Thu 231228 札幌の大盛況/狸小路「めんめ」/弟子屈ラーメン/京都にビューン 4474回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 231228 札幌の大盛況/狸小路「めんめ」/弟子屈ラーメン/京都にビューン 4474回

 せっかくの北海道だから、ビシッと雪が降り積もって、北西の季節風に粉雪が舞って、明け方から氷点下10℃の地吹雪、まだ11月下旬なのにクリスマスツリーの無数の豆電球が赤や青や緑にヒコヒコして、そういう朝を迎えたかった。雪国育ちのワタクシは、そっちのほうが調子がいいのである。

 

 しかし諸君、1123日の朝を迎えてみると「こりゃコートも着ていく必要はないな」というぐらいの暖かさ。ホテルのロビーのクリスマスツリーが、完全に季節外れに見えた。

 

 宿泊していたのは、札幌駅から少し離れたANAクラウンプラザホテル。駅から徒歩10分はかかるから、駅ビルの中の「JRタワーホテル日航」と比較すると遥かに不利な条件であるが、何と言ってもホテル内に「セイコーマート」があるのがいい。

(翌11月24日、京都キャンパスプラザの大盛況。スミマセン諸君、札幌の写真を撮り忘れてしまった 1)

 

 1123日のワタクシの朝食は、このセイコーマートで調達。前の晩もセイコーマートで購入した北海道の地酒で深夜まで晩酌を続けたのだが、朝食は北海道名物「ちくわパン」ないし「ナポリタンパン」、そういうもので1300人参加の大ダブルヘッダーに向けて腹ごしらえをする。

 

 スタッフとの待ち合わせは、ホテルロビー、午前9時。この10年、毎年同じスケジュールだ。昔は京王プラザホテル、その後しばらくはJRタワーホテル、この5年はこのクラウンプラザ、どこでも必ず午前9時に待ち合わせる。

 

 会場はNHK札幌支局と隣り合わせ、ホテルから徒歩10分もかからない。タクシーに乗ると、運転手さんが露骨にイヤな顔をなさる。「歩いたほうが早いですよ」と、2度も3度も繰り返されたこともある。だから、やっぱり歩いたほうがいい。特に今年は、舞い落ちるイチョウの黄葉が美しい。

(札幌「狸小路市場」、名店がひしめく狭い小路に、外国人観光客がワンサと詰めかけていた)

 

 講演会は、1020分からが1回目。その後ゆっくり昼休みをとって、1440分からが2回目。あくまで申し込みベースであるが、午前の部が700名、午後の部が600名。ワタクシが「毎年1年で一番楽しみにしている講演会」と言う意味も分かるだろう。

 

「インフルエンザの大流行で、クラス閉鎖やら学年閉鎖やらがあって、若干の欠席者が見込まれます」と、札幌の責任者は心から残念そうに表情を歪めたが、何もそんなに恐縮してくださる必要はない。

 

 2020年春にコロナのトンネルに突入して以来、公開授業や講演会の規模はどこでも一気に小さくなって、150名も集まれば「御」の字、100名集まれば大満足、そういう日々がすでに丸3年続いてきた。

 

 その中でも札幌だけは、毎年毎年100人ずつ増加、こんな大きなホールに1000人超を集め続けてくれている。ワタクシは、こういう絶好調が嬉しいのである。来年こそは、また金沢あたりで以前の1100名を実現したいし、再び博多でも昔の800名大講演会を実施したいのである。

(翌11月24日の朝、新千歳空港でクラシックな弟子屈ラーメンを満喫する 1)

 

 今井講演の前に、地元札幌の若手スタッフ代表が30分、マコトに簡潔なスピーチを行う。これもこの10年恒例であって、ワタクシはその見事な簡潔さと、丁寧なリハーサルぶりに感心するのである。「30分」という枠を几帳面に遵守して、わずか10秒たりとも延長することがない。

 

 だからワタクシも自分自身の講演の中で、札幌スタッフのスピーチをいろいろイジって差し上げる。「イジってもいいですか?」「たくさんイジりますが、大丈夫ですか?」と問いかけ、「もちろんOKです」「むしろ思うぞんぶんにイジってください」という了解を得てから、悠然とステージに乗り出すのである。

 

 こういうふうだから、講演は午前の部も午後の部もたいへんな盛り上がりを見せる。この10年、大爆笑が途切れたことがない。90分笑い続けるのは、話している講師自身よりキビシイんじゃないかと思うが、これはあくまで講演会であって公開授業ではない。爆笑し続けて絶対に損はない。

(翌11月24日の朝、新千歳空港でクラシックな弟子屈ラーメンを満喫する 2)

 

 午後の部が終わって、1610分。ワタクシ自身も延長は出来るかぎり避ける。ホントはいつまでも喋り続けていたいが、何しろ喋る方も聞く方も90分で完全にヘトヘトだ。「アンコール」の声がかかりそうなのを抑えて、控え室に駆け戻る。

 

 全ての聴衆が会場を離れたのを確認してから、タクシーでススキノに向かう。と言っても、ススキノそれ自体は海外からの観光客でいっぱいだから、目指したのは「狸小路市場」。ただしここも外国人がワンサと押し寄せていて、いったい日本人がどこに消えてしまったのか不安になるほどだ。

 

 入ったお店は、狸小路でも特に人気の高い「めんめ」。「めんめ」とは「きんき」のことらしいが、大きな生牡蠣にマダラの白子、めんめの刺身、もうもうと湯気のあがるジャガイモその他、北海道の誇るマコトに美味い食材を残らず味わって、ポンポンはまさにパンパンに膨張するのである。

(11月24日夕暮れ、京都に到着。グランヴィアホテルの窓から、はるか大阪のビル群が見えた。あべのハルカスも確認できる)

 

 ただしワタクシ、この翌日に一気に京都に移動しなければならない。スケジュール表を眺めて、23日が札幌のダブルヘッダー、24日が京都の駅前。まさに情け容赦のない移動スケジュールであって、翌日は午前11時のヒコーキで大阪伊丹に飛ぶのである。

 

 だから、ズラリと並んだ北海道の美味&珍味佳肴を前にしても、普段の札幌でのように「勢いに任せて泥酔にまっしぐら」というわけにはいかない。どこかで冷たく切り上げて、「明日がありますから」とホテルの部屋に帰らなければならない。

 

 しかも諸君、この日の夜から北海道の日本海側に「暴風雨と暴風雪の予報」が出ていた。日本海の北の方に低気圧が出現し、これがいわゆる「爆弾低気圧」になって津軽海峡を北上、北海道は暴風に雨か雪が混じり「交通機関に乱れが生じる恐れ」「不要不急の旅行は中止したほうがよさそう」ということになっていた。

(京都駅構内で、ヒレカツ定食をいただく。オイシューございました)

 

 そりゃ困るのである。札幌から京都への移動には、ヒコーキが欠かせない。札幌から新千歳空港までは電車移動、そこから「ヒコーキでビューン」をやって伊丹空港まで2時間余り、伊丹からは京都までバスかクルマで1時間弱、ワタクシの予定はマコトにスッキリしたものだった。

 

 それが万が一爆弾低気圧の影響で「ヒコーキが欠航」なんてことになれば、札幌から函館まで電車移動、函館から新幹線に乗って津軽海峡をくぐり、東京経由で京都まで新幹線乗り継ぎ、午前7時に札幌を出て、京都に着くのは午後7時ごろ、それでもどうにか講演会に間に合うが、12時間の電車移動だけはどうしても御免こうむりたかった。

(いきなり冷え込んだ11月24日朝、札幌駅構内の石油ストーブに火が入った)

 

 幸いにして、天気予報のオネーサマが恐ろしく暗い表情で繰り返していた暴風雪にはならず、交通機関の乱れもほぼ皆無。朝8時にホテルをチェックアウトして札幌駅に辿り着くと、いきなりグッと冬らしく冷え込んできた駅構内に、ストーブの赤い炎が燃えていた。

 

 どうしたんだろう、駅構内のコンビニ前に警察官が集まって、何だか1人の男性を取り囲んで質問を繰り返している。ストーブの周囲の人々もソワソワ、「どうしたんだ?」「どうしたんだ?」と様子を熱心に伺っていた。

 

 ま、大きな事件にならなければそれに越したことはない。新千歳行き「快速エアポート」の指定席に乗り、遠い昔ここから寝台特急「北斗星」に乗って上野を目指したこと、「オホーツク」で網走を目指したこと、「宗谷」で音威子府や稚内を目指したこと、数かぎりない思ひ出をたどりながら、千歳空港に向かった。

(翌11月24日、京都キャンパスプラザの大盛況。スミマセン諸君、札幌の写真を撮り忘れてしまった 2)

 

 空港では、もちろん朝ラーメンを満喫しなきゃいけない。海老ラーメン「一幻」や旭川「梅光軒」には朝早くから長蛇の列が出来ているから、こういう場合のワタクシが選ぶのは「弟子屈ラーメン」。最もレトロな醤油ラーメンを啜りながら、ワタクシの心は早くもその夕暮れの京都講演会をどんな構成にするか、そちらの方に飛んでいたのである。

 

 そしてここでもまた「今井先生ですか?」の声がかかった。たいへん落ち着いた30歳代後半と思われる男性で、聞けば「高校の教師をしています」とおっしゃる。

 

「受験生時代はお世話になりました」「先生の著書も拝読しました」「ブログも楽しみにしています」とおっしゃる彼と、ラーメン屋のすぐ前に並んで写真に収まった。こうして諸君、ワタクシの長い旅はいつでもどこでも、嬉しいことの連続なのである。

 

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 6/6

2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 1/9

3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 2/9

6D(DPl) 能:金春流 実盛(桜間道雄 森茂好)/ 金春流 葵上(桜間金太郎 宝生新)

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