Fri 231201 すててこシャンシャン/イノシシを貪る/猪ゃモチ食ってほーいほい 4460回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 231201 すててこシャンシャン/イノシシを貪る/猪ゃモチ食ってほーいほい 4460回

 何かのはずみに、遠い昔の歌が口をついて出て、しばらくはその歌を口ずさみ、というか脳細胞の半分以上をその歌に占領されて、にっちもさっちもいかなることがある。

 

 例えばワタクシはかつて受験生の頃に、ということは気の遠くなるほど昔のことであるが、「水戸黄門」のテーマ曲と西城秀樹「ヤングマン」にひどく悩まされた。

 

 現代文の試験中に、ふと「人生楽ありゃ苦もあるさ」「ヤングマン、さあ立ちあがれよ」の一節がアタマに浮かび、するともう目の前にある現代文の小難しい論理展開など、全くアタマに入らなくなる。

      (京都・護王神社、亥子餅)

 

 あの当時は、とにかく民放の夕暮れの時間帯は「水戸黄門」「桃太郎侍」の再放送オンパレード。夕暮れに帰ってテレビをつけるや否や「人生楽ありゃ苦もあるさ」「涙の後には虹も出る」「人生勇気が必要だ」「くじけりゃ誰かが先に行く」、そういう歌が流れ放題に流れていた。

 

 さもなければ、バラエティ番組の再放送。昭和の時代のバラエティは10分に一度ぐらい必ず歌謡曲のナマ演奏があって、出演した歌手がクチパクで歌ってみせるのが定番だった。英語の長文読解問題に「Young man」という一節があれば、当然のようにワタクシの頭はヤングマンに占領されるのだった。

    (足腰の守護神、いのししの護王神社 1)

 

 ちょうどあの頃と同じことが、一昨日のワタクシに起こったのである。京都のホテルのエレベーターホールで、上りのエレベーターを待ちながら、ふと(もちろん頭の中で)口ずさんでしまったのが「すててこシャンシャン」の一節だった。

 

 あれ以来1日半、もうどうしても「すててこシャンシャン」から逃れられない。

「どんぶり鉢ゃ 浮いた浮いた、すててこシャンシャン」

「どんぶり鉢ゃ 浮いた浮いた、すててこシャンシャン」。

どんなに高尚かつ深遠な♡思考やら考察やらをめぐらせようとしても、我が頭脳の中は「すててこシャンシャン」、一歩もそこから動けない。

    (足腰の守護神、いのししの護王神社 2)

 

 レコードとしては、1965年、当時20歳だった「二宮ゆき子」という歌手が歌って大ヒットさせている。「すててこシャンシャン」でググってくれれば、たちまちYouTubeやら何やらで視聴できるから、諸君もぜひ忙しい毎日の一服の清涼剤として聴いてくれたまえ。

 

 1965年当時は、まだ「お座敷小唄」と言ふものが現役で生き残っていて、二宮ゆき子の他にも「三浦布美子」やら「市丸」やら、芸者衆がお座敷で歌い踊る小粋な歌が、テレビの電波に乗って流れていた。

 

 もちろん今井君はそういう世代の息子世代であるから、リアルタイムでお座敷小唄を知っているわけではない。しかし父上やら母上やらが「紅白歌合戦」「思い出のメロディー」なんかでニコニコ笑いながら見ているお座敷小唄を、コタツに潜り込んで横で聴いて育った世代なのである。

    (足腰の守護神、いのししの護王神社 3)

 

 しかしそれにしても「すててこシャンシャン」とはまた、素晴らしいふざけ方じゃないか。作詞:永井ひろし。おやおや、ワタクシは今井ひろし、すててこシャンシャン作詞は永井ひろし。似た者どうしというか、共に「ひろし世代」を飾るふざけた仲間どうしなのである。

 

 昭和のオトーサンといえば、夏はステテコが定番。いま再びステテコがはやっているみたいだが、ああいうオシャレなデザインのカッケーすててこではなくて、スーツのズンボの下にはく白いヨレヨレの半ズボン、「いかにも下着」というタイプのステテコである。

 

 一張羅のスーツのズンボが、汗でびしょ濡れになってダメになると困るから、昔のオトーサンたちは真夏の仕事に出かけるときは、ズンボの下にステテコをはいて、ステテコに汗を吸収してもらった。仕事から帰れば、スーツのズンボを脱いでステテコ1枚、上はランニングシャツ、その姿でお客の応対にも平気で出たのである。

 

 ランニングシャツにステテコ、くわえタバコで満面の笑顔。赤塚不二夫の漫画の定番であるが、まさに子供時代のワタクシは、そういう環境で育った。だから今、何かのはずみに「すててこしゃんしゃん」が口をついて出ても、何の不思議もない。

  (京都府庁。護王神社から、歩いて10分もかからない)

 

 しかし諸君、困った。仕事のない時ならいいが、今日はこれから神戸の三ノ宮に出かけて、申し込みベースで300人単位の大きな公開授業がある。小難しい英語学習法の話をしていていきなり、この灰色の脳細胞の大半を「すててこシャンシャン」なんてのが占領したらたいへんだ。

 

 もちろんワタクシは大ベテランだから、そんな心配は皆無と言っていいが、しかし諸君、「ふと異様に楽しくなる」ということは少なくない。

 

 あんなにマジメに語りかけていたのに、ふと異様に調子づき、ふと異様に陽気になって、話があっちへ飛び、そうかと思えばこっちに飛び、妙に早口になって喋り始めたら、それはきっと「すててこシャンシャン」の影響なのである。

 (京都府庁、府議会室。ふとワタクシの講演会場を思い出す)

 

 さて諸君、白状するがワタクシは、11月中に2回もイノシシ鍋を貪った。11月26日の大阪♡鶴橋で1回目。11月30日の京都♡鞍馬口で2回目。2回ともイノシシのお肉を2人前ずつオカワリして、2回ともお店の人たちが腰を抜かした。

 

 だから今、ワタクシの肉体のかなりの部分をイノシシ経由のタンパク質が形成している。詳しくは後日の記事に託すとして、とにかくイノシシはワタクシの大好物。冬になればイノシシにクマにシカ、そういうたくましいケモノたちの強烈な活力を、ありがたくいただくことにしている。

    (京都府庁前、「お蕎麦 田毎」の晩酌セット)

 

 10年ほど昔には、下北沢「禅べえ」というお店に夜な夜な出入りして、他にもダチョウやらラクダやらを貪ったものだが、名店「禅べえ」が店じまいしてもう長い月日が経つ。

 

 仕方なく今井君はスッポン系というか両生類&爬虫類系というか、そういう世界にも乗り出したが、いやはややっぱり我が友♡哺乳類がいい。毛の生えているヤツらのほうが、目玉ばかりぎょろぎょろして毛のない冷血動物より、やっぱり親しみが持てるじゃないか。

 

 というわけで、11月から12月にかけての時期には、ワタクシの食欲は専らイノシシ君たちに向かうのである。クマのお肉は現在、えらく激しく高騰しつつあるようで、「1人前8000円」と言われれば、何しろ何人ぶんもオカワリするワタクシだ、財布がいくらあっても足りなくなる。

 (京都府庁前、「お蕎麦 田毎」で親子丼セットを貪る)

 

 そこでワタクシは、イノシシのお肉をいただく前に、イノシシの神様にご挨拶しておくことにした。京都にはイノシシの神様もいらっしゃって、京都御所♡蛤御門の西向かい「護王神社」、足腰の神様としても有名なイノシシ神社である。

 

 遥かな奈良時代、称徳天皇の御代に現れた日本のラスプーチン・道鏡。皇位を狙った道鏡の野望を挫こうと立ち上がった和気清麻呂だったが、道鏡の怒りを買い、命を狙われる。

 

 刺客軍団に襲われ、足の腱を切断され、歩くことも出来なくなった和気清麻呂を、どこからともなく現れた300頭のイノシシ軍が危機から救ったという。その伝説から、和気清麻呂を祀ったイノシシの神社。蛤御門の目の前で、幕末の幕府軍 vs 薩長軍の激闘も見守った。

    (足腰の守護神、いのししの護王神社 4)

 

 その「亥子祭」は11月1日の午後遅くスタートする。「御つきの儀」は、平安時代の宮中の儀式を再現したもので、無病息災を祈って餅がつかれ、餅は京都御所に献上される。秋の夕暮れの薄闇が迫る中、行列は蛤御門から京都御所へ、手に手に提灯を掲げた参列者が連なる。

 

 やがて境内で、賑やかな亥の子囃子を唄いながら「亥子餅」がつかれ、ここでつかれたお餅は、参列者に振る舞われる。餅をつきながら唄う「亥の子囃子」がマコトに楽しい。中でも「イノシシゃ、モチ食って、ほーいほい!!」の一節が秀逸。肉体の一部がイノシシである今井君もまた、大いに「モチ食って、ほーいほい」なのである。

    (足腰の守護神、いのししの護王神社 5)

 

 亥の子囃子、その一部を以下に掲げておく。これもまたいろんな動画で楽しむことができるが、試験を控えた諸君はくれぐれも、かつての若き今井君が水戸黄門のテーマやヤングマンに悩まされたテツを踏まないように気をつけたまえ。

 

「つくつく つくつく 命つく」

「それ 幸いなーあ 幸いなあ」

「いのししゃ モチ食って ほーいほい」

「和気さん お出まし えーいえい」

「えーい えい」 

 

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 6/10

2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 7/10

3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10

4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10

5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10

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