Fri 231215 大阪↔横浜を新幹線往復/横浜で京大2022年の難問を解説する 4467回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 231215 大阪↔横浜を新幹線往復/横浜で京大2022年の難問を解説する 4467回

 3回連続して同じ書き出しで申し訳ないが、昨日の午後までワタクシは大阪にいた。夕暮れには横浜で公開授業、ほぼ最終の新幹線で大阪に戻った。今日はついさっきまで京都にいて、今はまた大阪、明日は午前10時半から大阪・天満橋で講演会がある。

 

 というわけで諸君、相変わらず「師走」であり、今井師は東京―大阪間を連日走り回って生きている。昨日はヒコーキでビューンと行っちゃう「師飛」ではなく、ちゃんと新幹線で走る「師走」、新大阪発午後3時ごろの新幹線に乗り、新横浜に午後5時に到着した。

 

 さすがに疲れ切っていると見えて、新大阪を出発するや否や深い眠りに落ち、気がつくともう静岡を過ぎて、電車は新富士の駅を通過するところだった。珍しくA席に座ったから、新富士から三島にかけての車窓から、意外なほど無骨な伊豆半島の山々が印象的だった。

(11月15日、三十三間堂近くで黒ネコ軍団を発見。リーダーの子ネコ君がマコトに勇ましい 1)

 

 小田原を過ぎて「新横浜まであと10分ほど」のアナウンスが入るころ、この列車の女子の乗務員さんから「今井先生ですか?」と声をかけられた。この間のANACAさんと同じように、「高校生の頃はお世話になりました」「ここでお会いできて光栄です」とおっしゃるのである。

 

 これほどたくさん走っている新幹線の中で、元生徒の乗務員さんと遭遇する確率がどれほどなのか、考えてみるとまさに奇跡的な遭遇であるが、それなのに今井君は新大阪から新富士まで2時間近く、マコトにダラシなく居眠りしていたのである。いやはやマコトにお恥ずかしい。

(11月15日、京都・烏丸七条の「なか卯」で朝食を貪る。ベーコンエッグ定食に、銀ジャケを追加する)

 

 新横浜から横浜までは、「横浜線」と言ふものに乗り換えていく。意外なほど時間がかかるので、こりゃ諸君、横浜のヒトたちはたいへんだ。他に「横浜市営地下鉄」というルートもあるけれど、かかる時間はほとんど変わらない。

 

 地下に潜ったり再び地上に出たりする時間がもったいないから、ワタクシは横浜線を利用する。年末の夕暮れの人々はやっぱりかなり疲れていらっしゃる様子。電車の中の雰囲気は多少ワイルドであるが、まあこのぐらいの距離ならば、ワイルドさにも何とか耐えられる。

(11月15日、1ヶ月前の西本願寺。今年はイチョウの黄葉が美しかった)

 

 横浜の公開授業は、出席者約150名。横浜西口の馴染みの会場であるが、今は1年で最も日没が早い時期であって、会場に到着する頃にはもうすっかり暗くなっている。1213日の東京の日没が午後4時28分。14日からは少しずつ日没の時間が遅くなるんだそうだ。

 

 横浜で使用した教材は、京都大学2022年の長文読解問題である。長文の最終盤、「only now」の和訳が受験生たちの間違いを誘うイワクつきの難問であったが、この文章でのonlyは接続詞で「ただし」、「only now」の正確な和訳は「ただし今となっては」でなければならない。

 

 京都大は2021年にも「why not?」の和訳がなかなか難しい難問を出したが、おかげで予備校や出版社の模範解答を制作する人々も眼を白黒させる羽目になった。あえて昨日のワタクシが横浜で京都大のその問題を使用したのは、受験生諸君にこのレベルで英語学習に励んでほしいからである。

      (西本願寺の菊花展を堪能する 1)

 

 昨日の受講生諸君は、最初のうちはかなり面食らったに違いない。だって、場所は横浜だ。「京都大の受験生」はグッと数が限られる。せっかく今井センセが来るならば、「東大&早慶対策」みたいなものを求めていたに違いない。「は?」「何で京都大?」と、眼を白黒させた生徒もいただろう。

 

 しかしさすがに大ベテラン今井だ。授業冒頭で「は?」「何で?」と少なからず不満げにしていた諸君も、授業開始10分も経過しないうちに、充実した内容の長文読解の余りの面白さに、みんなグイグイ身を乗り出してきた。

 

 実はワタクシ、この同じ京大の問題を、兵庫県豊岡市の会場でも使用したことがある。あの時は出席者100名の中に中3生もたくさん混じっていたが、主催者側のたっての希望で、あえてこの問題を使用した。

 

 ワタクシには「意地でも分からせる」「何が何でも分からせる」という強烈なキョージがあって、たとえ中学生が相手でも「100%分かった」と言わせなければ気が済まない。実際、豊岡のこの校舎は「神戸大の医学科に3人同時に現役合格」という驚くべき実績を記録している。

      (西本願寺の菊花展を堪能する 2)

 

 だから諸君、昨日の横浜にも中3生がやっぱり数人混じっていたが、ワタクシの授業にのめりこんで集中するうちに、予備校や出版社の模範解答者でさえ四苦八苦するほどの難解な読解問題を、間違いなくほぼ全員が100%余すところなく理解し、感激し、感動し、「帰ったらリポートを書こう」とコブシを固めるほどに理解し切って帰宅することになった。

 

 ただし諸君、さすがの今井君にも少し疲労が蓄積してきた。その証拠に、昨日の横浜では20分の延長を余儀なくされた。京都大のあれほどの難問だ、中3も数人含まれている会場で100%理解を達成するには、20分ぐらいの延長は疲れている今井にはどうしても致し方なかった。

(11月15日、三十三間堂そばの「法住寺」に鬼法楽を見に行く。後白河法皇陵もここにある。詳しくは、次回の記事で 1)

 

 問題は、「20分延長したあとで、果たして横浜から大阪に戻れるか?」である。会場からタクシーに飛び乗ったのが21時ちょうど、予約していた新大阪行きの新幹線が2131分。そのあとの電車はもう2本しか残っていなくて、最終の新大阪行きが新横浜発2142分だった。

 

 タクシーは、マコトにノロノロ走る。横浜駅前はクリスマス前の渋滞で右折も左折もままならず、赤信号ばかりに引っかかっていつまでたっても進まない。運転手さんに尋ねると「新横浜駅まで30分近くかかります」とおっしゃる。おお、大ピンチだ。

 

 ま、万が一新大阪行きの最終に乗り遅れたら、東京に帰ればいいだけなのだから別にピンチというほどではないが、それでは予約のオカネがパーになる。何としても予約した新幹線に乗りたいのである。

(11月15日、三十三間堂そばの「法住寺」に鬼法楽を見に行く。後白河法皇陵もここにある。詳しくは、次回の記事で 2)

 

 それにしても横浜の生徒たち、果たしてワタクシが「東京在住の人間である」ということを理解してくれただろうか。今頃オウチに帰って「今日のセンセは関西から来た先生だったよ」と言っているんじゃないだろうか。

 

 だって、授業の冒頭でワタクシは「たったいま大阪から横浜に着いたばかりです」と言っちゃった。授業の教材は京都大学で、解説しながらワタクシ自身の京都大学♡愛を繰り返し繰り返し語り続けた。授業の最後に、「これから大阪に帰ります」「最終の新幹線に乗らなきゃいけないので、タクシーを拾います」と口走った。

 

 するとやっぱり、ちょっと心配なのである。横浜の生徒諸君が、特に今井のことなんか全く知らない初対面の生徒諸君が、

「今日は関西から来た先生だったよ」

「関西のセンセだから、ボクの志望は東大&早慶なのに、出題傾向も全然違う京都大学の問題を使ったよ」

「不満です」「大いに不満です」

とか、そういうことを言っていないだろうか。

 

 しかしまあ、そんな心配は残らず杞憂に違いない。だって冒頭の10分が過ぎたあとは、出席した全ての生徒が読解に夢中、限りなく知的好奇心をくすぐる論旨の展開に夢中、普段の「スラッシュリーディングで速読だ!!」の類いとは全く次元の違う読解の訓練に夢中、みんな大きく頷きながら、しかも爆笑を繰り返してくれていた。

(11月15日、三十三間堂そばの「法住寺」に鬼法楽を見に行く。後白河法皇陵もここにある。詳しくは、次回の記事で 3)

 

 タクシーは新横浜駅に、結局2125分に到着。大急ぎで缶ビール2本と日本酒2本を買い、ついでにサンドイッチも2セット購入して、何とか予約した新幹線に乗り込んだ。

 

 新大阪に2336分に到着する最終間近の新幹線は、ほぼ満席に近い状態。グリーン車でも「お隣が来ちゃう」ぐらいの混雑ぶりだったが、幸運なことにワタクシのお隣は最後まで空席だった。ビールも、お酒も、サンドイッチも、マコトに旨かった。最高の仕事の後は、こういうものもまた最高なのである。

 

 ただし、最終間近の新幹線は、乗客のマナーの悪さに驚く。泥酔して奇声を上げるグループがいる。怪しいカップルがナンボでもいる。前の座席の背もたれに高々と足を乗っけて、その足が前の席の乗客の頭を蹴飛ばしてケンカになりかける。しかも彼は、靴下も脱いだ裸足の足で、被害者の頭を蹴飛ばしたのである。

(11月15日、三十三間堂近くで黒ネコ軍団を発見。リーダーの子ネコ君がマコトに勇ましい 2)

 

 新大阪駅からはまたタクシーに乗った。宿泊先のホテルにたどり着いたのは、午前0時を過ぎる頃。大阪は強めの雨が降り出して、ホテルからコンビニまで走っただけで、服も靴も頭も濡れてしまう。

 

 ホテル近くのコンビニで、きんぴらごぼうを買い、納豆を買い、ヨーグルトを買って、12月の今井は「腸活」に懸命なのだ。

 

 だってまだまだこういう素晴らしい講演旅行を続けたいじゃないか。「もう疲れたから、出張なんかしたくない」などということには絶対にしたくないじゃないか。大ベテランとして、生徒諸君があんなに夢中になってくれる公開授業を、まだせめて5年は続けたいじゃないか。

 

1E(Cd) EschenbachMOZARTDIE KLAVIERSONATEN 3/5

2E(Cd) EschenbachMOZARTDIE KLAVIERSONATEN 4/5

3E(Cd) EschenbachMOZARTDIE KLAVIERSONATEN 5/5

4E(Cd) Jochum & Bavarian RadioMOZARTTHE CORONATION MASS

5E(Cd) JandóMOZARTCOMPLETE PIANO CONCERTOS vol.1

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