むなら、学力だってつけてあげられる。

 

 今さらながら大ベテラン今井は、3番手ぐらいの黒鬼として大槌を振り回し、大暴れしたそのあとは、しっかり受験生諸君の頭脳を撫で回してあげたいのである。

 

「頭脳を撫で回す」とは、それはもちろん今井の強烈な授業のことであって、喋りすぎ&盛り上がりすぎて声も涸れるほどの全国行脚とは、要するにそういうこ日々のとである。

 

1E(Cd) Bernstein & New York:BIZET/SYMPHONY No.1 & OFFENBACH/GAÎTÉ PARISIENNE

2E(Cd) Wigglesworth & Netherland radio:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.4

3E(Cd) Mravinsky & Leningrad:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.5

6D(DPl) 文楽:妹背山婦女庭訓③「太宰館の段」豊竹英大夫 「妹山背山の段」竹本住大夫 豊竹嶋大夫 先代 竹本織大夫 先代豊竹呂大夫

total m42 y169  dd28951