Mon 231120 今日もオマモリ写真/11月18日/京都府立植物園/串揚げ屋 4456回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 231120 今日もオマモリ写真/11月18日/京都府立植物園/串揚げ屋 4456回

 一昨日から博多に滞在して、博多北側の住宅地「香椎」という街で公開授業を実施した。香椎と書いて「かしい」と発音する。

 

 一昨日の博多は夕暮れから強烈な雷雨に見舞われ、博多駅からコンビニに寄って宿泊先のホテルにチェックインするだけのことで、ワタクシ全身びしょ濡れになった。その後は急激に気温が下がって木枯らし。飲食店でも「今年初めて」と言いながら暖房を入れ始めた。

 

 諸君の多くはおそらく気づいていないだろうが、11月18日と19日は、毎年こんなふうにその年最初の寒波が訪れる日である。少なくとも日本海側の街ではそうなので、実は博多も立派に日本海側の都市なのだ。

(京都府立植物園の秋のバラ、10月16日。これもオマモリによさそうだ 1)

 

 かく言うワタクシは、日本海側も日本海側、「日本海側の街」と言えば誰もが思い浮かべるであろう秋田県秋田市の出身だ。11月18日、11月19日、その年最初の積雪らしい積雪は、だいたいこの2日の間に降って、その2日か3日後にはいったん全て融けて流れてしまい、根雪になる積雪はその約1ケ月後に訪れる。

 

 中学2年の時、市内の中学校の「生徒会リーダー研修」なんてのがあって、今井君自身は自分が「生徒会のリーダーだ」などとは全く思ってもいなかったが、まるで当然のことのように選ばれて、会場だった「青少年の家」を訪れた。

 

 いやはや気恥ずかしいもいいところだったが、市内の全中学校を代表するマコトに積極的な「いかにも」という中2のリーダーたちが「青少年の家」に集結し、「よろしくお願いします」とお互い清々しい笑顔で挨拶を交わすのだった。

(京都府立植物園の秋のバラ、10月16日。これもオマモリによさそうだ 2)

 

 唯一その場に似つかわしくないのが、当時14歳の今井君。テストの点数ばかり異様によくて、何かと言えば先生に食ってかかり、しかも先生を確実に言い負かす、要するに「悪い子」「いけない子」「むかつく子」の代表格なのに、どういうわけか好青年グループの待っただ中に立たされた。

 

 仕方がないので、集合した会議室の窓から、ちょうどその午後から激しく降り出した雪の有様を眺めていた。秋田の11月の夕暮れは早いので、16時を過ぎればもうすっかり夜の気配。湿った雪がしんしんと降り続き、窓ガラスは好青年たちの吐く息で、あっという間に白く曇ってしまった。

(京都府立植物園、ちょうど盛りだったコスモス、10月16日。これもオマモリによさそうだ)

 

 こういう場合、最後の最後まで絶対に発言なんかしないのが、当時の今井君だ。最後の最後まで、ニヤニヤ&ニタニタつまらなそうに聞いていて、本当のどん詰まり、「まだ発言していない人は…」と司会が心配そうに会場を見回して「では、今井君の意見は?」と笑顔で指名してくるまで、何にも言わないでいる。

 

 で、その「ご指名」が回ってくると、ゆっくりとしかも明晰に全否定する。会合やらミーティング自体の意味を根底から疑問視するような発言をする。しかもそれがマコトに長く、マコトに徹底的である。絵に描いたような「イヤなヤツ」、それが14歳当時の今井君であった。

(京都府立植物園、パパイヤツリー、10月16日。これもオマモリによさそうだ)

 

 それから4年後の同じ11月18日、いや19日だったか、18歳の今井君は「模擬試験」の会場にいた。4年前と同じように大雪になって、「会場」と言っても毎日通っている高校の1教室に過ぎなかったが、湿った大雪のなか自転車に乗って、暖房の効いた教室で模試の開始を待った。

 

 それまで、高校独自の「実力テスト」だの「学力テスト」だの、そういうのは仕方なく受験していたが、大事なオカネを払って受ける業者模試は一度も経験がなかった。それが「駿台模試」、全くやる気がなくて、1ヶ月経って返ってきた成績は、偏差値43.9、中学生の頃の神童ぶりはすっかり影をひそめていた。

 

 それでも、あの11月19日の積雪の記憶だけは今もハッキリと残っている。模試の問題はちっとも解けなかったし、と言うことはさぞかし結果が悪いのも承知の上だったが、特にショックもなし。だってまだ受験勉強なんか丸っきりしていないんだし、入試までまだ3ヶ月も残っていた。

 

「3ヶ月あれば何とでもなるだろう」という非常識きわまりないこの発想、しかし少なくともその後の3ヶ月で第2志望までは全て合格したのだから、あんまり文句は言ってもらいたくなかった。模試の帰り道、長い長い跨線橋があって、夕暮れになって早くも融け始めた湿雪を、タイヤチェーンを巻いた大型トラックが無遠慮に跳ね返して次々と走り過ぎていった。

(京都府立植物園、キレイに色づいたコキア、10月16日。これもオマモリによさそうだ)

 

 そういうことを思い返しつつ、2023年11月19日のワタクシはしょんぼり博多に滞在していた。この後のスケジュールは、札幌。札幌の翌日には京都。なかなかのハードスケジュールである。

 

 札幌でダブルヘッダーでの公開授業をこなしたあと、一気に京都まで移動しなければならない。朝9時に札幌を出て、京都には15時到着の予定。しかもその移動当日、天気予報では「北日本では大荒れ、交通機関の乱れにご注意を」と言っている。全く気の抜けない日々が続く。

(京都駅構内の串揚げ屋にて。大好きなうずらは必ず2本。しいたけも旨い)

 

 一方、今日の写真のキレイなバラは、10月16日の京都府立植物園でのもの。10月16日と言えば「さぞかしコスモスがキレイだろう」「菊も大きな花を咲かせているだろう」と期待して行ったが、コスモスはまだ咲き始め、菊は硬いツボミのままで、秋のバラがやっと盛りを迎えたあたりだった。

 

 今年は京都府立植物園の「年間パスポート」まで購入したのである。MKタクシーの「タクポ」も所有、植物園の年間パスも所有、中でも10年以上使用している「タクポ」はすっかり擦り切れて、もう誰が見ても京都在住の高級オジサマにしか見えないが、これでもワタクシ、住所は間違いなく東京渋谷区なのだ。

(京都駅構内の串揚げ屋にて。きすは4本、エビ、アスパラは1本ずつでいい)

 

 キンモクセイのいい香りがするので、ふと見上げてみるとワタクシのすぐ真横にキンモクセイの大木が3つ。こりゃ濃厚なカホリも「むべなるかな」であるが、ちょうど通りかかった植物園勤務のオバサマが、マコトに丁寧にキンモクセイ3本の説明をしてくださった。

 

「実は、年間パスを持っているんです」と告白すると、オバサマは心から嬉しそうに「ありがとうございます」「ありがとうございます」と何度も頭を下げてくださった。素晴らしい植物園なのだ。この植物園に何か悪い影響のあるような巨大建築物の建設は、どうしても中止してほしいと切望する。

(京都駅構内の串揚げ屋にて。〆はコロッケ。油物の食べ過ぎかもしれない)

 

 夕暮れの新幹線で、東京に帰る。東京に帰るのはいつでも悲しいし、新幹線の駅構内があまりにも混雑し過ぎていて、こりゃ少しでも長く京都滞在を満喫したい気持ちになる。そういう時に便利なのが、最近発見した串揚げ屋である。

 

 混雑すると困るので、店の名前は明かさないでおく。新幹線のエントランスまで徒歩5分、いつでも空いていて、「座れない」「列に並ぶ」などという経験はない。単独でも「テーブル席で」と言えば、無理が通ることが多い。ま、もちろん今井君は無理はイヤだから、たいていはカウンターで構わない。

 

 座ってすぐ、間髪を入れずに串揚げを数種類注文する。しいたけ、きす、うずら、ウィンナ、エビ。それに一品料理で出汁巻たまご、腹が減っていればコロッケ。これらが全部、10分も待たないで供される。

 

 味はまずまず、グルメ番組の食レポみたいに顔をひん曲げて苦しげに「んんんーん」絶叫するほどではないが、「1.5流」ぐらいは言ってあげていい旨さではある。少なくとも、串のコロモがポロポロ剝げ落ちるとか、その類いの大惨事にはならない。

(新幹線の車内販売が終了になる直前、例の「かたすぎるアイス」を購入してみた)

 

 東京へ帰り道なら、日本酒も2合3合と注文するのである。京都駅周辺で何より大切なのは、いつでも席が空いていること、いつでもすぐに座れること、料理がすぐに出て、ある程度以上愛想よく迎えてもらえることである。

 

 ここで気持ちよく満腹になり、気持ちよく日本酒4合ほどをいただけば、京都から東京まで新幹線で2時間強、ぐっすり眠って浜名湖にも富士山にも気がつかない。気がつけばもう新横浜を過ぎて、アナウンスは「まもなく品川です」と言っている。忙しすぎる里芋オジサマのわずかな休息として、これほど爽快なものは他に考えられない。

 

1E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR 1/2

2E(Cd) Schreier:BACH/MASS IN B MINOR 2/2

3E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.1

4E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.2

5E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.3

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