Fri 230929 早朝のサモア戦で、早稲田ラグビー愛がつのる/安眠妨害のサトイモ 4435回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 230929 早朝のサモア戦で、早稲田ラグビー愛がつのる/安眠妨害のサトイモ 4435回

 今朝は4時からノコノコ起き出して、日本ラグビーにオトナゲない歓声を送った。何しろ小3からラグビーに熱中してきた今井君だ、そのぐらいは許してくれたまえ。

 

 ただしあくまでワガママなのであるが、生中継が日テレなのは、どうもイヤなのである。どうしても実況はNHKの豊原謙二郎アナがいい。前半のサモアのオブストラクションを理解するのに十数秒もかかるような実況だと、早朝からどうも調子が狂う。

 

 あと、日テレは「美談」が多すぎる。お正月の大学箱根駅伝もそう、高校サッカーもそう。実生活での美談の紹介より、いま目の前の試合の実況に集中していただきたい。

 

 勝つには勝ったけれども、6点差に迫られた最後の数分はマコトに危なかった。あとパス1つ繋がれて、万が一ペナルティでモールトライなんか狙われたら、1点差でのミラクル大逆転で敗戦なんてことになる可能性もあった。残り5分での9番10番の選手交代は、どう見ても「余裕コキすぎ」だろう。

(大西鉄之祐:ラグビー 荒ぶる魂:岩波新書 1988年。図書館でどうぞ)

 

 ところで諸君、ワタクシのラグビー観戦歴は、そのほとんどが早稲田ファンとしての観戦歴だ。ふと気づいて嬉しくなったのは、今回の日本代表チームに早稲田大出身の選手が驚くほど多いことだった。

 

 数えてみると、プロップ垣永・フランカー下川・昨日大活躍したSH斎藤・SO小倉・CTB長田・フルバック山中、数少ない純ジャパのうち6名を、早稲田大出身の選手が占めている。下川は、福岡の超名門・修猷館高の出身だ。いいですね、修猷館でラグビーやって、日本代表にも入る。素晴らしい人生ですな。

 

 この15年の大学ラグビーは、帝京大学の長い天下が続いている。大学選手権なんかでも、帝京大と対戦した早稲田はほとんど「格下扱い」に近いテイタラクが続いて、30点差とか40点差とか、長年のファンとしてはまさに切歯扼腕、「もう大学ラグビーなんか見ない!!」と絶叫することもしばしばだった。

 

 しかしいざ日本代表の選手を選考する段になると、こうして早稲田出身の選手がズラリと入ってくる。確かに「主力」ということになると斎藤と下川と長田の3人になっちゃうが、しかしそれでも、帝京大に長く圧倒されてきた早稲田大から、こんなにたくさん日本代表に選ばれるのは嬉しいじゃないか。

 

 キャプテン経験者も、斎藤・長田・垣永、3人もいる(垣永はキャプテンじゃなかったかも。ググってくれたまえ)。小倉も山中もかつてはサブキャプテン格。体格でも体力でも個人のパワーでも圧倒的に劣る早稲田大で耐えに耐えて勝ち抜いた経験が、世界を舞台に戦う時になると、グッと力強く生きてくるのかもしれない。

(8月18日、京都鞍馬口「上御霊神社」にて六斎念仏を堪能。本日の記事とは何の関係もありません 1)

 

 明治のファンも慶応のファンも法政のファンも筑波大のファンも、同志社のファンも天理のファンも帝京のファンも京産大のファンも、ぜひ腹を立てないで読んでいただきたい。

 

 いや、最も腹を立てそうなのは早稲田のファンかもしれない。しかしそんなに短気にならないで、噴飯でも失笑でも嘲笑でもいい、とにかくニヤニヤ笑いながらでいい、おバカな今井の意見を読んでくれたまえ。

 

 ワタクシが早稲田ファンになったのは、1970年代の中頃である。当時から早稲田は、身体の小さなフォワードが耐えに耐えてワンチャンスをものにするスタイル。永遠のライバル♡明治大とフォワード体重差10kgなどということも珍しくなかった。

 

 例外は、2000年から2010年ごろまで、清宮パパが監督だった時代。大学ラグビー界随一の強力フォワードが、自陣深くからフェーズを連取してトライを量産するスタイルで、大学日本一どころか、日本選手権でトヨタ自動車を撃破する快進撃さえ見せた。トヨタからのモールトライ、いま見ても熱い涙が抑えきれない。

(8月18日、京都鞍馬口「上御霊神社」にて六斎念仏を堪能。本日の記事とは何の関係もありません 2)

 

 多くのファンはそれで快哉を叫んだが、早稲田ラグビーを心底から愛する人々の中に「お前ら、紫紺じゃないんだぜ」という疑問の叫びも上がった。

 

「紫紺」とは、明治大のラグビースタイルのこと、「重戦車」という愛称の重量フォワードが、相手フォワードを徹底的に蹂躙&粉砕するスタイルを「紫紺」と呼び、帝京も大東も京産も天理も、基本的にはそのスタイルでそれぞれの全盛期を迎えた。

 

 しかし早稲田だけは、清宮パパ監督時代を除いて、小さな軽量フォワードが歯を食いしばり、耐えに耐えてギリギリで薄氷の勝利に至る、その戦い方に長くこだわってきた。「古くさい」と批判を受け、「むかしむかしの夢を追うのはもうやめたほうがいい」と非難され続けた。

 

 それでもつい数年前、SH斎藤直人がキャプテンの時代に、マコトに久しぶりの大学日本一に輝いて、何とか一矢を報いた。大学選手権の決勝は重戦車フォワード♡明治大との決戦だったが、SO 岸岡のドロップゴール作戦がイヤになるほど見事にハマって、何とか勝利できた。

(8月18日、京都鞍馬口「上御霊神社」にて六斎念仏を堪能。本日の記事とは何の関係もありません 3)

 

 まあ諸君、「ヒイキの引き倒しだ」と言いたければ言ってくれたまえ。笑いたければ、いくらでも笑ってくれたまえ。しかしさすが早稲田大、「大学ナンバー1になること」をラグビーの最終目標にしていないのではないか。

 

 もっと大きく、「日本ラグビーが世界でどう戦うか」を思い、大学日本一になることよりも、「体格で明らかに劣る日本チームが、どうすれば圧倒的な体格差を誇る外国チームに立ち向かえるか」「小さな肉体で世界と戦うのにはどういう選手を育てればいいか」、そこを常に考えているんじゃないか。

 

 昨年の早稲田のスクラムは、帝京大に惨めになるほど圧倒され、蹂躙&粉砕されたのである。押しまくられてそれでもやっとスクラムから出したボールをSH宮尾がSOにパスしようとすると、すでにその位置に相手のフランカーやナンバー8がキバを剥いて立ちふさがっていた。

(8月18日、京都鞍馬口「上御霊神社」にて六斎念仏を堪能。本日の記事とは何の関係もありません 4)

 

 しかしそういう経験は、世界で戦う時には日常茶飯事なのだ。高校から大学まで圧倒的な強力フォワードに恵まれたチームでしか戦った経験がなければ、フォワード劣勢の場合のゲームメイキングが出来ない。

 

 常にフォワード劣勢、スクラムからもラックからも、余裕シャクシャクの球出しなんか夢のまた夢、押されに押されてやっとのことで出てきたボールを、どう生きた形で攻撃に繋げるか。

 

 今朝のSH斎藤直人には、フォワード劣勢での模範的な戦い方を見た。早稲田大での4年間に培われた「劣勢における余裕」である。早稲田ラグビー、「時代遅れ」と言われながらも、圧倒的な体格差の中で戦わなければならない選手の育成には、実は大きな貢献をしてきたのかもしれない。

(8月18日、京都鞍馬口「上御霊神社」にて六斎念仏を堪能。本日の記事とは何の関係もありません 5)

 

 高校から大学への段階で、体格重視の選手リクルートを継続すれば、大学選手権までの有利は間違いない。スクラム前列3人に120kg台の有望選手なんか並べれば、向かうところ敵なし、押しに押してスクラム連取、スクラムでのペナルティも取りまくって楽勝に次ぐ楽勝、ファンは快哉を叫びつづけるだろう。

 

 しかし諸君、ラグビーは大学選手権がゴールではない。その先には世界の舞台が待っている。話が体格差ということになれば、世界との差は如何ともしがたい。そこで必要なのは「体格差をどうカバーするか」の経験値。今回の日本代表に早稲田卒の選手が6人も入ったのには、そのあたりがあるんじゃないか。

 

 ラックからもスクラムからも、余裕シャクシャクのボールなんか出てこない。今朝のサモアも、後半の後半からは完全に1対1の体力勝負に切り替えた。

 

 そこでの戦い方、さすがの斎藤はマコトによく心得たもので、何しろ彼は大学4年間、体格差&体力差の明らかなチームをどう手玉にとるか、キャプテンとしてもそこんところを練り上げ続けてきたのである。

 

 まあ噴飯でも失笑でも構わない。大いに爆笑してくれたまえ。しかしとにかくワタクシはサモア戦、SH斎藤直人が交代した後半35分までは、ほぼ全てのプレーに快哉を叫んだ。叫びすぎて、おそらく近所の人々がかなり迷惑したと思う。

 

 何故なら諸君、昨日あたりから東京の早朝はかなり冷え込むのである。23℃、22℃、そういう朝に窓を開け放ったサトイモが3分に1回、いや2分に1回、終盤は30秒に1回、そういう大歓声をあげたのでは、十分に安眠妨害になりうるだろう。

 

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E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1

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