Thu 240307 金沢にて/1月29日豊中の大盛況/1月30日堺の大盛況 4502回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 240307 金沢にて/1月29日豊中の大盛況/1月30日堺の大盛況 4502回

 いま金沢にいる。一昨日は神戸にいて、神戸から淡路島をほぼ縦断し、洲本の町まで行って日帰りで神戸に帰った。翌日は京都に姿を現し、伏見桃山あたりを闊歩したかと思うと、昨日の午後の特急「サンダーバード」で金沢にやってきた。あいかわらずの神出鬼没、自分で自分が今どこにいるのか、一瞬忘れることがある。

 

 この後のスケジュールもなかなか激しいので、このあと名古屋に移動し、岐阜県の山中を彷徨し、いきなり博多に移動、博多から佐世保に向かい、佐世保から博多に戻り、一気に沖縄に飛び、沖縄から大阪経由で京都で仕事をこなし、京都から広島に西進、昨年のサミット会場に宿泊して、山口で公開授業を実施する。

(1月29日、大阪・豊中で公開授業。京都大2022年の長文を教材とした 1)

 

 しかもその間を縫って首都圏に舞い戻り、横浜だの浦安だの、40年も住み慣れた首都圏を縦横無尽に闊歩する。いやはやこのスケジュールを暗記している自分に感動し&感激し、これだけ強烈な移動に適応して生きている限り、どうやら自分は「年老いる」という現象とは無縁の人生を送れそうだ。

 

 だから逆にワタクシ、「どうか今井に楽をさせないでほしい」と願うのである。楽なんかさせてもらったら、必然的に年老いる。誰かがワタクシに恨みを居抱いているとして、「あいつを年老いさせてやる」と妬み&熱望し、意地でもワタクシを老化させてやろうと思うのだったら、一番カンタンなの「楽をさせる」という方法である。

(1月29日、大阪・豊中で公開授業。京都大2022年の長文を教材とした 2)

 

 だから、もっともっと仕事をさせてくんろ。淡路島の日帰りだって悠々とこなす今井なのだ。ヒコーキと電車とタクシーがある限り、どんな街にでもすぐに出現し、たちまちのうちに次の街に移動する。すっと現れ、シュッと姿を消す。決して誰にも迷惑をかけない。しかも必ず生徒を増やしてから帰る。

 

 さて本日は3月7日である。忘れもしない中学3年生の3月7日、15歳のワタクシは高校入試の日を迎えていた。15歳の今井君が受験したのは、県立高校1校のみ。私立の「滑り止め」とか、そういう極めて失礼な言葉を遣うのは嫌だったから、万が一県立に落ちた場合の対処なんか、全く考えていなかった。

(1月29日、大阪・豊中で公開授業。京都大2022年の長文を教材とした 3)

 

 いま滞在中の石川県でも、やっぱり昨日今日は高校入試の日なのであって、地元紙「北國新聞」にも昨日の入試問題がデカデカと掲載されている。職業柄、思わず出題された長文問題に見入ってしまったのだが、うーん、出題にあたっていらっしゃる先生がた、かなりの年齢の先生方に違いない。

 

 と言うのは、例えば「英語のクオリティが古い」みたいな難しい話ではなくて、登場人物のお名前が古色蒼然としている、ただそれだけのことなのだ。

 

 しかし英語会話文の中に登場する男子の名前が「のぼる」「たかし」「まさと」、女子が「あきこ」。いやはや、そりゃまさに今井君ジェネレーションの出題者であるに違いなくて、小学校以来クラスの男子に「のぼる」「たかし」「まさと」が1人もいなかったであろう21世紀の中3生は、さぞかし唖然としたんじゃなかろうか。

 

 登場する外国人も、「マーク」。マーク・トウェインの小説を読み、マーク・レスターが大活躍する映画「小さな恋のメロディ」に夢中になって育った世代の先生が出題されているのかもしれないが、その世代、今井君よりもう1世代上の方々なのである。

       (大阪、四天王寺を散策する 1)

 

 それにしても、自分が15歳の頃の入試の日程なんかをいまだに記憶しているのは、なかなか驚くべきことである。3月7日が高校入試、3月14日が合格発表、16日が卒業式。あの頃の県立高校の合格発表は、驚いたことに民放テレビ(ABS秋田放送)で朝6時から行われるのであった。

 

 それも「どうせ合格しているに決まっているから」と、自分でも見る気がなかったし、父も母もいつも通り朝7時に起きてきて、合否を確かめることすらしない。地元新聞(秋田魁新報)の朝刊にも「県立高校合格者速報」が出ていて、それを見て確認すればいい、そういうスタンスなのであった。

       (大阪、四天王寺を散策する 2)

 

 で、合格していれば午前中に中学校に行って、職員室で担任の先生に挨拶する。不合格が判明すれば、午後から親と一緒に職員室に行って、担任と今後の対策を協議する。そういうタイムスケジュールが、事前にしっかり通知されていたのに、今井君はとうとう卒業式の日まで担任に挨拶にさえ行かなかった。

 

 というのも、高校入試の1週間前に、ワタクシはお目目の手術を受けたばかりなのだった。お目目と言っても実際のお目目ではなくて、お目目の上の瞼に「良性脂肪腫」というものが出来てしまい、要するに上の瞼の縁の大きな腫れ物を切除したのであるが、何しろ入試の日になっても眼帯が取れず、完全な片目での入試、結構しんどかった記憶がある。

 

 合格発表の日には、すでに眼帯は取れていたけれども、手術の傷跡は残っている。腫れたお目目をむき出しにして担任に挨拶に行くのは、何だか恥ずかしくてそのままにしていた。別に悪気があったわけではないのだ。

       (大阪、四天王寺を散策する 3)

 

 そういうふうに、当時流行の言い回しをつかえばいかにも「余裕のよっちゃん」の高校入試に見せかけていたのだったが、こうしてタイムスケジュールまで記憶しているんだから、当時はそれなりに緊張していたに違いない。

 

 思えば、大学受験生と言っても、高校入試からホンの2年か3年経過したぐらいの青年たちだ。日々ワタクシの目の前で授業なり講演なりに耳を傾けてくれる21世紀の生徒諸君だって、同じような緊張の真っただ中にいるに違いない。

 

 そう考えると、こうして目まぐるしい移動のさなかにいる今のワタクシも、もっともっと緊張感をもって日々の仕事に当たらなければならないはずじゃあーりませんか。やれ「単独祝勝会」だの、伏見桃山の酒蔵探訪だの、物見遊山系の話ばかりブログに書いているようじゃ、ホントはダメなのだ。

       (大阪、四天王寺を散策する 4)

 

 そこで本日は、久しぶりに公開授業のお写真をたくさん掲載することにした。最初の3枚は、1月29日・大阪府豊中での公開授業のもの。出席者、130名。この日の会場は大阪府内でも屈指の教育熱を誇る「北摂」地域のド真ん中であって、「京都大学や大阪大学を目指す受講生が大半です」と、スタッフから事前に報告を受けていた。

 

 そこでワタクシが準備した教材は、京都大学2022年の長文読解問題。わずか50行ほどの英文であるが、その中に「辞書に載っていない単語」が3つも含まれる。ウェブで検索しても出てこない単語もあった。

 

 もちろん京大で出題されてからはウェブに登場するようになったが、いやはやその単語が設問にも深く絡んでいるのだから、京都大というのは何とも恐ろしい設問を作ってくる。

(1月30日、大阪。堺で公開授業。難関国立大の長文を教材とした 1)

 

 下線部和訳の問題ばかりであっても、下線部だけ読んで何とかゴマかそうとすると、「あなたは下線部だけしか読んでいませんね?」と分かってしまうような、見事なシカケが仕掛けられていたりする。

 

 しかし講師の立場としては、こんなに授業のしがいのある問題は他に考えられないのであって、「ここを読み飛ばすと、こんなふうに引っかかります」「ここをこう誤読するとこういう間違いをおかします」「ここで横着すると、こんな誤答になります」と、いちいち笑いながら指摘していくのが何とも嬉しいのである。

 

 というわけで諸君、いろんな予備校が発表した「模範解答」やら、いろんな出版社から出ている解答例やら、そういうものも比較検討しながら授業を組み立てていく。徹底的にやりがいのある授業なのである。

(1月30日、大阪。堺で公開授業。難関国立大の長文を教材とした 2)

 

 1月30日は、同じ大阪府の堺で公開授業。出席者、160名。見渡すかぎり古代の古墳だらけの「中百舌鳥」という地域であるが、大阪メトロなら「なかもず」、南海電車なら「中百舌鳥」、発音の同じ駅が2つくっついていて、それなりにややこしい。どちらの駅でも同じことだが、この日は難波のスイスホテルに滞在していたので、ワタクシは南海・中百舌鳥駅で降りることにした。

 

「スイスホテル」と名前をかえてから、もうかなりの時間が経過した。20世紀までは、同じ建物の同じホテルで「南海サウスタワーホテル」と言った。まだワタクシが代々木ゼミナールの四天王をやっていた頃、代ゼミの大阪南校で授業があると、必ずその「南海サウスタワーホテル」に宿泊した。

 

 と言っても、大阪南校に定期的に出講していたのではなくて、夏期講習やら春期講習やらで臨時に、「ここはどうしても今井先生に、校舎を盛り上げてもらいたいんです」と依頼を受け、1日か2日間だけ特別授業を行うのである。90分授業を1日で5コマ、同じ生徒を相手に同じ教室で一気にやっちゃう、マコトに乱暴な企画なのだった。

(1月30日、大阪。堺で公開授業。難関国立大の長文を教材とした 3)

 

 生徒もたいへんだが、講師もたいへんだ。90分授業×5、同じメンツで朝9時から夕暮れ5時まで、1冊のテキストを一気に解説し終わる頃には、講師も生徒も完全にヘトヘト、南海サウスタワーホテルに帰り着く頃にはヘトヘトを取り越してベトベト、今でも思い出したくない疲労感であった。

 

 21世紀初頭の代ゼミは、そんな無理なことを日々繰り返していたのである。同じメンツで90分×5コマ、そういう無理筋な講習会を、ワタクシは岡山校でも博多校でも、京都校でも神戸校でも、広島校でも柏校でも企画してもらったが、2024年現在、博多校を除いてほとんど校舎が閉校になっちゃった。無理が祟ったとしか思えない。

 

(四天王寺の散策の帰り、天王寺の老舗居酒屋を訪問した)

 

 さて1月30日の大阪府堺での公開授業であるが、「大阪公立大を志望する生徒が多いので」というスタッフからの報告があり、難関ではあるが、京都大学より少しだけ入りやすい某国立大学の長文問題を教材に選んだ。

 

 かつて「西の一橋大」と呼ばれた大阪市立大学、同様に大阪のマジメな受験生たちがみんな憧れた大阪府立大学、この2つの名門の名前も、やっぱり時代の波の向こうに消えて行こうとしている。

 

 そんな中でも、今井だけは時代がナンボ変遷していっても、なぜか生き残るのである。なかなか、沈まない。なかなか、消えてなくならない。しぶといと言って、これほどしぶといヤツは滅多に見つかるものではない。

 

 なんでこんなにしぶといのか分からないが、この程度のルックスでも最後までこの世界に生き残る。今井とは、そういうヤツ のようである。

 

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