Sun 231126 八面六臂/何だかちょっとツイてない/ニオイと騒音に苦しむ日々 4458回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 231126 八面六臂/何だかちょっとツイてない/ニオイと騒音に苦しむ日々 4458回

  一昨日は札幌にいた。朝のヒコーキで大阪に飛び、京都に移動した。まだ京都にいる。札幌では1000人規模の講演会をダブルでこなし、京都でも200人規模の講演会。昨日は京都北山で植物園を闊歩した後、クラシックコンサートを満喫し、今日はこれから大阪の国立文楽劇場へ、11月公演を観る予定でいる。

 

 いやはや、なかなかの八面六臂である。ワタクシにはどうやら「疲れる」と言ふことがないらしい。肉体を酷使すればするほど嬉しくて楽しくて、講演やら公開授業やらのクオリティがどんどん向上するのである。

(10月22日、 火の粉の舞い飛ぶ中、オミコシ2基が由岐神社の石段を一気に駆け下りる 1)

 

 ただしこの2ヶ月ほど、ほんの少しだけれども「ツイてないな」と感じることがある。何だか、天候が思わしくないのである。

 

 普段はほぼカンペキな「晴れ男」であって、前日まで雨がシトシト降っていた街でも、ワタクシが訪問すれば必ず雨が止む。講演会が近づけば、スカッと晴れる。ところがこの2ヶ月、「秋冬シリーズ」が始まってからずっと、状況は正反対。ワタクシが到着すると荒天になる。

 

 一昨日の札幌なんかでもそうだったので、北日本にいきなり「爆弾低気圧」がやってきた。前日まで晴れていたのに、講演当日は朝から生ぬるい雨がパラパラ、いやらしい温暖前線が接近してきた。

(10月22日、 火の粉の舞い飛ぶ中、オミコシ2基が由岐神社の石段を一気に駆け下りる 2)

 

 温暖前線を追っかけるように、低気圧本体が通過し、寒冷前線もぐんぐん接近し、急激に気温は低下、23日の17℃から、あっという間に0℃とか氷点下とか言い出した。天気予報では「北日本は大荒れ」「急激な積雪」「交通機関の乱れに注意」、そういう物騒なことばかり言っている。

 

 今井君はその荒天をついて、札幌から京都まで一気に移動しなければならない。万が一ヒコーキが「風で欠航」「雪で欠航」なんてことになれば、鉄道での移動に切り替えだ。札幌から函館まで4時間、函館から東京まで4時間、東京から京都まで2時間、合計10時間を座り続けることになる。

(先触れを先頭に、オミコシ2基は鞍馬の町内を1周する 1)

 

 まあ、それでも何が何でも京都まで、意地でも講演会場に駆けつける覚悟なんだから、今井君と言ふのはホントに物凄い根性の持ち主なのだ。ヤワなオカタなら、間違いなく「ヒコーキが飛ばないから休講にします」と、ほとんど嬉しそうに電話連絡するような雲行きなのだった。

 

 ま、杞憂に終わった。札幌から大阪伊丹へのヒコーキは、強風の中を無事に離陸。強烈な偏西風を真正面から受けて20分も遅れたけれども、2時間かけて大阪に接近。降下を始めると今度は長く強い揺れに襲われたが、これも無事に乗り切った。

 

(先触れを先頭に、オミコシ2基は鞍馬の町内を1周する 2)

 

 しかし諸君、他にも「ツイてないな」と感じることがいろいろ続くのだ。コロナがほぼオシマイかと思ったら、いやいやまだまだ続いている。すると今度はインフルエンザが大流行の兆し、というか実際に流行していて、公開授業への止むを得ない欠席が増えるのである。

 

 ワタクシはやっぱり「超満席」が何より好きなので、「インフルエンザで学級閉鎖なんかも出ていまして」と、公開授業の開催スタッフが顔を曇らせた瞬間、あまりの残念さにしょんぼり、会場にポツポツ見える空席にまたしょんぼりして、なかなか100%満足の出来にならない。

(先触れを先頭に、オミコシ2基は鞍馬の町内を1周する 3)

 

 そうかと思えば、空港へのリムジンバスや電車の中で、キツい体臭を放つ中年男たちと、あまりにも頻繁に隣り合うのである。一週間前には、羽田空港から新宿西口まで、「明らかにギョーザを腹いっぱい食べたばかり」という男が、今井君の前の席にいらっしゃった。ほぼ1時間の難行苦行となった。

 

 札幌に旅立つ朝のバスでも、ほぼ同じようなダンナが今井君の前の席を占めた。朝の爽やかな空気も、「これから札幌・京都・大阪、長い旅を満喫するぞ」という張り切った心も、ニンニクとネギとニラと豚骨ラーメンのニオイの中にドボンと沈んでしまった。

 

 札幌から大阪へ飛ぶ前には、新千歳空港に向かう電車の中で、「明らかに4〜5日お風呂に入っていないオジサマ」が、またまたワタクシの前席に。身だしなみはなかなか素敵にしていらっしゃるが、その脇の下やら首筋やら脂デロデロの髪の毛からプンプン流れてくる強烈な体臭に、ほぼ目の回る思いだった。

 

 ご同輩諸君、是非ちゃんとお風呂に入りたまえよ。ちゃんとセッケンで肉体とドタマぐらいゴシゴシ洗いたまえよ。混雑した交通機関を利用する時刻が24時間後に迫ったら、豚骨ラーメンやギョーザや行者ニンニクをできるだけ遠ざけたまえよ。要するに、エチケットぐらい守りたまえよ。

(先触れを先頭に、オミコシ2基は鞍馬の町内を1周する 4)

 

 そうかと思えば、せっかく夕食を楽しもうと入った洋食屋で、異様なほどの爆笑を繰り返すグループと隣りあわせたりする。昨日の夕食は京都五条の洋食屋であったが、隣り合わせた中年男子グループは、市内の中高一貫校と思われる教職員男子4人組だった。だって彼らが大声でそう繰り返すのだ。

 

 その彼らが10秒に1回、あたりを圧する大声で爆笑するのである。爆笑に合わせて、盛んに手を叩く。手を叩きながらの爆笑、テレビのバラエティ番組でよく見かける醜態であるが、そのお隣のテーブルのワタクシは、もう何を食べてもちっとも旨くない。

 

 同じフロアにはもうひと組、静かに食事を楽しんでおられる中年の上品なカップルもいらっしゃった。彼と彼女もまた、大いに迷惑している様子。しかし爆笑と拍手は一向に収まらず、彼らの勤務する学校内のゴシップやら同僚の悪口やら、いやはやどうも聞くに耐えない。

  (御旅所の前では、大タイマツに火がつけられる 1)

 

 10年前の今井君なら、ああ言う場合はツカツカ立っていって「すみません、他のお客さんもいらっしゃるんですから、少し静かに会話していただけませんか?」と即刻お願いするところだったが、最近のワタクシはすこぶる控え目である。そういう勇敢な行動はとらない。

 

 しかし諸君、立ち聞きしたわけでも何でもなく、いやでも耳に入ってくるのだから致し方ない。少なくとも同僚の女性教師の容姿やら何やらに関する噂話は、中高年教職員ともあろう者なら、他人の耳もある飲食店内では慎むべきなんじゃないか。いやはやマコトに気分の悪い一晩だった。

  (御旅所の前では、大タイマツに火がつけられる 2)

 

 ま、そういう日々の中でも、やっぱり嬉しい出会いはある。新千歳空港でも「あ、今井だ」「あれ、今井先生じゃね?」とすれ違いざまにビックリ驚きの声が頻繁に上がるのであったが、キチンと「もしかして今井先生ですか?」と挨拶してくれた元生徒がいた。

 

 今は高校で英語の教員をなさっているのだという。「今井先生の著書も読んでいます」「ブログも読んでいます」「写真、いいですか?」と嬉しそうにおっしゃる。

     (オミコシ2基を、御旅所に収める)

 

 かく言うワタクシは、ヒコーキに乗る直前だというのに、朝ラーメンを満喫してきたばかり。「ラーメンくさくないかな?」と自らを反省しながら一緒に写真に収まった。彼の穏やかな物腰、落ち着いた声、きっと素晴らしい先生なのだろうと確信した。

 

「あれれ、偉そうなこと言っといて、ヒコーキに乗る直前にテメエもラーメン食ってるじゃん?」であるが、ワタクシが新千歳空港でいただいたラーメンは、空港内のラーメン屋で一番控え目な「弟子屈ラーメン」、しかも弟子屈ラーメンの中でも最も控え目な「むかし醤油ラーメン」を選択したのである。

(終盤のクライマックス。「サイレヤ、サイリョー」を連呼しながら、ふんどし&コシミノの男たちが手拍子、繰り返し大地を踏みしめる)

 

 言い訳をするようであるが、一番人気の「一幻」は我慢した。朝9時の「一幻」、すでに中国人&韓国人の皆様がまさに長蛇の列を作っていたが、「一幻」をすすり徹底的にエビくさくなってヒコーキに乗り込めば、隣の乗客や前後の乗客が「すわ、甲殻類が乗ってきた」と腰を抜かすに違いない。

 

 そこへいくと「弟子屈」「むかし醤油」、これはマコトに優しい雪国の味とカホリであって、周囲の人々を驚かすことはまずありえない。もしエチケットを考え、しかももしどうしてもラーメンを我慢しきれないならば、諸君「弟子屈」「むかし醤油」、この辺に抑えておくのが賢明な生き方だ。

(鞍馬の火祭りを彩った太鼓とチャッパ。人々が三々五々引き上げ始めても、太鼓&チャッパは鳴り止むことがない)

 

 さて10月22日の鞍馬の火祭りであるが、2022年に眺めた午後10時までの「前半」は個人戦、2023年に最後まで満喫した「後半」は団体戦の趣きなのであった。

 

 前半は男たちが1人1人、燃えさかる巨大なタイマツを個人の力の限りを尽くして運ぶ個人戦。10時半以降の後半は、鞍馬中の屈強な男たちが力をあわせ、2基の巨大オミコシを御旅所まで運ぶ団体戦なのだ。

 

 由岐神社の急な石段を、オミコシ2基が一気に駆け下りる。大量の火の粉が飛んでマコトに勇壮、沿道からは大歓声と大喝采が起こる。ここが後半の前半であり、クライマックスである。石段を駆け下りたオミコシ2基は、勢いをグッと緩めて、鞍馬の町内をひと巡りする。

(力強く太鼓を打ち鳴らしているのは、鞍馬のオカーサマだった)

 

 そのクライマックスの真っ最中にも「今井先生ですか?」の声がかかるのである。ワタクシの背後でしばらく「有名な人だよ」「へえー、そうなの?」「オレも、夏休みに授業うけてた」「面白かったよ」「へえー」みたいな会話が続いていたと思ったら、まもなく長身の青年が声をかけてくれた。

 

「ありがとうございました」「いまは京都大学に通っています」「総合人間学部です」とおっしゃる。なるほど、火の粉の散る中で彼のお顔を眺めてみると「いかにも京都大生」という賢そうな表情で微笑しているのだった。

 

 なんとなく「ちょっとツイてないな」という日々でも、こういう嬉しい出会いが頻繁にあるから、救われる。諸君、どんどん声をかけてくたまえ。遠慮なく声をかけてくれたまえ。

 

1E(Cd) Fischer & Budapest Festival:BRAHMS/HUNGARIAN DANCES

2E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM 1/2

3E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM 2/2

4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 1/10

5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 2/10

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