Tue 240213 旧暦のあけましておめでとう/白味噌雑煮/梅が咲いて、うめでとう 4493回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 240213 旧暦のあけましておめでとう/白味噌雑煮/梅が咲いて、うめでとう 4493回

 4日間もご無沙汰して申し訳なかった。2月2日から長い旅に出て、京都 → 金沢 → 大阪 → 京都、徹底的に仕事に励み、仕事のない日は徹底的に観光に励み、仕事のない夜は徹底的に居酒屋を巡って、最高に充実した10日間を過ごした。

 

 昨日20時、久しぶりにオウチに帰ってみると、いくら暖冬と言っても、10日の不在のうちに我が書斎は冷え冷え、床暖房も空調もストップしたまま2月の10日間を過ごせば、書斎クンは徹底的に冷え冷えであって、滅多なことでは温まりそうになかった。

(お正月(旧暦)らしく、めでたくお供え餅の写真から。ただし撮影は1月3日、大阪・国立文楽劇場にて)

 

 というわけで昨夜は何にもしないでオフトンにくるまり、ワタクシは今朝9時まで泥のように眠った。だって諸君、昨日13時にホテルをチェックアウトして以来、京都駅の居酒屋で昼の日本酒5合、新幹線の中でもまた日本酒を+α、それでもちっとも酔っ払った様子を見せないところが、酒豪サトイモのさすがの威厳であるが、実は諸君、すっかり酔っ払った。

 

 そうして今朝9時にむっくり起き上がり、40℃に設定したお風呂にじっくり90分浸かって、滝のように流れる汗はタオル1枚ぶん、これでワタクシは完全にリセットした。「さて、何をやってやろうか」と虎視眈々、いったい何をしでかすか、たいへん危険な楕円形と化している。

(これもまたお正月(旧暦)らしく、お雑煮の写真。ただし撮影は1月2日、京都・桂の名店「中村軒」にて)

 

 しかし考えてみれば、もう4日もブログを怠けている。ワタクシは楕円形ではあるが、何しろ怠けるのが大嫌い。仕事があればあるほど嬉しいし、まだ今の2倍でも3倍でも仕事に励めるが、いかんせんこれからしばらくは仕事がお休みだ。長大なブログを再開して、無聊をなぐさめるしかないようなのだ。

 

 そこで諸君、まずは新年あけましておめでとうございます(旧暦)。今年もよろしくお願い申し上げます(旧暦)。旧暦であろうが新暦であろうが、おめでたいものはどこまでもおめでたいので、「おめでとうございます」を連呼するのに遠慮はいらないのである。

(京都・桂「中村軒」でお雑煮の後に「かぜしらず」をいただく。その熱さに一驚を喫する 1)

 

 これだけ濃厚な密度で近畿圏に滞在すると、京都・大阪・神戸のお祭り好きにはホトホト感心する。1月1日にお正月を迎えたばかりのはずなのに、110日にはもう「十日エビス」で、祇園・今宮・西宮、エビスさんの街はみんな、お正月を凌ぐほどの賑わいになる。

 

 その20日後、2月3日の節分には、京都の町中がマコトに華やかなお祭り気分に満たされる。そこいら中の神社でもお寺でも、豪勢な豆まきに鬼踊りに狂言、京都大学の正門前にも数えきれないほどの露店が並んで、すぐそばの吉田神社で鬼が金棒を振り回して大暴れする。

 

 そうかと思えば、2月10日には京都大原三千院で大根焚きのお振舞い、11日には城南宮で七草粥、12日には伏見稲荷の「初午大祭」、どのお祭りにも華やかに着飾った人々が溢れてマコトに楽しそう。関西の人が「東京、ショボイで」「関東、ショボイなあ」と溜め息をつく気持ちがよく分かる。

(京都・桂「中村軒」でお雑煮の後に「かぜしらず」をいただく。その熱さに一驚を喫する 2)

 

 というわけで、今井君も仕事の合間&合間に連日連夜のお祭り気分。こりゃとても、東京に帰るに帰れない。

 

 むかしむかし、「木綿のハンカチーフ」のダメ男子は彼女を故郷の町に放置し、「ぼくは旅立つ、東へと向かう列車で」と東京に向かったまま「ぼくは、ぼくは ああ、帰れない」とバカなことを言ったものだが、近畿圏に旅立った西向くサムライ今井君は、毎日愉快にお祭り気分、やっぱり「ボクも、ボクも、帰れない」と慨嘆するのである。

 

 しかし諸君、今井君は責任ある立場だ。仕事もないのに大阪や京都に入り浸り、屋台や露天や居酒屋のカウンターで「ボクもボクも帰れない」と浮かれているようじゃ、「立派な社会人失格」の烙印を押されてしまう。212日、「帰りたくないよ」と寂しく呟きながら、気がつけば東京駅のホームに降り立っていた。

   (1月2日、京都・桂の名店「中村軒」を訪問する)

 

 ただし諸君、ワタクシはお酒を飲んでも決して乱れたりしない模範的オトナであるが、最近のサラリーマン諸君はどうもお酒にダラシない。いや、21世紀に入ってからは「サラリーマン」とは言わずに「ビジネスパーソン」だったりするが、リーマン時代からビジパー時代に進化しても、そのダラシなさには全く変化がない。

 

 何と言っても、笑い方がダラシないのである。「ゲハハ、ゲハハハハァー」「ガハハ、ガハハハハハァー」「ゲハハ、ゲハハハハァー」「ゴホホ、ゴホホホホホォー」、4人グループか5人グループに1人ぐらいの割合で、のべつまくなしゲハゲハ笑い続けているオッサンが混じり込む。

(お正月(旧暦)らしく、めでたく富士山をのぞむ。撮影は1月9日、大阪に向かう新幹線より)


 もっと困るのは、ゲハハ&ゲハハ笑うたびに、激しく拍手を繰り返したり机をバンバン叩いたりするオッサンである。オッサンと言っても、別に中年である必要はないので、20歳代後半あたりからゲハハ&バンバンが始まり、いったんそうなっちゃうと、そのクセは死ぬまで治らない。

 

 諸君、そのゲハハ、そのガハハ、そのバンバン、全部ヤメにしたほうがいい。ワタクシは、「面白くもないのに笑う」「面白くないけど、その場を盛り上げるために笑う」「自分も会話に参加しているというアピールのためだけに笑う」という行動が大嫌いだ。

 

 面白くなければ、笑いなさんな。盛り上がっていないなら、笑いなさんな。つまらなければ、拍手も机バンバンもしなさんな。昨今の大物芸人たちの中に、とにかく何でも机バンバンでガハハのタイプが数人混じっている気がするが、そういうツマラン大物芸人のマネなんか、全部オヨシになったほうがいい。

(2023年の年末詣は、東京の明治神宮へ。年末になっても、まだイチョウの黄葉が見事だった)

 

 2月9日、和歌山での公開授業の帰りに、ワタクシはそういうグループの出現に大いに悩まされた。和歌山の仕事が20時半で終了、最終の特急「くろしお」で大阪のホテルまで帰るところだった。

 

 若かった頃の今井君の場合、「迷惑だな」「他の人たちもきっと困っているな」と思うと、極めて積極的に本人に直言するのを恒としていた。40歳代中盤までは、「静かにしてくれませんか?」「みんな迷惑していますよ」と面と向かって痛罵し、それでちっとも怖くも恥ずかしくもなかった。

 

 しかしさすがに自分で自分を「大ベテラン」と呼ぶようになってからは、その種の直言スタイルを躊躇するようになった。どこにどんな雑誌記者が潜んでいるか分からないし、別に雑誌関係者でなくても、動画やら隠し撮りやら口コミやら、「今井が電車の中でキレていた」やら「今井が居酒屋でキレていた」やら、どこでそういう話が広まるか分かったものではない。

(2月11日、京都・城南宮の枝垂れ梅も、すでに2分咲きになっていた 1)

 

 だから最近、今井はマコトに大人しい。酔っ払ったリーマン集団やらビジパー軍団やらが、電車の中でゲヘヘ&バンバンやガハハハ&パンパンで乱れまくっていても、「今井がキレてた」情報を恐れてじっと黙り込み、「ホンの1時間の我慢じゃないか」と歯を食いしばって耐え抜くのである。

 

 ところが諸君、大人しく臆病を決め込んだ情けない今井を、マコトに見事にカバーしてくれる勇ましい女子たちも、すくすく成長しはじめたらしい。2月9日、和歌山から大阪に向かう特急「くろしお」では、(おそらくは)30歳代前半と思われる女子が、スカッと爽やかにビジパー軍団を諌めてくれた。

(2月11日、京都・城南宮の枝垂れ梅も、すでに2分咲きになっていた 2)

 

「話し声、うるさいので、抑えてくれませんか」。ビジパー軍団のゲハハ&バンバンが始まってホンの2分も経たないうちに、ピシャリと爽快な彼女の声が車内に響き渡った。一瞬、シーンと静まり返る車内。今井君の後ろでバリバリ煎餅を齧っていたオジサマも、その激しい咀嚼をパッタリとヤメて、成り行きを見守る気配になった。

 

 ビジネスパーソン諸君も、ゲハハ&バンバンを直ちにヤメて、「すみませんね」「すみませんね」と素直に謝罪を口にした。いやはや、おめでたい。たいへんおめでたい。あけましておめでとうございます(旧暦)の世界だ。マコトに爽快、マコトにあっぱれ、これ以上めでたいお正月(旧暦)は考えられないほどだった。

(2月11日、京都・北野天満宮の梅はもう盛りを迎えていた 1)

 

 しかし、「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」のが中年男子の情けないところ。それから10分も経たないうちに、またまた激しいゲハハ&ゲハハ&ガハハ♡バンバンが再開しちゃった。「これはいよいよ、今井の出番かいな」と、ワタクシはかつての若い今井独特の蛮勇をふるうしかないなと、ほぼ覚悟を決めたのである。

 

 ところが、驚くじゃないか、さっきの30歳代女子、さすがにタダモノではなかったのだ。「笑い声、うるさいって言ってるじゃないですか」「他の乗客もみんな迷惑してますよ」「子供じゃないんだから、電車内で騒がないでください」と朗々と連呼。おお、こうじゃなくちゃ、あきまへんな。

 

 この勢いに制止されて、ボクの後ろのお客さんも、もう煎餅をかじらなくなった。これもまた大いに助かった。そのまま電車は粛々と北上、堺を過ぎ、天王寺を過ぎ、大阪駅の地下ホームにマコトに滑り込んだ。静かにドアが開いて、あのビジパー軍団も打ちひしがれた表情で下車。「ドア、あきましておめでとう」、今井君は快哉を叫んだのである。

 

(2月11日、京都・北野天満宮の梅はもう盛りを迎えていた 2)

 

 ま、そんなお正月(旧暦)の始まりだった。なお、ここからは新暦のお正月の話であるが、1月2日、ワタクシは京都・桂の「中村軒」でお雑煮を味わった。人生初経験、京都独特の白味噌雑煮である。

 

 ド派手な具だくさんのお雑煮ももちろん大好きだが、今日の写真2枚目のマコトに上品な「お餅のみ」の白味噌雑煮、こりゃやっぱり人生で1度は経験しておかなきゃいかん。

 

 お雑煮のデザートとして「かぜしらず」も供される。今日の写真の3枚目と4枚目がその「かぜしらず」であるが、案に相違して諸君、この「かぜしらず」、驚くほどの熱々なのである。うっかりグイッと飲み込んだりすれば、口も喉も食道も胃袋の壁も、みんな大ヤケドでたいへんなことになりかねない。やっぱり京都、恐るべしなのだ。

 

(2月11日、京都・城南宮の枝垂れ梅も、すでに2分咲きになっていた 3)

 

 最後に諸君、大阪も京都も今や梅が満開だ。白いのも赤いのも一斉に咲いて、驚くほどの華やかさ。まさかと思ったが、普通なら2月下旬になって咲き出すはずの洛南・城南宮枝垂れ梅も、すでに2分咲き → 3分咲き。これじゃ2月中旬で梅見がオシマイになり、3月中旬には桜が咲いて、お花見も4月まで待っていられない。

 

 テレビの画面ではみんな「ポカポカ陽気です」「春の訪れが感じられます」と笑顔ではしゃいでいるけれども、みんなもっと真剣に、この不都合な真実を心配すべきなんじゃあるまいか。

(こんなに暖かくては、「銀座デリー」のカミミールカレーで汗まみれになる)

 

 やっと昨日、朝日新聞「天声人語」が不安を漏らしているが、こんなに暖かいんじゃ、ホントに困っちゃう。異様な高温傾向は、もう昨年の春からずっと続いているのだ。

 

「あけましておめでとう」も「梅が咲いてウメでとう」もあったものではない。「めでたさも 中ぐらいなり オラが春」。暖か過ぎて、旧暦のお正月のめでたさも中ぐらいにしか感じられないのは、ワタクシだけだろうか。

 

 ワタクシは、もっと厳しくキリッと冷え込んだ夜に、熱々の熱燗や鍋物を満喫したい。今日の東京は、さに「のるびもてゆけば、わろし」の典型であって、2月中旬に20℃を平気で超えるような異常事態に対しては、マスメディアの皆様はもっと引き締まった表情で報道すべきなんあるまいか。

 

 ま、そういうことを思いながら、2月上旬は京都・大阪・金沢で過ごした。来る日も来る日も「今井先生ですか?」の人々と遭遇。京都の北野天神で、大阪ミナミの戎橋通りで、京都の新幹線東京方面のプラットホームで、嬉しい出会いがナンボでも続くのである。

 

1E(Cd) Akiko Suwanai, Dutoit & NHK響:武満徹 ”FAR CALLS” ”REQUIEM FOR STRINGS”etc

2E(Cd) Tomomi Nishimoto:TCHAIKOVSKY/THE NUTCRACKER(1)

3E(Cd) Tomomi Nishimoto:TCHAIKOVSKY/THE NUTCRACKER(2)

4E(Cd) Argerich, Chailly & RSO Berlin:TCHAIKOVSKY/PIANO CONCERTO No.1 & RACHMANINOV/PIANO CONCERTO No.3

5E(Cd) Gergiev & Kirov:RACHMANINOV/SYMPHONY No.2

total m21 y91  dd28873