Thu 231214 飛んで飛んで飛びまくる/薄笑いカップル/南京町/関西シリーズ 4466回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 231214 飛んで飛んで飛びまくる/薄笑いカップル/南京町/関西シリーズ 4466回

 前回とそっくり同じような始め方になるが、昨日は東京にいて、今は大阪にいて、これから横浜で公開授業があって、明日はまた大阪にいる。

 

「師走」とは言っても諸君、「今井師はさすがに走り過ぎだ」と言われるかもしれない。しかしやっぱり前回も言った通り、今井師は走るのではない。飛ぶのである。

 

 昨年の今頃、NHK朝ドラは来る日も来る日も「舞いあがれ」「舞いあがれ」と叫んでいたが、今井師は来る日も来る日も舞いあがっては着陸し、舞いあがっては着陸し、ヒコーキの座席さえ温まるイトマもない。

     (11月15日、大阪・京橋の大盛況 1)

 

 それでも、そのスキをついて遊びまわるから、まさに油断もスキもない。ちょうど1ヶ月まえの11月14日は、夕暮れから岡山県倉敷で公開授業だったが、何しろ昼間はなーんにもすることがないから、今井師は朝から阪神電車に乗って一ノ谷と鵯越へ、須磨の海岸の源平古戦場を訪ねた。

 

 鵯越の逆落とし、平敦盛と熊谷直実の一騎打ち、敦盛の奏でる青葉の笛の調べ。近畿の人々は幸せだ。どの鉄道のどの駅で降りても、そこは何らかの形で日本史や文学の主舞台になっている。昼前ののんびりした散策だって、さぞかし感慨深いだろう。

 

 しばし須磨の海岸で沖を行く船の列を眺めた後、ワタクシはJRの快速電車に乗って神戸元町を目指した。ホントは「国鉄の電車で」と言いたいところだが、すでに国鉄が分割されて30年以上が経過、マコトに間の抜けた「ジェイアール」の名称でなければ分かってもらえない。

     (11月14日、神戸南京町の賑わい 1)

 

 すると諸君、すぐ目の前の席に「今井だ!!」のオニーサンが座っていた。残念ながら、「もしかして今井先生ですか?」と挨拶してくれるタイプの積極的な好青年ではない。

 

 声なんかかける勇気が出ずに薄笑いでニヤニヤ、薄眼を開けてこちらを伺ってニヤニヤ、彼の隣に座った彼女とつつき合ってニヤニヤ、そういうタイプである。

 

 まあ、それも致し方ない。こういうタイプもまた多く存在する。ちゃらちゃらした青年もたくさんいて当然だ。ニヤニヤいつまでもダラシなく薄笑して、彼女の脇をつっついて雑談を始めた。何しろ至近距離だから、その「雑談」の中身もみんな聞こえてくる。

     (11月14日、神戸南京町の賑わい 2)

 

「オマエ、受験生の頃、塾とか予備校とか行ってたか?」と彼は彼女に尋ねるのである。彼女のほうは、どうやら今井君のことなんか全く知らない様子で、「行ってた。Pretty塾!!」と誇らしげに答えた。Pretty塾(仮名)経由で、おそらく彼氏の同級生か何かになったらしい。

 

 それにしても、彼氏と彼女の間柄になっておきながら、お互いが受験生時代に予備校に通っていたかどうかさえ知らない、お互いがどこの塾に通っていたのかも知らない、「そういう時代になっちゃったんだな」と、ワタクシは予備校講師の大ベテランとして、マコトに寂しい気持ちになったものだった。

(神戸「別館 牡丹園」の春巻き。東京の春巻きとは異次元の旨さだ)

 

 これが30年前なら、母校の名を聞かれて高校でも大学でもなく「駿台!!」とか「代ゼミ!!」とか、自慢げに予備校の名を答える若者だってたくさんいたのである。かく言う今井君だって、20歳代までは駿台予備校を母校のうちの1つと考えていた。

 

 20年前なら、いや10年前だって、「最も影響を受けた先生は?」と尋ねられて「駿台の奥井師!!」「駿台世界史の大岡師!!」とか「代々木ゼミナールの潮田五郎!!」なんてのはマレではなかった。「今井宏先生!!」とフルネームで答えてくれる人だって、いないわけではなかったのである。

 

 それなのに、彼氏や彼女が受験生時代に「どこの予備校で勉強したか」どころか「通っていたか否か」さえ、ご存知ない。あんなにぴったり寄り添って座って、「お前」呼ばわりさえ許しあって、彼氏が彼女の横っ腹をつんつん突っつくぐらいまで仲良くなって、それでもその種の話にならない。

(神戸「別館 牡丹園」の春巻きと海老チリ。オイシューございました)

 

 がっかりしながら2人の会話に耳を傾けた。まずは定番というかなんというか、彼氏がスマホの画面を開いて彼女の目の前に突きつけた。今すぐそばに存在するサトイモ男が、東進の目玉講師というか看板講師というか、要するにテレビCMとかパンフやポスターに出まくっているセンセであることを、スマホで示したのである。

 

 聞き終わって、彼女は彼氏に何やら囁きかける。間違いなく「ただのオッサンじゃん」「ただのサトイモじゃん」「サエないジーサンじゃね?」の類いの、無慈悲な評価を下したに違いない。彼氏はちょっと反論しようとし、「今井がどんなに楽しい授業を展開してくれたか」「どれほど英語を好きにさせてくれたか」を語ろうとしかけたが、あっという間に諦めてしまったようである。

 

 そりゃそうだ、今井の授業の面白さは、受けてみた人じゃなきゃ分からない。イケメンからは程遠く、8頭身どころかほぼ5頭身。ポンポンも次第に前に突き出し始め、かつては賢げに眼光も鋭かった両方のお目目も、今ではダラシなくニタニタ、「好々爺」のカテゴリーに入ってきた。

 

 それでも彼は何度もスマホ画面を彼女に突きつけ、「こんなにスゴいんだ」「こんなにスゴいんだ」と力説を続けるのだったが、彼女のほうは全く興味を示さない。彼のスマホから視線をそらし、何だか話題を大きく転換し、神戸元町の前の前の駅で2人そろって降りていった。

(阪急百貨店の地下に、阪神の三宮駅がある。阪急&阪神、マコトに仲がいい。阪急なのに、阪神タイガーズ日本一の垂れ幕が3つ下がっていた)

 

 実は3日前にも、大阪伊丹から羽田に帰るヒコーキの中で、CAさんに「失礼ですが、今井先生でいらっしゃいますか?」と問われ、「高校生の頃にはすっかりお世話になりました」「おかげでCAになれました」と、お礼のカードまでいただいたのだが、まあ諸君、そんな嬉しい出会いばかりではないのだ。

 

 すっかり寂しくなって、元町から南京町へ、修学旅行生たちの大波をかき分けて散策を続けた。11月になってもちっとも涼しくならず、この日もワタクシは汗まみれ、コートどころか上着まで脱いで、中華料理の油の匂いの中であえいでいたが、まあ諸君、こういう時は腹ごしらえに限る。

 

 だからと言って、南京町に居並ぶガチな中華料理店には入らない。ガチな中華はガチすぎて、そんなにガチな中華がいいのなら、サッサと台湾にでも飛んでいってホンマモンの中華を貪ればいい。

(神戸三宮「別格 牡丹園」のかた焼きそば、もやし&にらバージョン。オイシューございました)

 

 というわけで、この日もワタクシはおなじみの「別館 牡丹園」を選ぶのである。ググッと和風にアレンジされた中華、太い春巻きと、海老チリと、パリパリに固く揚げたあんかけそばを貪るのである。

 

「別館」というならば、当然「本館」もあるはずであるが、牡丹園の不思議なところは、「別館があるのに本館がない」というマコトに奇妙な事態である。

 

 予約の電話をかけると、「はい、別館です」と言って出てくる。「別館」の部分まで含めて正式名称なので、「あれれ、本館はどこに行っちゃったんですか」などという問いは失礼にあたる。そのぐらい凛として、「疑問の余地はない!!」「質問なんか許さない!!」という凛々しい気概を感じるのである。

     (11月15日、大阪・京橋の大盛況 2)

 

 さてこうして、11月中旬から12月下旬にかけての今井の関西シリーズが本格的にスタートした。大阪・奈良・京都・滋賀・兵庫で、知らぬ者のない名門塾「馬渕教室」の主催であるが、数えてみると何と10回も、馬渕教室主催で公開授業と講演会が連続する。

 

 京都・西宮・茨木・京橋・神戸三宮・また西宮・大和八木・梅田・天満橋・天王寺、合計10回。2月と3月にもまた数回が予定されている。こりゃ諸君、嬉しくてたまらない。

 

 近畿圏の公立トップ高校では占有率9割近くを占めることも珍しくない、超名門塾の主催。もちろん今井が失敗することはありえないが、万が一の病気やら体調不良やらのことまで含めて、いやはや諸君、ワタクシは常にカンペキの上のカンペキを目指すのである。

 

1E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 3/5

2E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 4/5

3E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 5/5

4E(Cd) Jochum & Bavarian Radio:MOZART/THE CORONATION MASS

5E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.1

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