Sun 231111 第1次朝食ブーム/第2次朝食ブーム/そして第3次がやってきた 4453回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 231111 第1次朝食ブーム/第2次朝食ブーム/そして第3次がやってきた 4453回

 10年に一度ぐらいの頻度であるが、ワタクシはむやみやたらに朝食に凝るのである。何が何でも朝食を貪りたい。それも食べたらすぐパワー全開になる栄養満点の朝食を貪りたい。その思いが急激な上昇カーブを描き、もう居ても立ってもいられなくなる。

 

 まずは20歳代の序盤、その朝食ブームが訪れた。何をやってもうまくいかない頃で、友人たちがみんな就職活動で次々と「内定がきた」「内々定がとれそうだ」とハシャいでいるのを眺めながら、ひとり寂しく「やっぱり朝食が大事だよな」と呟いていた。

 

 寂しくなるのも当たり前だ。だって友人たちは学部3年秋ぐらいからのシューカツ。今井君は「最終学年の10月まで、そんなことはしたくない」という奇妙な考えに取り憑かれ、毎日毎日が国会図書館で読書&読書の日々。大学に出かけても、相手にしてくれる友人は1人もいなかった。

(10月15日、京都粟田神社での「式包丁」奉納。詳しくは、次回の記事で 1)

 

 そこで「何がなんでも朝食」の日々になった。朝6時に千葉県松戸のアパートで起床。築30年、今にも崩壊しそうなボロアパート「松和荘」の2階の部屋で、汲み取り式トイレの悪臭に耐えながら、我が第1次朝食ブームの日々が続いた。初夏から猛暑の夏へ、3ヶ月続いた朝食ブームだった。

 

 まず、キュウリ1本、トマト1個。冷えたミルクをグラス1杯と、オレンジジュース。インスタント味噌汁に、生玉子を1個投入してグビグビ。さらに6枚切りのトーストに、ハムとチーズを挟んで、最後にコーヒーを飲んだ。トーストはタヌキ色に焼いて、コショウと塩をかけた。

 

 ハムとチーズがなくても、塩とコショウだけでトーストはマコトに旨い。オカネがない時は、ハム&チーズなしのトーストだけで夜のお酒の相手にちょうどよかったが、それはまた別の話である。山椒とジャム、山椒と蜂蜜、そういう意外な組み合わせの妙にも気づいた。

 

 あれから幾星霜、今のワタクシが「ミルクが嫌い」「トマトが嫌い」「山椒で胸焼けがする」、そういうワガママを通している第一の原因は、あの数ヶ月「パワフルでヘルシーな朝食」にこだわりすぎたせいかもしれない。諸君、今でもワタクシは生玉子が大の苦手である。

(10月15日、京都粟田神社での「式包丁」奉納。詳しくは、次回の記事で 2)

 

 それから10年余りが経過して、第2次朝食ブームが訪れる。30歳代の初期、予備校講師としていきなり思い切り「パン!!」と絶頂期を迎え、埼玉県鷲宮町から世田谷区下北沢に引っ越して、得意の絶頂にあった頃である。どうしても「パワフルな朝食」にこだわりたかった。

 

 すると何故だか、毎朝「塩ジャケ2切れ」が必須なんじゃないか、そういう思いに取り憑かれる。小ドンブリに白米をパンパンに詰め、これにお茶をかける。何しろ毎朝9時から猛烈な授業の連続だ。忙しい、あまりに忙しい。丼に熱い煎茶か番茶をザブッとかけて、塩ジャケ2切れで一気に茶漬けをいただいた。

(10月15日、京都粟田神社での「式包丁」奉納。詳しくは、次回の記事で 3)

 

 30歳代の今井君は、要するにお茶漬け男であって、来る日も来る日もお茶漬け&お茶漬け、またお茶漬け。1日にドンブリ1杯の白米を茶漬けで喰らい、塩ジャケ2切れを一気に貪り、それで1日5コマの授業を楽々こなした。

 

 だから、あの頃の代々木ゼミナールでの昼メシは、盛り蕎麦1枚で済ませた。だって我がポンポンの中には朝食のドンブリ飯が分厚く堆積し、堆積した地層には塩ジャケ2匹分が古代の化石のように詰まっている。何も昼メシに、余計な寿司だのカレーだの焼き魚定食だのを詰め込む必要は皆無なのだ。

 

 いやはや代々木ゼミナールが全盛だった2000年代初期、他の超人気講師の皆様はマコトに豪華なランチを楽しんでいらっしゃった。「蕎麦屋のカレー」みたいな質素なセンセももちろんいたけれども、ある者はウナギ、ある者は寿司盛り合わせ、「ランチに5000円」なんてのはザラだった記憶がある。

 

 しかし諸君、何しろ今井君のポンポンは朝食のドンブリ飯というか茶漬け、ついでに塩ジャケの大きな切り身2切れでいっぱい。とてもとても5000円のランチなんてのは思いもつかない。盛り蕎麦1枚で十分、それ以上は全く欲望が動かなかった。

(10月15日、京都粟田神社での「式包丁」奉納。詳しくは、次回の記事で 4)

 

 寂しく蕎麦をすすっている今井君を見て、代ゼミの事務長がエラく心配してくれた。何しろ5000円ランチの真っただ中での「盛り蕎麦1枚」だ、「ホントに今井先生、それだけで午後も大丈夫なんですか」と真顔で尋ねられた。20世紀の予備校の世界では、誰知らぬ者もない有名な事務長である。

 

 今井君は静かに落ち着いて、「朝食を目いっぱい食べてきてますから」と応じた。事務長は熱く熱くうなずいて、「おお、そうですね。朝をしっかり召し上がれば、それが一番いいですよね」「私もこれからはそうしましょうかね」と、ついでにその頃の今井君の活躍ぶりを絶賛してくれたのである。

(なか卯、京都八条口の駅前で「京風豚汁目玉焼き定食」を満喫する。トッピングで銀ジャケもプラスする)

 

 それが、我が朝食の第2次ブームである。あれから幾星霜、中年以後のワタクシはすっかり怠惰になって、第3次の朝食ブームは滅多なことではやってこなかった。

 

 フィギュアスケートの浅田真央選手がCMに出て、「朝食ですよ 朝食ですよ 何が何でも朝食ですよ」と、涙目で訴えかける時代もあった。「朝ごはん、真央は食べてる。みんなは食べてる?」というコピーだったが、中年イマイは一言「ウルセー♡」と叫び、前夜に痛飲した酒の味を噛みしめるばかりだった。

  (いやはや、今やワタクシ、なか卯朝食の大ファンだ)

 

 ところが諸君、何を間違ったものか、今年の春ぐらいから「第3次朝食ブーム」がワタクシを襲っているのである。それも「トマト1個・キュウリ1本・牛乳1杯・インスタント味噌汁に生玉子」みたいな、第1次の嫌いなものテンコモリの朝食とは違う。

 

 むかしむかしの20歳代には、とにかく嫌いなものをテンコモリにすれば、それが一番パワフルで身体にいい朝食だと思い込んでいた。逆に30歳代の前半には、ドンブリ飯1杯にお茶をぶっかけ、出来るだけ塩辛い塩ジャケ2切れ、まさに日本中の医者という医者が「危険です」と絶叫する類いの朝食をナンボでも貪った。

 

 あれから幾星霜、さすがにアホな今井君もすっかり立派な大人に成長したのである。バカなことはもうヤメにして、朝食は「なか卯」「すき家」「吉野家」「かつや」、食事のプロに完全におまかせで、後片付けや食器洗いの心配も一切ナシ、そういう落ち着いた朝食ブームなのである。

(粟田神社から、上賀茂神社に向かう。10月15日には「笠懸神事」がある 1)

 

 諸君、何と言っても「なか卯」の朝食、これはあまりに抜群すぎて、もう何も言うことはない。「京風豚汁と目玉焼き定食」、これに銀ジャケをトッピングしてみたまえ。20分かけてじっくり味わってしまえば、おそらくその後まる1日、特に食事を取らなくても胃袋は不満を言ってこない。

 

「かつや」の朝食でもいい。カツ丼を少し遠慮して「梅」、しかし豚汁を大盛りにすれば、洗面器みたいな巨大な器にニンジンたっぷりの豚汁が溢れんばかりに盛られてくる。今井君にとってニンジンは天敵だけれど、豚汁の中のニンジンは別扱い、これ1杯すすれば、もう2日も3日も食事を必要としない勢いだ。

 

 吉野家の朝食となると「店内の雰囲気が若干ワイルドすぎる」というキライがあるが、まあ男子ならその程度のワイルドさ、臆病にひるんでいてはならない。颯爽とカウンターに足を運び、颯爽と「ダブルハムエッグ納豆定食!!」と喝破してみたまえ。納豆がイヤなら、納豆の代わりに「牛小鉢」という抜け道だって存在する。

 

 いやむしろ「朝から牛丼」がいいじゃないか。まず「肉だく牛丼」を選択する。ドンブリ飯に肉がダクっと乗っかっている。しかもその「肉だく」の中で「アタマの大盛り」を選択する、すると諸君、ヨシギューのドンブリの中は、肉ダク×肉大盛り、2×2で4倍の肉でダクダク、なかなか激しい肉祭りになる。

(粟田神社から、上賀茂神社に向かう。10月15日には「笠懸神事」がある 2)

 

 10月15日、博多から京都に到着した今井君としては、まずは京都八条口「なか卯」に闖入して「豚汁目玉焼き定食、銀ジャケをトッピング」をやりたかったのであるが、到着は午前10時過ぎ、この時間帯ではもはや朝食メニューは終了していた。

 

 そこで諸君、ワタクシは新幹線からMKタクシーの乗り場に直行。朝食よりも何よりも、粟田神社の神事に駆けつけて、今日の写真の「式包丁奉納」をじっくり眺めることにした。その詳細は、次回の記事で。

 

1E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 2/2

2E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1

3E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.2

13A(α) A TREASURY OF WORLD LITERATURE 40:MAUGHAM

total m34 y786  dd28736